pictSQUAREで800spの同人イベントをサークル参加費1,000円で開催した話

2021年2月14日に、pictSQUAREを利用し、Passion! VIRTU@L STAGE!という二次創作のオンリーイベント(同人誌即売会)を800spの規模で2回目を開催、無事終了致しました。
この記事は次回に向けての振り返りと、イベント参加者・ひいては同人に関わる皆様に向けての記事です。
とても長いので、お時間のあるときにお読み頂ければ幸いです。

なぜこういった主催をしているのか、なんのためにやっているのかについては前回の終了後に記事を書いており、そこから趣旨は変わっておりませんのでこちらをご参照下さい。


まず、2回目開催の振り返りと反省点などについて書いていきます。

振り返り1・さすがに当日は忙しすぎた


イベント開催日は2/14だったのですが、当日参加者の皆さんに余裕がなかったかなと思い、イベントの最中から次回の開催日を考えるところがありました。

これはいくつか原因がありまして
・ソシャゲなのでバレンタインデー当日にゲーム内のイベントがある
決めた段階でもちろん想定済みだったのですが、同人誌のイベントも当日がバレンタイン、かつ誕生日のアイドルがいれば盛り上がりますし、メリット・デメリットを承知しつつ設定した日程でした。

しかしさらに
・一週間前に公式から「2/13~14に過去のプロミ(※)の無料配信するよ」というお知らせが発表される(無料配信は初)
これはさすがに予想はできませんでした。
(※プロミ=プロデューサーミーティング、ざっくり言えばライブとトークイベントが合体したみたいなもの)

この点、メリデメのこともありますので絶対のお約束はできないのですが、可能な限り考慮します。ただし、ライブやリアルイベントが重なった場合は状況次第で臨機応変に変更をする予定です。(こちらについては下記にも記載します)

振り返り2・自分の作業量が多くパンクした(自分がやらなくてもいいタスクは人に依頼する)


デザインのお手伝いは頂いていたので、序盤のサイト関連はかなり助かっていたのですが、私自身が仕事を人に渡せない(細かい仕様や意思などを伝えてやってもらうにはコミュニケーションの時間が足りなすぎる、スピード感が必要、など)状態だったため、後半はほぼ一人で作業をしていました。

これは自分のスケジューリングと予測ミスなのですが、イベント1ヶ月前ほどから一人でやるには厳しいボリューム(自分の力を過信しすぎ)になってしまったため、次回は作業を切り出せるようにし、お手伝いを頼もうかなと思っています。
当日についても配信をしながら会場を回り、Twitterを投稿するのは手と目が全く足りていませんでした(そりゃそう)。

こういった個人の趣味で行う企画ものは、複数人で主催をするとどうしても意思決定がぶれ、トラブルのもとになるため、今はすべてを私一人で決めています(お友達にアドバイスを聞くことはあります)。
そういう意味で自分でやるほうが早いことが多いのですが、マンパワーの限界を感じたため、次回はタスクの整理・棚卸しに努めます。

振り返り3・情報はどうやったら正しく全て伝わるのかという問題


今回はサイトに情報を全て集約し、最初の段階で企画が何があるのかなど、サイトを見れば情報はわかる状態を目指していました。

サイト構成の問題(=見やすさや使いやすさの追求)はまだあるにしろ、とりあえず探す気があれば見つけられるだろうという状態にしたかったためです。
主催をする上で情報をまとめて掲載する目的は「伝えること」すなわち「周知」で、「書いておくこと」ではなく「どうやったら伝わるのか」まで考えることが必要だと思っています。
情報の提示はしていたものの、各種コンテンツのボリュームが多かったこともあり、正確に、より良いタイミングで伝えきれなかったことが反省点です。

ただ、情報伝達については相手(=イベント参加者)にも意志を求めなければいけない、こちらで制御できないという意味で、とても難しいことです。
探す気がない場合は自分から主体的に情報を求めには行かないと思いますし、参加者全員に対してそれを求めること、また各個人に意志を持ってもらうのも強制はできないことですよね(イベントに対しての興味は人それぞれのため)。


話が少しそれますが、同人誌即売会は全員が参加者で、全員が自分がどうしたいのかを考えながら一つのイベントを作り上げるものだと思っています。
参加者の皆様にもぜひ「情報を受け取りにいく」「必要な情報は探しに行く」「参加者同士で助け合う」「わからないままにせず聞きに行く」というお気持ちを持っていただけると、楽しめる方が多くなり、よりよいイベントになるのかなと思います。

