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ベストを尽くす「範囲」を間違えない

人生の異なる場面で、全く別の人から、同じメッセージを受け取る瞬間がある。
最初にお断りしておくと、私は見えないものが見えたり、聞こえたりする不思議な能力は持ち合わせていない。この場合の「受け取る」とは、目の前で起きた現象や、出会った人の言葉から、「私がそう感じる」という意味である。

昨日もそんなことがあり、私のアンテナは、あるメッセージを受信した。

自分のできないことはやらない。できることをやる。

昨日、2ヶ月ぶりに友人と会った。彼女は私にとって、ビジネスのこと、自分の大切にしている価値観のこと、かなり深いところまで屈託なく話せる、大切な友人である。そんな彼女が、これから始める新しいビジネスの話をしてくれた。

彼女のビジネスプランは徹底している。
ペルソナの設定から提供するプログラムまで、完璧な自己分析と市場ニーズに基づいて練られた、綿密な計画。それだけでも素晴らしいのだが、私が「さすがやなぁ」と心から感銘を受けた部分があった。それは、自分のサービスとして提供する範囲を、しっかりと区分けしていることだ。

自分の得意分野を認識した上で、ここまでは提供するが、ここには手を出さない。この形なら提供できるが、この形では提供しない。広報担当としてのキャリアを持ち、将来は広報・事業コンサルタントとして自分の事業を立ち上げることも視野に入れている彼女のビジネスに対する姿勢は、毎回、勉強になることばかりだ。

彼女と別れた後、帰宅途中の電車の中で、読みかけのエッセイを開いた。すると、私の目に、こんな言葉が飛び込んできた。

できないことを、自分にやらせない

なんともタイムリーな😳
電子書籍のページをめくり、著者の言葉を追っていく。

私たちには、結果を生み出す(コントロールできる)力はない。
結果は、神のみぞ知る、です。
そこをどうこうしようとするから、苦しくなったり、楽しくなくなったりするのだと思います。
もちろん、ベストを尽くすことは大事です。
だけど、それとこれとは別の話。
ベストを尽くしてできないものは、できなくてもいいことかもしれません。それでもこだわることは、単なる執着の可能性があります。
ちなみに、ベストという表現をすると、「できないことを自分にやらせる」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかしそれでは、常にストレスが生じる状況は変わらず、余計に動けなくなるだけ。
できることだけ、すればいいのです。

リラックスにどんどん流されたら、とんでもなく素晴らしいことが起きた36日の出来事
末吉宏臣

彼女から受け取ったメッセージと、著者の言葉が、ピタリと重なった。

会社員時代の出来事

私はしばしば、「できないことは、努力で補おう!」と頑張り過ぎてしまうことがある。会社員時代も、「今の自分には、(能力的に)ちょっとtoo muchな仕事かも・・・」と思っても、絶対に「No」とは言わなかった。どうしたらそれが達成できるのか、必死で考え、工数を裂き、限りある時間の中でベストを尽くした。
特に非正社員だった頃の私は、安定したポジションに這いあがろうと、必死だった。

ある日、会社に残って残業をしていた時のこと。
親しくしていた別のグループのマネージャーが、心配して声をかけてくれた。

がんばりすぎてないか?

私は、その言葉を深く捉えることもなく、「心配してくれてありがとう。でも大丈夫!」と、笑顔で彼に返した。

今思えば、側から見ていても、私の頑張りぶりは明らかにtoo much に見えていたのだろう。彼はとても優しい人だったが、ビジネス上は厳しい人でもあり、普段、自分の部下でもない人間にそんな事を言う人ではなかった。

その頑張りの甲斐もあって、私は正社員の地位を手に入れた。
末吉さんの言葉を借りるならば「できないことを自分にやらせる」ことが、自分を成長させる道だと、ますます信じるようになった。
そして、母である私は、息子にもそれを求めた。彼が不登校になった原因はそれだけではないと思うが、私のその考えも、彼を追い詰める原因の一つだったと、今は思っている。

「範囲」を間違えない

自分に足りないことを身につけるために、努力をする。
よい結果が出るように、今できる最善のことをする。
それは、とても大切なことだ。今も私は、自分のビジネスを立ち上げるために、ベストを尽くしている。(つもり😅)

でも、同じ「ベストを尽くす」という行為をしていても、会社員だった当時の自分と、明らかに違うことが一つある。

それは「ベストを尽くす」範囲だ。
ただがむしゃらに、できないことを片っ端から学び、自分のできることを一つでも多く増やすことが、未来へつながると信じていた当時。もちろん、そこから学びも得たし、今に繋かっていることもたくさんある。

しかし、そうやって身につけたものは、今の私の「核」となっているか、と言われれば、答えは「否」なのだ。結局、私が自分の一生の仕事として選んだのは、努力しないでも身についていた「書く」という分野だった。

そして今、私は自分が最も得意とし、楽しいと感じている「書く」という世界の中で、自分の活路を見出そうとしている。この現実は、数年前の自分には思いもよらなかった未来。あのまま会社員を続けていたら、私は「できないことを自分にやらせる」毎日に、息切れしていたのではないかと思う。

自分のできる範囲の中で、ベストを尽くす。それが、ビジネスでも、内省でも、自分を幸せにする第一歩のような気がしている。

あなたはどの場所で、ベストを尽くしますか?

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目から鱗がポロポロ落ちる、末吉宏臣さんのエッセイはこちら。

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