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最後の友だち

友だちがほしい。ずーっと、長い間、友だちがいない。

コミュ障というわけではない。誰とでも、楽しく仲良くすることは.むしろ得意だとおもう。
でも、友だちは、いない。
基本的には、自分のことを人に話すことはない。
時々、妹にだけは聞いてもらうことがあるけれど
それも、ほとんどない。


友だちと呼べるような人

何でも相談できる友だち
腹抱えてくだらない話で盛り上がる関係に憧れる
わがままな私には、到底望むべくもない関係
憧れるな


最後に友だちと言える人ができたのは20年前だ。
同じ職場で隣の席で
江國香織の小説「きらきらひかる」を貸したことがきっかけで

何度も泊まりに行った
小説に出てくるカクテルを作って、一緒に飲んだ。
秘密の話をたくさんしたし、
恋愛で傷ついたときに、彼女のお陰で危険な夜をを乗り越えることができた。

本当に楽しい日々だった。

疎遠になったのは、私が結婚した頃だ。
彼女の不倫を、私が否定して、友情は破綻した。
それ以来、家族はいても、孤独だ。
何の用がなくとも電話して、バカ話ができる相手を失った。それでも、仕方なかった。私は私の心を誤魔化すことは出来なかった。

その友だちの幸せのためなら、時間を惜しまずに、何でもする
そんな友人に会うことができたら
何でもするのに

わがままで、一人の時間を愛する自分にとって、
見果てぬ夢だ。