PBR 3 解体新書 Day1 -Puzzle Pieces-


§1.ごあいさつ


こんにちは。Puzzle Boss Rush(以下、PBR) 3 のDay1、Puzzle Piecesの制作を担当しました、広瀬あつみです。

この記事では、今回のアイディアを思いついたきっかけやパズルそれ自体について、いろいろ書いていこうと思います。
お付き合いいただけましたら幸いです。

ネタバレ等も含まれますので、気になる方はご注意ください。

§2.おもいつき


さて、今回のパズルたちを見て、何か思い浮かぶものはありませんでしたでしょうか?

…………

…………

……そう、それです! 大正解!


っと、まずはいただいたコメントから抜粋してご紹介を。

『PBR1のTEN PUZZLESポジションで楽しかったです。』

『表ボスを倒したあとの裏ボスも,puzzle boss rush初回ボスの小問を解いてその答えでスケルトンになるという二段階ボスを彷彿とさせ,ギルドメンバーと盛り上がっておりました.』


コメントいただきありがとうございます。

……ということで今回のボスは、最初のPBRの、No.1 TEN PUZZLESから着想を得たものでした。
9つの小問たちを倒して得たキーをもってスケルトンに挑む、楽しい展開でしたよね。

自分でもこういうアソート形式のものを出題してみたいなと前々から思っていたのもあり、今回制作させていただきました。

§3.パズル選定


出題形式は確定しました。
ということで次は、出題するパズル選びです。

TEN PUZZLESと同様に、最初の9種類をすべて異なるものにしようかとも検討しましたが、今回はある程度パズル種をしぼることにしました。

そうするとHP低め・ATKめっちゃ高めのパズルがいくつか出題されるのではと予想してもらえるかも……と考えたわけではないのですが、ルールの把握のたいへんさを少しでも抑えることができるかなあと。

全体的な難度はおさえめにしようと考えていたので、ここの思惑にも合致するかなと考えたのでした。

さて、3種類を3問ずつにしよう、と決めたところで具体的なパズル選定です。

まずは、いかにも闇のボスっぽく見える?……と考えたわけではないのですが、もともとLight and Shadowは出題したいと思っていたので確定。

他に、試行錯誤要素多めのパズルが出題されそうに見えるように……と考えたわけではないのですが、ブロック分割、カーブデータ、ドミノフィールド(Domino Field)、Doppelblock、バトルシップ、スターバトル……等々を候補に挙げていき。

最終的にはアンサーキー説明も分かりやすく提示できるものがいいかなということも考えて(これも、「全体の難度はおさえめにしよう」の一環ですね)、Light and Shadow、Domino Field、Doppelblockの3種に決めたのでした。

ちなみにDomino Fieldの発祥はtwitterのこちら(https://twitter.com/ark184/status/869161436198588416?s=20)かと思われます。

Doppelblockの選出理由には、今回のPBR3で数字埋め系のパズルが少なそうだったからということもありますね。


小問が決まったので、ラスト問題のパズル選定へ。
TEN PUZZLESを彷彿とさせるように、スケルトンらしいパズルにはしたい……とはいえまったく同じスタンダードなスケルトンにするよりかは少しひねっていきたい……、と思って。

スケルトンの枠が提示されているけれどもそのままでは解けず回転させて解ける方向を探しつつ解く、とか、小問9つの解き上がりの盤面を何がしかの形で再利用してスケルトンの枠が浮かび上がるようにする、とか、あれこれ考えたりはしたものの。


やはり「全体の難度はおさえめにしよう」というところに立ち戻って、Scrabbleに決定ということになったのでした。
Scrabbleは、日本語ではセルフメイクスケルトン等の名前で出題されたりするパズルです。スケルトンの枠が定まっていない状態で言葉を組むところから、かと思われます。

ということで、ふーなんとかさんからストーリーが出てくる前の時点では、「ガイコツにガス状のモンスターが取りついた、もやもやしていて姿がはっきり見えないスケルトンと闘う」ような案を出したりもしていたのでした。

