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2018年ベストアルバム - pwm

『月刊ラティーナ 2019年1月号』に2018年のベストアルバムを寄稿しました。紙面では10枚のアルバムを掲載していますが、ここではその中から7枚を厳選して、さらに悩みつつも選外となった3枚を加えて、合わせて10枚のアルバムをご紹介します。

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(1)Soleil / My Name is Soleil - Soleil is Alright
今年はSOLEILの2枚のアルバムがやたらと新鮮に感じました。10代のころにビートルズを熱心に聴いていたことを思い出したりして。「なんか最近音楽を頭で考えながら聴いているな、以前はなにか違った気がするな」とか、SOLEILの音楽を聴きながら考えていました。

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(2)Benoit Mansion /  Le jazz ça paie pas
ベノア・マンションはベルギーの男性SSWで、プロダクション・デシネから過去の作品がリリースされている。そんな彼の新作が密かにリリースされている。あまり話題に上がらないので、みなさん盛り上げてあげてください。

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(3)空中泥棒(a.k.a 公衆道徳)/ Crumbling
去年出た『公衆道徳』も良かったですが、今作も素晴らしい。韓国の音楽という枠を超えてワンアンドオンリーな世界観。自分も韓国は音楽は結構チェックしていますが、こういうのを日本に紹介したLampの染谷さんの審美眼は素晴らしいなと思うのです。

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(4)Sulu and Excelsior / Eddie Romero
米国NYのスールーなる人物が中心のプロジェクト。僕はマーヴィン・ゲイの「What's Going On」が好きなんですね。普段音楽を聴くときも、この曲に似た曲を探しているのだと思う。この「Misery Luv」もそんな感じで出会った一曲です。

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(5)Walmir Borges / Melhor Momento
ブラジルの男性シンガー・ソングライター。良いメロディを書きます。そして男前な歌声がいい。痺れる。ブラジル経由のソウルミュージックという感じでしょうか。今年もブラジル物はとても充実していました。

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(6)Mikaela Davis / Delivery
ハープを弾きながら歌う米国の女性シンガー。ハープというと優雅なクラシックでの音楽を連想する人が多いと思うけど、これはサイケデリックでグルーヴィな音楽。もうこういう音楽は大好きですね。

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(7)Federico Arreseygor / Todonosepuede
アルゼンチンの新世代フォルクローレの文脈で語られることの多い男性SSW。この人は心にぐさりと突き刺さる良い曲をかきます。この曲もすごくいいですね。ナチュラルなアンサンブルにメランコリックなメロディ、名曲です。

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(8)Camille Bertault / Pas De Geant
フランスの女性ジャズヴォーカリスト、カミーユ・ベルトー。スキャットの名手です。前作(デビュー作)も良かったですが、今作では映画『ロシュフォールの恋人たち』の曲をカヴァーしていて最高でしたね。

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(9)Tom Misch / Geography
英国の男性SSWトム・ミシュのデビュー作。弱冠二十歳だそうです。デ・ラ・ソウルが参加しているこの曲にはハマりました。ブルーアイドソウル的なサウンドにボサノヴァのシンコペーション。今後に期待です。

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(10)Won Fu / 旺情歌
最後は台湾の男女4人組、ワンフーの新作からの曲です。シティポップ風味の曲ですが、このキャッチーさが大好きでした。京都で撮影されたミュージックヴィデオも、ヴォーカルのMamiがチャーミングで素敵でした。

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以上、2018年ベストディスクでした。詳しくはぜひ雑誌のほうをご覧くださいね。2018年に出会った音楽も大充実でしたが、2019年も良い音楽がたくさん出会えると思うと、いまから楽しみです。(2018年12月)

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