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~ガラケーからスマホへ~だれでもモバイルで通信手段の確保を手伝ったという話-_0030

5Gってめちゃくちゃ爆速ですね。6Gとか7Gとかなったらどうなるんでしょう。いつか光速を超えたりするんでしょうか。そんなことを想像するとなんか恐ろしいですね。光速よりも速いデータが送信できるようになったらあちこちで時空が歪みそうです。

ところで、大手キャリアの3Gサービスが終了します。そのスケジュールは以下のように公表されていました。

 ・2022年3月31日にau
 ・2024年1月31日SoftBank
 ・2026年3月31日にdocomo

3G=ガラケーの終焉ですね。
「電話しかしないんだからガラケーでじゅうぶん!」というヘビーユーザーも否応なしに4G以上の回線に対応したスマホに変えなくてはなりません。
多くの人は、契約している大手キャリアの店舗に行って、時にはしぶしぶスマホ教室なんかに参加したりして、その移行は円滑に完了するでしょう。それどころか「こんなに便利なんだね!スマホに変えてよかった!」と、スマホライフをエンジョイする方の存在さえ想像します。

一方で、その移行が円滑に行かない方が存在します。
例えば、過去にサービス料の滞納があって実店舗が存在するような大手キャリアと契約できない方々ですね。

「あるサービスの契約ができること」によって、その手続きが平易なものとなり、サービス提供事業者からある程度の直接的なサポートも受けたりすることもできます。しかし、サービスそのものの契約が結べずにそのような付加サービスも享受できない場合、あれこれと多くのことを自己完結する必要があります。デジタル・ネイティブからしたら朝飯前なWeb手続きというのが、デジタル・ノンネイティブからすれば自己完結がとても難しい厄介事になります。

共通の友人Bさん経由で受けた「ガラケーが使えなくなるから、他社で契約してスマホにしたいんだけど」というデジタル・ノンネイティブなAさんの相談に対応したことを先に投稿しました。今回は、その続報であり情報共有です。

みなさんも、3Gサービス終了に伴いこのような相談を直接的・間接的に受けることがあるかもしれません。その際に「手伝う」という選択をする場合はこの記事を思い出して頂けると幸いです。やることリストや注意事項リストの参考程度にはなるかもしれません。

該当する過去記事のリンクも貼っておきます。

その詳細にここでも少し触れると、「2024年2月からSoftBankのガラケーが使えなくなるらしい。その前に違うところと契約して端末もスマホに変えたい」というのがAさんの相談でした。

過去記事にもある通り、私も利用しているLINEMOへWeb申し込みをしました。しかし、その利用審査には通らず。
なので、審査なしで契約OKな「だれでもモバイル」に新たに申し込みをしました。加えて、私が予備として保管していたスマホの初期設定を行いその方へ提供。契約と操作の説明も行いました。というのが今回のお手伝いとなります。

まず、「なぜそのようなお手伝いが必要になったか?」というところですが、Aさんは以下のような状況にありました。

1.必要な情報に直接アクセスできない
スマホ、PCを持っていません。仮にそれを所持していたとしてもサービス提供事業者のWeb Siteへアクセスする操作の自己完結は難しいです。

2.Web申し込み時に必要となるものを用意できない
Web申し込みではメールアドレスがもちろん必要になりますよね。インターネットの利用経験が乏しければ、フリーのメールアドレス取得を自己完結できるわけがありません。

3.Webのみで完結するサービスへの申し込んだ経験がない
「身分証明書を撮影して画像データをアップロード!申し込み状況はメールで確認!」なんてこと、スマホやPCに触れた経験がなければ「なんのこっちゃ!」となるのは当然のことですね。

先の記事では、このような状態にある方を「手続き困難者」という私の中で誕生したばかりの造語で表現しました。また、Web完結型の申し込みで利便性を享受する層が存在する一方で、その際に必須となるメールアドレスの取得が自己完結できずに大きな不便を被る状態を「相対性不便のどん底」と表現しました。手続き困難であったとしても、近くに頼れる存在があれば何も問題ありませんが、それがなければ相対性不便のどん底となり、今回の例でいけば、帰結として「通信困窮者」にカテゴライズされることとなります。