§4.パズル作問


すべてのパズル種が決まったところで、作問へ。

まずは、最初に出題を決めていたLight and Shadowから。

PBR2のBoss No.4にならって使う数字をしぼろう……と考えたわけではないのですが、まずは数字縛りで1問つくってみることに。

闇(やみ)の語呂合わせで……と考えたわけではないのですが、ひとまず83のみを使う問題ができないものかとチャレンジしてみることに。
そう、実は今までにLight and Shadowを数字縛りでつくったことがなかったのですよね。

あまりうまくいかないようなら他の案でとも考えていたのですが、無事にどうにかなったので、数字縛りチャレンジ続行と相なりました。

ちなみにこの「どうにかなった」の中には、「先の先まで読まずとも確定できるところを決めていけば順当に解き進められる」範疇であるように収められた、ということも含みます。


83縛り問ができたので、他2問はその間の数字、45縛りと67縛りでつくることに。
この数字縛りで行くと、数字の並びでちょっとした遊びもできますし、ね。(2問目と3問目の、ヨコ列最上段の同じ座標に……)


次の作問はDoppelblock。

Light and Shadowからの流れで、こちらも数字縛り……、枠外ヒント数字を統一する方針は最初に決定。

さらに、7縛りのパズルをわりとよく制作しているひとにあやかってみようかな……と考えたわけではないのですが、7縛り問をつくることは何となく決定。いやあ、7が3つ並んでいるとなんとなくめでたいですし。

そして、7縛り問がやや難しめになったかな?と思ったことから、5縛り問をつくろうかなと考えました。

1から4という使用数字で「和が5になる→必ず2つの数字の和で5になる」とわかるので、解き進めるときに考えやすくなるかなあと。

また、「和が7になる→2つか3つの数字の和である」ので、もう一問は4縛り問(和が4になる→1つか2つの数字の和である)にしようかな、と。


最後の小問制作はDomino Field。

こちらはもうシンプルに、1つの問題につき使用数字1種類のみ縛りで。
1問目を1縛り~3問目を3縛りとすることで、アンサーキー入力場所を取り違えてしまうようなことも起きにくくなるかなあ、みたいなこともほんのり考えたりしました。

角の位置に1つ黒マスが確定したらナナメ隣りのマスが白マスと確定、とか、白マスで囲まれた袋小路ができたら行き止まりから2マス目を白マスにしてしまうとまずい、といったようなところに着実に印を付けていけばおおむねなんとかなる、の、では、ないか、な?


小問がすべてできあがったら、ラストのScrabbleへ。

まずは小問9つのアンサーキーを決めて、それらの数字を眺めます。

……っと、「2」が、そこそこの頻度で登場しつつも文字列の最初か最後にしか登場しないな、ということに気づきました。

せっかくなので、このことを利用することにしましょう。

そんなことを考えるところから制作を進めていきました。
まずは盤面に2を表出させることに。そして、2を含む文字列の入る可能性を、×を置くことである程度しぼり込み……、といった流れですね。
解くときも、これらを念頭に置くと考え進めやすくなるかと思います。

あとは、そこに注目してもらうためのノイズにならないよう、ほかのヒントは表出させないことにして完成!


ちなみに「魔法か何かでボスの弱点を浮かび上がらせたのが表出ヒントの2や×印である」というようなストーリー案を出したりもしていました。

今回のお話の設定とは合わなかったので不採用となりましたが……!


§5.コメがえし


ここでは、みなさまにいただいた感想からいくつかピックアップして、コメント・お返事させていただこうと思います。感想、とても嬉しいです。ありがとうございます。


>面白かったです。
>面白かったです♥️
>楽しかったです!!

どうもありがとうございます!☆♪


>あまり解いたことのないパズルもありましたが、どの問題もわりと解きやすくて面白かったです。
>普段解かないパズルだけど頑張りました。私の実力ではちょっとしんどかったです。

慣れないパズルでも解ききれるとはすばらしいですね。
最後までおつきあいいただきありがとうございました。


>DAY1の難易度調整は私にはとてもありがたかったです。最初の1日をクリアできるというのはモチベーションアップにもなりました。

よかったです。難易度調整にあれこれ悩んだかいがありました。
こちらこそどうもありがとうございました。


>いい腕ならしになりました
>少々易しすぎかもしれないと思いました。
>初日なだけあってサクサク解けて楽しかった。
>初日ということもあり、易しめで手軽に楽しめました。

