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企画開発サプリ #2

こんにちは。

今回は企画書の書き方を!と考えていたのですが、効率良く、最善な企画書を作成するために、そのベースとなるマーケティングのお話が出来ればと思います。図解なども交えて分かりやすくなっていれば幸いです。

マーケティングってなに?

私も数年前まで、マーケティングの事を全く理解していませんでした。マーケットが進行形という時点で、さっぱりでした。それに、企画開発は感性!面白さが勝負!と考えている方も多いと思いますが、自身の商品企画をサポートする上で、このマーケティングは大変重要な意味を成してきますので、是非参考にしていただければと思います。

「マーケティングは、あまりに重要すぎて、マーケティング部門だけに任せておくことはできない」

これはデイビット・パッカードというヒューレット・パッカード創業者の言葉です。

現在の企業活動において、マーケティングの重要性は日々高まっています。
そして同時に、常にその意味を変化させています。その背景には、市場全体の成熟があると考えられています。より新しい、より性能の良い新製品が出る度、消費者の商品を見る目は厳しくなり、価値観の多様化や個性化が進んだことで、物量にものを言わせた画一的な販売手法が通用しなくなりました。その為企業には、従来の売り手本位の販売から、消費者目線のマーケティングへと発送の転換が求められています。

「マーケティング」は、もはやマーケティングを」仕事とする方だけが身につけるものではなく、経済活動に関わる全ての人が身に付けておくべき考え方です。

これはつまり社内の会議などでよく出る「売上もそうだけど、店頭消化率(お客さん)を見ようよ」という言葉の本質です。

マーケティングの目的

上記がマーケティングの「意味」ですが、それはそのまま、マーケティングの目的となります。以下の図は、目的を簡単に図解化したものです。

商品マーケティング資料

それではここからは、そのマーケティングの手法を簡潔に説明したいと思います。

流れを掴めば、発想はシンプルに!

マーケティングの構造は、その流れさえ掴んでしまえば、あとは発想、アイデアの見せどころです。皆さんの得意としているところですね。それでは、マーケティングは一体、何で出来ているのでしょうか?

マーケティングは「分析」「立案」「展開」の3つで出来ています。

こちらも、構造と流れを図解しました。下図を元に詳しく説明していきたいと思います。

構造

まずは「分析」です。これも勿論、マーケティング部門の方だけではなく、全ての方に必要となるスキルですが、恐らく皆さんであれば既に出来ている方も多いと思います。簡単に言えば今、自社が置かれている環境ですね。自分の会社は今どんな環境なんだろう、カプセルトイの市場は今どうなっているんだろう、カプセルトイ売り場、商品にはどんなチャンスがあるんだろう、いつも考えている事と思います。よく言われるSWOT分析(下図参照)なども効果的な場合があります。

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ここでよく陥ってしまうのが、売り場、商品のチャンスに対して直接アプローチしてしまうことです。「売れそう」「面白いでしょ?」で商品が決まることはなかなか難しく、決裁環境で承認を得るためには、その企画のバックボーンが必要となってきます。

そこで「立案」を行っていきます。

ターゲッティング

上記が「立案」の簡単な図解です。いつも行っている面白い発想に加えて、誰が買っているのか、どんな人が買っているのか、そのターゲットに対して自社商品は何が提供できるのか。お客さんや売り場を細かく分けて、目指す市場、ターゲットを明確化していきます。20代の女性に向けた商品なのか、高齢の男性に向けた商品なのか、6才の男の子が欲しい商品なのか、じっくりと細分化していきます。そうしてお客さんが見えたところで、次はそのお客さんがどんなモノを欲しているのか、ニーズを捉えていきます。

「カメラをください」には裏がある

こんなニーズがあった場合「カメラをください」の言葉の裏にはどんな意味が隠されているでしょうか?

ニーズ

例えば、上図のようなことが考えられます。カメラが欲しい、つまり何かの写真を撮りたい、なぜ取りたいのか、その目的を達成するには、どんなカメラ、もしくはカメラ以外のモノがあれば良いのか。推理ゲームのような感覚楽しめると良いと思います。今回の場合、勿論思い出を作りたい人のニーズが多い事は想定出来ますが、カメラの代わりに絵葉書を提案する。というのは面白いですね。このように「カメラをください」の言葉から、様々なニーズが想定出来、同時に競合を見つける事が可能です。

競合商品より魅力的に魅せるために!

上記の分析のお陰で、ニーズと同時に見つけた競合、他社の商品より自社、自分の商品がどれだけ魅力的かを、客観的に捉えてお客さん、もしくは社内に説明する必要が出てきました。これらも簡単な言葉に置き換えると、以下の図のように以外とシンプルに見えてきます。

ポジショニング

いかがでしょうか?誰のための商品?何がいいの?分かりやすい?結果としては商品企画を立案する段階でこれらを理解、解決している場合も多くありますが、プロセスを追って組み立ててみると、自身の中での理解も深いと思います。

最後に「マーケティングミックス」で味付け

自分の中で、目的やターゲットが明確化された商品企画は、周りの人から見てもしっかりとしたモノに見えていると思います。ここから最後に、マーケティングミックスで企画を味付け、補強していきます。以下の図をご覧ください。

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これらは商品の受注書などで良く見ますね。価格が市場の中で高すぎないか、安すぎないか。今、自社が持っている流通で強い商品なのか、新しい売り場を見つける必要があるのかなど、パズルのように考えを埋めていきます。これらはマーケティングを考える中で重要なポイントですが、あくまで補強するべきポイントであり、ここからコンセプトを組み立てていくモノではありません。

プロセスの流れは逆流してはいけない!

最後にまとめになりますが、この「分析」「立案」「展開」は決して逆から考えてはいけません。この価格で、この売り場で、どんな商品を企画しようというのは、売上先行の発想で、結果的に消費者に対して価値のある商品を提供出来る可能性は低くなってしまいます。必ず「分析」、つまり見る事から始めて欲しいと思います。

しかし、分析から始まった流れは相互補完しながら常に変化もしていきます。何度も繰り返して思考、そして試行することが大切です。下図がその思考の流れになります。

流れ

図内にも記載しましたが、頭の中でスッキリとまとまり、人に説明することが出来ればそれは即ち、良い商品なのです。

是非、過去に自分が担当した商品、今考えている企画で上記の流れを実践してみてください。慣れるまでは大変ですが、きっと楽しくなってくると思います。

今回はちょっと固い内容に見えたかも知れませんが、企画立案にはとても大切な事なので、積極的にチャレンジしていただけると嬉しいです。

それでは、また次回。ありがとうございました。

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