Puzzle Boss Rush 3 解体新書 Day7 Heyawake

0.はじめに


こんにちは。パズルボスラッシュ3でDay 7 Heyawakeを担当した、ますたぁPと申します。

パズルボスラッシュ3にご参加くださった皆様、ありがとうございました!!お気に入りのパズルは見つかりましたか?楽しんでいただけたのなら幸いです。

ここでは、あのボスへやわけがどのようにして生まれたのか、そして問題の解説をしていきたいと思います。ご興味のある方はお付き合いください。それではどうぞ!

1. ボスへやわけ誕生秘話


時は2021年中盤、PBR3の制作が始まり、実際に作問担当を決めていく段階に入りました。

当時、私は2つの作問案を持っていました。一つはへやわけ。もう一つはルール複合ループパズルです。

実は当時から、『へやわけはもういいかな……』と思っていて、ループパズルにしようと思っていました。しかし、『単問単ルールで高難易度の枠がある』ということで、ならばへやわけで挑むしかない!と、へやわけを作ることに決めました。

ルール複合ループパズルについては、またの機会にお見せしたいので詳細は秘密です。もしかしたらパズルボスラッシュ4でお披露目されるかも……?

ちなみに、私は毎日へやわけばっかり作っていますが、ループパズルも大好きで、特にスリザーリンクが好きです。PBR1のスリザーリンクは脳汁出る良問なのでみんなやろう!

そうと決めたら、作るしかない。そして、ボスなのだから目一杯難しくするしかない。

『自分が持てる全ての力を使い、ひたすらデカくて難しい(ただしちゃんと3時間で解ける人がいるぐらいの)へやわけを作る』

これが私の目標になりました。

結果的には……多くの方々が3時間以内に解いてくださっており、『とても厳しい問題ではあったものの難しすぎるということはなかった』と感じております。

ひたすらデカくて難しいとはいったものの、やはりボスであるのだから、それだけでは面白くない。印象的なボスには必ずそこにしかない特徴がある。問題にはコンセプトが必要です。続いては、問題のコンセプトを解説していきます。

2.無とはいったい……


実際にへやわけを作っていくに当たり、まず定めたコンセプトは、『協力プレイ推奨型へやわけ』です。

PBR3はギルド参加OKの協力型イベントなので、せっかくなら協力して解きやすい盤面にしちゃおうというわけです。

というわけで、まずは盤面を大きく4つに分ける線を引いて……おっと、その前にサイズを決めなきゃな。やはりここは……

1500マスだな!!



??????????????????????



完全に感覚が麻痺していましたね。

というわけで30×50になりました。でかい!

待てよ、ただ4つに分かれているわけではなく、それぞれのエリアに違った解き味を持たせられたら面白いな。そうすれば1人で解く場合でもダレずに最後まで解き進められそうだ。

というわけでそれぞれのテーマを決めよう。

・白マス系手筋

・黒マス詰め込み

・川

この3つは採用しよう。あと1つは思いつかないけど感覚で作っていけばいいか……


ここまで考えた時、私の頭の中にある一体のボスが浮かびました。

4つのパーツに分かれており……それぞれが厄介な特徴を持っていて……タフで……強力な……『ラスボス』


そう、ファイナルファンタジーVの『ネオエクスデス』です。(ここでネオエクスデスのテーマが流れる)


ネオエクスデスが頭に浮かんだ瞬間、私は問題の完成を確信しました。

1体でも厄介なボスを4体同時に相手する。あちらを気にするとこちらが通らない。気を抜くとやられてしまう。1体ずつ攻略法を作り、何回も敗北してなお逃げることは許されず、正面から向かっていき、倒していく他ない……

そんなボスを作ろう。

……今思えば、あのときの私は、エクスデスのように『無』に飲まれてしまっていたのかもしれません。

そこからは一気に問題を作りました。続いては、問題解説に移っていきたいと思います。

ここから先は解法などのネタバレがあります。十分に注意してご覧ください。


3.問題解説


実際に出題された問題がこちらです。

でかい。こわい。

それぞれのエリアは以下のようになっています。

左上:白マスエリア

右上:見た目綺麗&即興部屋エリア

左下:大部屋詰め込みエリア

右下:川エリア


一見、どこから解き始めるか迷ってしまいそうですが、ちゃんとそれぞれのエリアに入り口が用意されています。ただし、その多くは難解です。

そこで、インストの段階で『どのエリアからでも解き始められる』ということを公表することにしました。(ふーなんとかさんありがとうございます)

続いて、各部解説に移ります。各エリアについて、入り口の解説も行います。

・白マスエリア(難易度:★★★★★)