みなさん鍛えられている(!)のか、つわものの方もたくさんいらっしゃいますね…!
これらのパズルを易しいと思えるということは、相当の熟練者さんかとお見受けします。


>10問目が登場する演出も鮮やかでした。
>とてもアツい展開でした.
>第2形態があるとボスラッシュって感じがしますね。
>初日から第2形態がいて、「PBRってこうだったな〜」となぜか懐かしい気持ちがしました。

お褒めいただき&アツいコメントありがとうございます。
そうそう、今回はそういえば第2形態があるボスがいないな…?と制作中に思ったので、このような形式にしたのでした。これもTEN PUZZLESと微妙に異なるポイントの1つですね。


>phase2 アンサーキーを「454646510040」と回答して弾かれて悲しい。妥当。
>最後の問題で、入った数字をそのまま答えて誤答してました。

わあごめんなさい。Doppelblockが入った数字をそのまま答える系だったので、ちょっと紛らわしかったかもしれませんね。
もう少しうまいこと考えられたかな…。


>どの問題も本当に見た目がきれいで,しかもそれでいて問題ごとに解き味が違う素晴らしいパズルたちでした.
>このパズルのラインナップで数字の制約もきれいなうえにどれもおてごろな理詰め問でびっくりしました。
>初日の3パズル、どれも表出の数字が揃えられていて楽しかったです。

お褒めの言葉、嬉しいです。ありがとうございます。
数字縛り、なんとかがんばってみてよかったです。

>そしてさりげない(?)7638要素。

さすがです。お気づきになりましたか(画像略)


>仕組みが分かるまで一番苦戦したのはDomino Field①(10分くらい)ですが、今日の出題の中では一番好みでもあります。
>ドミノが楽しかった
>最難関がドミノだと思わなかった
>ドミノの軽い先読みで決まる感じがゾワッとして気持ちよかったです。

>最後が一番簡単だったな…
>Scrabble難しかった…

>意外とライシャが優しかった。良かった。
>ライシャが爽快に解けるものだと初めて知りました。
>解けるLight&Shadowを初めてみました。
>去年のLight and shadowのトラウマがよぎりました。トケテヨカッタ(^^)

あらためて思いますが、好みや体感難易度、やっぱりひとそれぞれですね。コメントの数からすると、Domino Fieldが一番人気でしょうか…?
ルールがシンプルめでとっつきやすい、というようなこともあるのかもしれませんね。

そして、おや、なんだかLight and Shadowに何かしら想い出がある方も多いようですね。何故でしょうかねえ。

↓ ↓ ↓

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§0.プロローグ

2021年5月、PBR2外伝の楽屋裏……slackの雑談場所での誰かさんの発言――

『ライシャとかブロック分割とかで「これは確実にあーくさんが作者でしょ」って声がしばしば聞こえてくるので……。

たとえばあーくさんがつくらなそうなパズルで試行錯誤要素マシマシの問題をつくって、ライシャとかを他の人が試行錯誤要素を削りに削ってつくって、その2問を「好きな方からどうぞ(にこにこ)」と同時に出題する……、みたいな盤外戦術が仕掛けられそうな気がしてきました(?)。』


――そんな書き込みをしたのを当人も忘れていたのですが、PBR3の問題制作時期にふと思い出して、自分一人で完結できる形式にまとめなおしてみることにしたのでした。
(※他のメンバーさんたちそれぞれのアイディアがおおむねでき上がっていたため)

(了)


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以下、他メンバーによるレビューです。

(あーく)
どうして私の名前がこんなに出てくるのだろう(白々しいモード)。今回の問題、パズル種を見ただけだと危険な香りがするのですが、DoppelBlockの1問目の解答盤面は類似構造の繰り返し系であり私が決して解答盤面として選ばないであろうものなので、あーくに詳しい人はここで安心できたと思います。どんな人だ。

(にょろっぴぃ)
PBR2では、序盤(1・2日目)の難易度が高かったとの声があったので、今回は序盤の難易度を下げる方向にしたのですが、PBR1とPBR2の要素をうまくオマージュしつつ、初日らしい問題を、広瀬さんが作ってくれました。見かけも美しいので、これからPBRに挑戦してみたいという方に、真っ先におススメしたい1作です。

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