もちろんこれには主催側の情報提供が前提・肝だと思っています。こちらもできる限りのことをしていたつもりなのですが、至らない部分もまだたくさんありました。主催側からも「伝える」努力をし続けますので、ご協力頂ければ幸いです。
またこれについては具体案がひとつあり、次回から実施予定です。


次回への改善点、ルール制定など

上記を踏まえ、今の段階での改善予定と案を記載します。

日程について、確定後も公式のライブやイベントと被る、または近い場合は日をずらします。
日程については予測ができる範囲では考慮します。
ただし、公式のライブやイベント、また赤ブーなどの即売会と日程が近い・または重なった場合はオンラインでのイベントという特性を利用し、判明した段階で日程の変更をします。
ゲーム内イベントについては考慮しているときりがないため、基本的には対応いたしません。

主催からの伝達部分の改善として「PDFのサークルガイド」を作ります。
リアルイベントのような「サークルガイド」をPDFで作成し、これをサークルの皆様にお送りするという方法を取ろうと思っております。
サークル参加に必要な情報全てを集約し、PDFを見れば分かる状態にしておくことで「これどこに書いてあったっけ」をある程度防止できるというイメージです。
こちらの案については「喵喵万来!」様を参考にさせていただきました(主催様にも参考にさせて頂く旨承諾済)。ありがとうございます!

新刊を発行頂ける方へのフォロー強化をします。
1回目の際にまとめを行っていたのですが、定義が曖昧だったのとフォローしきれないと判断し2回目では実施していませんでした。
ただアンケートなどで「期待していた」というご意見を頂いていたことと、やはり「同人誌即売会では新刊を出す人が一番強い」という個人的な気持ちもあるため、もう少し定義を明確にし次回はフォローアップを致します。
(具体案は検討中ですので、もう少々お待ち下さい。)

配置区分については現在のユニット、カップリング、アイドル単体などに加え「劇中劇」を加えます。
今回ご参加頂いた、特に「なし」や「ユニット」を選択頂いている皆様の中で、劇中劇での作品を出されている方がいろいろなエリアにいらっしゃったと思います。数がそこそこになりそうなことと、公式もこのあたりを強化していることを鑑み、配置区分を追加します。
もちろん現在の通り「ユニット」や「なし」で取ったとしても、劇中劇作品を発行頂くことは何ら問題ありませんし、これに限らずどの配置でどんな本を出すのかはサークル様の自由です。(リアルイベントと同じです)

この他にもまだまだあると思うのですが、一旦上記については次回から実施予定です。よろしくお願い致します!



下記からは、そもそものイベント開催やウェブでのイベント開催についてのあり方の話をします。
何度か読み直してはいるのですが、若干言葉の強さ、説教っぽさがあるような気がしますので、鼻についたら申し訳ありません。

イベント開催における有償と無償、企業と個人の差について

以下からは、お金をかけて個人でイベントを主催をすることの、参加者からの捉えられ方についての話です。
この項はぜひ、同人、特に二次創作に関わる方に是非見て頂ければうれしいです。

まず前提として、私が主催する「Passion! VIRTU@L STAGE!」はプラットフォームがオンラインだというだけで「同人誌即売会」だと思って考えています。つまりリアルイベントも、オンラインでのイベントも、同人誌即売会という観点では同じものであるという捉え方をしています。
やりかたはもちろん異なりますし、オンラインではまだまだ模索が必要ですが、基本的にはリアルイベントを踏襲して実施していきたいと思っています。その点、改めてご認識頂きつつお読みいただけると幸いです。


今回対価を頂いての開催を決めていたため、サークル参加費は1,000円としました。
うちpictSQUAREに入る分が550円、主催の私に入ってくる分は450円です。
なぜそうしたのかは前回のnoteをお読み頂ければ幸いです。

まず、今回イベントを行った中で頂いた、私が気になったご意見です。

・「誕生日のアイドルに関わる創作物を出してくれた方に、ちょっとしたプレゼントをお渡しする」というような趣旨の企画は公平ではないのでは(要点としては主にふたつで「アイドル全員に対して同じことはできないから公平ではない」「同じ参加費を払っているサークルに対して公平ではない」という内容)※