白マス手筋によって先に白マスを埋め、三連禁で少しずつ黒マスをあぶり出していく。思考への負担が大きいエリアです。4つのエリアで一番難易度が高いエリアだと思います。

このエリアに苦戦する方は、『1の定理』や『川の字定理』などを調べてみると、スムーズに解けるようになると思います。

入り口は、この部分です。

下の画像で色分けされた領域は、それぞれが直線的に3部屋に渡っているので、領域ごとに黒マスが1つ以上、合計で12個以上入ります。

また、へやの数字より、色分けされた領域には黒マスは12個までしか入りません。

よって、下のように中央の部分で色の塗られていないマスはすべて白マスになります。これが入り口になります。


・見た目綺麗&即興部屋エリア(難易度:★★★☆☆)

この問題ではいちばん優しい&易しいエリアです。でもパズスクのアゼンぐらいあります。

的確に分割と合体をしていくことができれば、他のエリアに比べるとスムーズに埋められると思います。

明らかな入り口は真ん中の0ですが、実はこの88も入り口です。

8in6×3のへやを3×2の部分ごとに3つに分割すると、そこに入る黒マスは3・2・3個となります。

すると下図のように白マスが決まり、さらに2枚目の図のように黒マスが埋まっていきます。


・大部屋詰め込みエリア(難易度:★★★★☆)

とにかく大部屋に黒マスを埋めていくエリアです。

仮置きと相性がいいですが、その分ゴリゴリに埋めていく必要があり、重いです。この部分で苦戦した方は、『へやわけMX』などで充填の手筋を見たり、分割充填を試してみるのがいいと思います。

  

入り口はここです。シンプルですが超上級手筋、15in7×5です。ここから左や下に派生していきます。


・川エリア(難易度:川)

見てのとおり、川です。

川の手筋を知っているかどうかで解きやすさに如実な差が出るエリアです。なので、難易度は『川』です。

この部分が解けない方は、へやわけの川の手筋について調べてみてください。一昨年ぐらいからアツい分野です。

入り口は複数ありますが、最も特徴的なのは中央の565です。

  

川の流れの中においては、下のように一つ飛ばしで黒マスを配置することができません。

それならば、565の15×3マスの領域の中には、各行に1つずつ、計15個しか黒マスを配置できない、ように思えますが……

一番上の行にだけは、黒マスを2つ配置できます。これが入り口となります。


以上、各エリアの解説でした。拙い解説ですが皆様の助けとなれば幸いです。

4.32分!?


ここからは余談です。

この問題はソルバーでチェックする前に手動での唯一解チェックを行いました。制作者の唯一解チェックタイムは45分です。当然ながら、解き筋が全てわかっている状態でのチェックタイムです。

1位のタイムは32分です。


32分!?!?!?!?!?!?!?!?


はやすぎ!!!!!!!!!!!!!!!!


またへやわけの難易度推定がわからなくなってしまいました。


5.例題†LEGGENDARIA


今回の問題は、難しい問題というよりは厳しい問題であったと、私は思います。

『へやわけの全般に渡る手筋を知らないと解けない』『入り口から難解で取っ掛かりが掴みづらい』など、初心者にとにかく優しくない、裏を返せば厳しい問題であったと思います。

その『厳しさ』を緩和するために、特記事項として、4つのエリアどこからでも解ける旨をインストに記したわけですが……

実はもう一つ、厳しさを緩和するために取った措置がありました。それは……例題です。

実はこの例題、めちゃくちゃ難しいです。多分パズスク基準だとアゼンあります。

本番の4エリアを小さな盤面に再現しており、ルールを覚えるには不必要なまでに難しい例題。これを出題することで、『初心者お断り感』を出し、本番の厳しさのいいクッションになるかなあと考えていたのですが……どうだったでしょうか。

うまくいってたらいいなあ。


6.きあいでとけー


4人で協力して解くことを想定して作ったこの問題。

なんと、偶然なのか意図してのことなのか、ストーリーではオミナス、グリン、ナナに加えてコロリエが参戦し、4人でこの問題に挑みました。

この激アツな展開に、問題作者としては感動を禁じえませんでした。奇しくも、なんとファイナルファンタジーVと同じです。

私はPBR3のスタッフであるとともに、パズルボスラッシュのファンでございます。

最高です。ありがとうございます。パズラーバ王国に光あれ。

皆様もストーリー読みましょう。神です。

7.おわりに


というわけで、パズルボスラッシュ3 Day7 Heyawakeの解体新書をお送りいたしました。

いかがだったでしょうか。

私はパズルボスラッシュが大好きなので、2に続きスタッフとして参加できて、とても嬉しかったです。

また、問題に対して感想を書いてくださった皆様、ありがとうございます。問題作者としては嬉しい限りです。

また機会があれば次のパズルボスラッシュでお会いしましょう。ありがとうございました!!!

あ、へやわけますたぁもよろしくね!!!















ん?こんなところにへやわけが落ちているぞ。

https://puzsq.jp/main/puzzle_play.php?pid=19832


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