『ブスな自分殺すの結構がんばってる。』 試し読み

まえがき


「自分が嫌い」
「自分を好きになりたいけどなれない」
「もっと好きな自分になりたい」
「幸せになりたい」


この本を手に取ってくれたあなたは、きっとこんな思いを抱えているのではないでしょうか。
理想と現実の合間で苦しんでいるかもしれない。自分を認めてあげられなくて、愛してあげられなくて。


 あ、自己紹介が遅れました。私は今、現役女子大生をしながら美容系YouTuberをしているひなちゃん5しゃいと申します(名前は適当に決めたので気にしないでください笑)


19歳の頃に整形をしました。目、鼻、顔の脂肪吸引、注射系も含めると顔のパーツの大部分に手をつけていることになります。ダイエットはMAXからトータルで11キロほど落としました。何よりも私はメイクをこよなく愛していて、多くの時間をメイク研究に費やしてきました。すっぴんとメイク後のギャップは視聴者の方からも多く反響をいただいています。

 私は、外見という容れ物に囚われて、長い間苦しみました。ブスという一言に縛られ、くる日もくる日も鏡を見つめて泣いたり、せっかく合格した大学にも通えなくなったり。けれど、全てを外見のせいにして諦めたり逃げたりしてしまう自分のマインドを変えたかった。負け癖を直すために、高校卒業から今に至るまでの3年間、心の底から自分と向き合い続けました。外見を変えるよりも実は、自分のマインドを根底から変えることの方がよっぽど難しいのです。ずっともがいてもがいて、長いトンネルの先に見えた答えのようなものを、少しでもこの本に残したい。そうすることで救われる誰かがいるのであれば、私は幸せです。


 「自分を愛したい」という気持ちさえあれば、必ず自分を愛してあげられるようになります。自分を愛したいという感情は、「自己愛」をきちんと持てていることのあらわれだし、理想の自分を追い求めている証拠だから。あとは「自尊心(自己肯定感)」を高めるためのマインドや行動さえ達成できれば、最強の「愛せる私」が完成するのです。
「自己愛」と「自尊心(自己肯定感)」は似ているようで別物で、それでいて表裏一体。自分のことで精一杯悩むことができる「自己愛」を持っていれば、必ず「自尊心」を持てるようになるということです。

 では、「自尊心(自己肯定感)」を高めるためのマインドや行動とは、一体どんなものでしょう。本書では、自分が大嫌いで自殺未遂さえしたような私が、整形・ダイエット・メイク研究などの外見磨きやセルフマインドコントロールを経て、「愛せる自分」を一から自分の手で作り上げた方法を余すことなく書いていきたいと思います。


 本書には多少センシティブな表現があります。全て、私が一からひねり出した言葉たちだからこそ、暗かったりトゲトゲしい言葉もあるかもしれません。それでもこの本を読み終わった後に、あなたが前を向けるようなポジティブな作品になっているはずです。どん底にいて動けない人、何か変わるきっかけを探している人、生きる意味に悩んでいる人、どうか全ての悩める方に届きますように。

ひなちゃん5しゃい



1章 人生はちょっと長めの小説だ

自分を「大切にする」っていったいなんだ?


 私たちに立ちはだかるどうあがいても避けられない運命、それは死だ。言い換えれば、死は誰にでも“平等”にやってくる。そして、今という時間も“平等”に流れている。そんなことは、きっと誰しもがわかっているはずだ。

 けれど、目の前の課題に忙殺されて思考停止状態に陥ると、そんな当たり前の平等に目を向けている暇なんて泡のように消えてしまう。生まれてしまったが最後、必ず人は死ぬというのに。そしてそのタイミングを自分で決めることは、自ら死を選ぶこと以外に不可能であるのにもかかわらず、現状を楽しめないまま惰性で生きているひとびと。


 私もそうだった。毎秒死に近づいているというのに、そんな大切なことも忘れて不平不満をこぼしながらせわしない日々をただ消費していた。


 一章のはじめからこのようなヘビーな話をしているのには深いワケがある。
ここで、私が私らしく生きられるようになったきっかけの話をしたいと思う。


 まえがきにも書いたように、私は私が嫌いだった。いや、大嫌いだった。

 よく言われる「自分を大切に」なんて言葉の意味もよくわからなかった。


 自分なんて大切にする意味あるのかな?

 そもそも「大切にする」ってなんだ?


 わからないから、滅茶苦茶なことをたくさんした。14階のビルの階段の踊り場で手すりに手をかけて身を乗り出して、このまま落ちてしまおうと何度も考えていた。

 そして、とうとう強烈な自己嫌悪から逃れるために、山のように薬を飲んでぼんやりとしたまま自分をめいっぱい傷つけた。血なのか涙なのかよくわからない液体が体から流れるのを感じながら、それをぬぐう力も出なかった。体がいうことを聞かなくて、本当に死ぬかもしれないと初めて思った。


その時、生まれて初めて、生きていたいと強く思った。


どうして、今、死のうと思った?


まだこの世でいちばんかわいいお洋服も着ていないのに、

いちばん高いお料理も食べていないのに、

いちばん綺麗な景色も見ていないのに、

いちばん守りたいものとも巡り合えていないのに、

そして、私って人間がどんな人間なのか私自身にちゃんと証明してあげられていないのに。


 難しいことを考えずに、自分のために生きたいと思った。生きるのに深い理由なんて要らないし、自分を愛することにも深い理由は必要ない。そんな当たり前のことに気づいたのは、皮肉にもとことん自分を憎み、死んでしまおうと思ったあの時だった。





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