昔なら、免許証と印鑑と通帳を持参して通信事業者3大キャリアいずれかの実店舗に足を運べば、後はショップ店員さんが全部やってくれて待つだけ。手続きが終われば新品ピカピカの携帯と分厚い説明書が机の上に置かれ、通話確認をして終わり。分からない操作があれば買い物ついでにショップに足を運んで親切で丁寧な説明を付加サービスの範囲内として受ける・・・・なんて時代では今はありませんね。親切で丁寧な個別対応が当たり前ではなくなりました。「全てのお客様が神様です」という企業姿勢は流行りませんもんね。「お客様は神様」だとしても、相対的に客単価が低いのにやたらとリソースを割かれる層の神様の優先度が下げられるというのは仕方がないことかと思います。神様はたくさんいますからね。

さて、以下より具体的なお手伝い内容です。


利用したサービスは「だれでもモバイル」

今回の相談者Aさんの通信手段確保に利用したサービスが「だれでもモバイル」です。「審査なしクレカなしOK」のキャッチコピーの通り、大手キャリアから契約お断りされた方も契約することが可能です。以下は公式サイト。アフィリエイトなんて設定していませんので、思う存分クリックしてください。

通信困窮者の救世主であるこちらのサービスを提供しているのはだれでもモバイル株式会社です。2008年1月に設立された企業で歴史も長く、その宣伝大使は(σ・∀・)σゲッツ!!。

相変わらず長くなりそうなので、以下、セルフFAQ方式でいきます。

FAQ

1.審査ブラックOK?だれでもモバイルって怪しくない?

真っ当な企業です(個人の感想)。審査ブラックOKな理由は、料金前払い制を採用しているからだと思います。サブスク化したチャージ型プリベイド携帯みたいなイメージです。

2.初期費用でいくらかかった?プランは?

通信上限1GB/通話かけ放題の前払い分初月費用で¥3,300(税込)。初回はこれをコンビニで支払うのでコンビニ支払い手数料を加えたものが総額です。

3.手続きはどうやって行った?

Web完結しました。以下のものが必要になるのでそれは相談者Aさんに持参してもらいました。
 ・身分証明書
 ・引き落とし用の通帳(オススメは安定のゆうちょ銀行)

4.Web手続きのために準備したものは?

・相談者Aさん用のメールアドレス *1

*1 Aさんでは自己完結できないことであるため、こちらでGoogleアカウントを作成。このメールアドレスを新しいスマホにも認証させてアドレスとパスワードをAさんに伝えました。「これが分からなくなると大変なケースがありますよ」とやたら強調しています。Googleアカウントのパスワード再設定って大変ですからね。泣きつかれた他人が代わりに行う場合はなおさら。

5.手続き時に相談者Aさんに強調して説明したことは?

・通話かけ放題だがSMSは別途料金が発生すること。*2
・月の通信上限は1GBだが、それを超えたとしても通信が著しく遅くなるだけであって自動で料金が追加されるわけではないこと。
・手厚かった頃の大手キャリア店舗のように、直接はもちろん、電話でホイホイと分からないことを聞ける環境にないこと。
・支払いにおいて意識する必要はないが、料金が前払いであること。

*2 3大キャリアのガラケーユーザーはメール=キャリアメールです。それが使えない環境になるとSMSを使用することも想定されます。なのでSMSは別途料金になることの説明は必須かと思います。「頑張ってお金のかからないLINEを覚えましょう」と声掛け。親切の押し売りでアカウントも勝手に作りました。

6.Web手続き完了からSIMカード到着までの流れは?

・印刷したコンビニ払いのバーコードを相談者Aさんに渡し、初月前払い分を期日までに払込んでもらいました。
・だれでもモバイルから払込完了のメールが届きます。*3
・引き落とし用の口座情報登録を完了するように言われますので、Aさんから確認していた口座情報を登録します。
・利用開始日とSIMカード到着予定日の案内がメールで届きます。それをAさんに伝え、初期設定&操作説明のための日時を調整しました。

*3 メールを確認する環境もなければ、その方法についてもAさんにとっては未知の世界ですので、私が代理で受信していました。お手伝い完了後に受信環境は削除しました。こういう時は、Google Chromeで新しいプロファイルを作って管理すると情報の確認と削除が非常に楽です。

7.端末の初期設定はどんなことをしたの?