・「投稿形式の冊子を作り、サークルに無料配送」という内容について匿名配送じゃなかったので頼めなかった、公平ではない、参加費で調整してほしい

・収支の内訳を提示してほしい

※ 最初にご意見を頂いた方からはどのような点が気になったのかなど、冷静に詳しくお話を頂いた上で私からご説明申し上げ、ご納得頂いております。例に出して申し訳ありません。具体的なやりとりは下記リンクをご参照下さい。

https://privatter.net/p/6724232
https://privatter.net/p/6727421
https://privatter.net/p/6728092

個人か企業か、有償か無償か


上記のご意見は「個人主催(企業ではない)」「有償イベント(主催が金銭を得ている)」という点で比較され、指摘された話なのではないかと思っています。
それとポイントとしては「個人主催のリアルオンリーイベント」を知っているかどうかもあるのかと感じています。
つまり知らない方は企業が主催しているイベントしか知らず、個人主催の企画などは赤ブーのプチオンリー、アンソロジーなどが価値観の比較基準になっていて「主催は自腹で金銭の持ち出しをするもの、参加者の費用負担はない(または参加者が選べる)」というような前提があるのではないかと思います。私の想像ですが。

まず「個人主催(企業ではない)」という点です。
1つ目のご意見を例に出しますが、企業主催の同人誌即売会の開催日が特定キャラクターの誕生日と近かったりする際、パネルを作りお祝いしましょうという企画をやっていることがあります。
特定のジャンルではやっていなかったり、また別のキャラクターの誕生日のタイミングでの開催がなかった場合、これも不公平ということになると思いますが、そういうご意見は聞いたことがありません(企業にそういった内容をお問い合わせされているのでしたら申し訳ありませんが…)。

次に「有償イベント(主催が金銭を得ている)」という点での比較です。
主催側は基本無償で行われるプチオンリーなどで「特定の条件でペーパーを出したら主催から特典(グッズなど)がもらえる」といった企画内容もよくありますが、これらは特に問題なく実行されているように見受けられます。

私が頂いたご意見と、上記の実際の例は「個人か企業か」「有償か無償か」という点以外にはほぼ違いがないと思いますが、なぜ「企業で有償」は問題なく行われ「個人で有償」だと気になる方がいらっしゃるのか、あまり理解ができませんでした。
どうして、企業イベントに対しては求めないことを個人主催だと求められ、また有償になった途端公平じゃない、選べるようにしてほしい、その分安くして、などという話になるのか、個人だから融通がきくと思われているのでしょうか…それは逆に参加者一律ではなくなるので、ある意味不公平だと思うのですが、いかがでしょうか。

イベントに申し込むということ

まず、私はサークル参加のお申込開始前にサークル参加費を1,000円とし、こういう形で使いますよと明言していました。サークル参加についてはこれにご納得・趣旨に賛同頂いた上で、お申込頂いているという前提があります。どう使うのかも、基本的にはお申込頂いたあとは主催である私に委ねられているわけです。
あまりにも不透明だと信用問題になりますので、予め企画も提示し「こう使いますよ」と謳っており、今回は大きく外れることもなく予定通り使用しています(有料レンタルサーバー費、デザイン費、冊子印刷費、グッズ作成費など)。
※誕生日の企画については事前にお伝えできなかったのですが、トータル考えても大きい金額ではないこと、一般的なリアルイベントでもよくある程度の景品(30円のチョコ)だったこと、誕生日にちなんだ特定の条件でもらえる形式にしていたことなどから、大きな不公平を生むものではないと判断しています。

企業のイベントも同じです。スペース代には会場レンタル費だけではなく、人件費や郵送代、印刷代、いろいろな経費が加味されています。特定のサービスを受けなかったからと言って、割引されるわけではありません。
サービスの最低限はフラットに作られており、プラスのサービスを利用するかしないかは個人で判断するようになっているはずです。
また、その収支についても明確に参加者側に提示されないところがほとんどです。

イベントの参加費は、いくらにするのか、どう使うかは主催が決めるものです。参加者側は納得いかない場合は参加しない、という選択になり「高いから安くしろ」ではないわけです。