・端末の初期化(今回はAndroid OS)
・代理で作成した相談者Aさん用のGoogleアカウントの認証
・明らかに不要なアプリのアンインストール(少しでも容量を確保したい)
・「通知するアプリ」の通知設定の変更(不要な通知を減らしたい)
・「スリープにする時間」の初期値を30分に変更(何気に重要) *4
・写真を確認するアプリはGoogleフォトが当たり前のような感じにする *5
・「このスマホではこの通信事業者を使いますよ!!」ということの取り決めをするAPN設定 *6
・電話帳データの移行(今回は手入力でした)
・LINEのアカウント設定

*4 「スマホの画面が直ぐに暗くなるんだけど何で?」という質問を受けることって意外と多くないですか?設定を変更すると凄く喜んでもらえますよね。

*5 相談者Aさんへ操作説明は、同年代である友人Bさんにお願いしました。お二人とも70歳オーバー。Bさんが写真確認用に使っているアプリがGoogleフォトだったので、それをデフォルトにして他のアプリは抹殺しました。そうすればレクチャーする側も教えやすいですもんね。「写真を見たい時は風車を押せばええ!!」というBさんの説明は私のそれよりずっと分かりやすいですし、近しい人と教え合える環境を目指すというのはとても大切な気がします。気軽に聞けますもんね。私への問い合わせも減るし。win-winってやつです。

風車を押せばええ!!

*6「だれでもモバイル apn」で検索すると、「だれでもスマホ」という他事業者のapn設定に関するサイトが検索上位に表示されます。当然ですが、こちらの内容で設定しても4Gに接続されるわけがありません。APN設定ができなくてだれでもモバイルのサポートセンターに問い合わせをしたのですが、「当社はだれでもモバイルです」と言われれようやく気づきました。オペレーターさん、アホですみませんでした。SIMカードに同封されている用紙に普通に書いているので素直に確認すればOKです。

*7 今回のだれでもモバイルの契約においてはMNPをしなかったため、Aさんの携帯番号が変わることになりました。なので、必要な方にはAさんから連絡をして電話番号を伝える必要があります。しかし、なんとAさんのガラケーは水没により端末が一定角度しか開かないことが発覚。一定角度以上ひらくと画面スリープになります。いつ壊れてもおかしくない状況に感じましたので私が電話帳を移行しました。連絡先が分からなくなれば大変なことですもんね。そのことで途切れてしまう縁もありますから。
件数が少なかったのでPCからGoogleコンタクトに直打ちしましたが、件数が多い時は電話帳ファイル(.vcf)をエクスポートしてGoogleコンタクトにインポートするだけで移行完了です。項目などがズレることがたぶんありますので、気になる時は.csvに変換して調整してみてください。

8.スマホ初心者のAさんどんな操作説明をした?

ガラケーの延長線上の利用として考えれば、スマホの原始的機能のみでまずはよいので「今日おぼえる操作」という見出しで以下をピックアップしました。
・電話帳を開く
・電話をかける
・電話を取る
・知らない番号を電話帳に登録する
・マナーモードの設定と解除方法

私はリストにしただけで、後は友人Bさんに全てお任せしました。私がやると教え過ぎちゃいますからね。小さな親切・大きな迷惑ってやつです。

また、LINEのアカウントも代理で作成して「念のため作っておきました。使いたくなったら使ってみてください」とAさんに説明。Bさんも友だち追加しておきました。使いたくなったらそのBさんに質問がいくことでしょう。LINEを使用せずSMSを使うと料金が発生しちゃいますからね。

「次回に引き落とされる前払い分の料金をスマホで確認する」という操作は私からレクチャーする予定だったのですが、別用で私が少し外出した隙にAさんはさっさと帰ってしまいまさかの未完了。確認方法が分からず携帯が止まるなどがあればBさん経由で連絡がくるでしょうから、放置しておきます。

情報共有としてはこんな感じです。

スマホの操作を1から教えるのってけっこう大変ですよね。今回ふと思いついた「近しい友人と同じアプリをデフォルトにする」というのはなかなかの名案だったと得るものありました。

いつか2人がLINEでやり取りをしてスマホライフをエンジョイする日がやってくればいいのですが。ささやかな楽しみです。

最後に、先の記事にもリンクを貼っていますが、「通信困窮者」に関する良記事です。

『現代社会における新たな排除-通信困窮者の存在』2023.02.07 Opinions
https://web-opinions.jp/posts/detail/593

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