自治体、町内会などで収支明細を出しているところは「何かしら強制的に支払いが発生する」ようなケースで多く見られ、同人誌即売会のように参加者の意思でお金を払って頂いているものとは趣旨が異なります。
クラウドファンディングであれば、収支報告の開示=お金を持ち逃げしたりしていないことの証明・信用を守る意図だと思いますが、当イベントの場合はどのくらいイベントに対してお金を使用しているかは参加者からほぼ分かる形であり、透明性・信用は担保されると判断します(冊子の印刷、発送代、グッズの作成など)。
議論としてはもう1点あり、その収支について公開したとしても、判断する基準が個人の主観に委ねられ、正確な判断そのものができないためです。
上記をもってしても信用できない、となる場合は申し訳ありませんがご参加はご遠慮下さい。


この基本的な部分を一部の方はご存じないのではないか、という懸念を感じたため、このような内容を書きました。長くなってしまってすみません。

主催するのに「無償のほうが楽」になってはいけない


上記の話は、すべて有償にしたことで頂いたご意見の一部です。
正直こういった「面倒事」が多くなり結局無償のほうが楽、という形になってしまったら、結果主催はどんどん無償労働を強いられる気がしてなりません。(現実として、ややそうなっているように見えます)

主催の方もいろいろですので一概には言えませんが、面倒事を避けるために主催は自身の労力は無償とし、自腹を切らなければいけないとなれば、自らやろうと思う人も少なくなってしまうと思います。(このような結果、リアルイベントの個人オンリーが廃れていったのではと個人的には思っています)

また少しずれますが、「ご意見」はすべて匿名です。
こういった匿名ツールの普及も、自分の責任を明確にしない一方的なご意見を助長させていると強く感じます(アンケートのフリー項目でもこのようなお話を頂いているので、次回からアンケートをとる場合フリー項目はなくすか、アドレス記入制にする予定です)。
好意的なご意見もありますので匿名ツール自体を批難する気はありませんが、そのように使われているため、当イベントでは廃止しました。

Passion! VIRTU@L STAGE!の参加費について

私は、イベントはウェブ上であろうと個人であろうと、主催側に対価が入ることも「ひとつの当たり前」になってほしいと思っています。
いろいろな方が「そういう考え方もある」となれば、個人の考えが当たり前に尊重され、対価を得ている主催だけに対する「一方的なご意見」をぶつけてくる方も少なくなると思うのです。

書いてきましたすべての内容を踏まえ、再度申し上げます。
私の主催するイベント「Passion! VIRTU@L STAGE!」において、サークル参加費は主催側に金銭が入るように設定します。
さらにこの金銭について、どう使うかは主催である私が判断します。

サークル参加費は引き続き1,000円の予定で、使い方は前回と同じく「なにかの形で参加者に還元」「サービスレベルを向上」「次回のイベントのために使う」「一部を自身の対価として頂く」です。
また先程も申し上げたとおり、収支については明確に出す予定はございません。その判断基準は正解がなく、個人によって価値観が異なるものだからです。

その代わり、どういうイベントを行うのかは予め皆さんに提示した上で、参加を決めて頂ければ良いと思っています。
やり方に納得できないのであれば、参加しないという選択肢は参加者にあります。

私の考え方が絶対に正しいとは思っておりませんし、参加者の皆様に強いるわけではありません。
いろいろな意見や考え方があって当然ですが、ただ、同人にまつわる考え方として「前からこうだから」「皆そうだから」だけではなく、今はそれぞれが自分で考える必要があると思っています。
また、取捨選択をする権利も個人にあります。
私の意見も、誰かに押し付けることはあってはいけないと思いますので、「こうしろ」と言っているわけではないことをご理解頂ければうれしいです。
先程も申し上げましたが、同人の世界では顧客はおらず全員が参加者です。
これを機に「周りがそうだから」「今までそうだったから」で止まらず、どうか皆さんご自身で「イベントとは」「同人誌即売会とは」を考えて頂けるとよりうれしいです。

たくさん書いてしまってすみません。
オフラインイベントが前のように戻ったとしても、オンラインのイベントはまた別の需要や楽しみ方がある、ということがわかってきて私はとてもワクワクしています。
何かしらの形で無理なく続けていければ良いと思っておりますので、ご納得いただけましたら、次回ご参加頂ければ幸いです。

色々思うことはあれど、「楽しいことがしたい!」という気持ちはずっと変わっておりません。自分一人では作れない、楽しいことが皆さんとしたいです。

同人誌即売会「Passion! VIRTU@L STAGE!」、これからもどうぞよろしくお願い致します!

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