見出し画像

世界平和への地図と自作自演による超訳

 こんにちは。プテゴリラといいます。
 本マガジン「世界平和はいかにして可能なりしか」は、人間の徳性に期待することなく、経済的合理性の積み重ねによって世界平和を実現する方法を、その実用的方策まで踏み込んで考察していこうという結構野心的なマガジンです。

 とはいえ、思考をまとめて文章にするというのは難しく、なかなか更新頻度があがらなくて四苦八苦しています。

 しかし、考えてみるに、それなりにカロリーを使う文章を、全体像もみえないまま、筆者の気ままな更新にあわせて断片的に読まされるというのは、折角来てくれた方に、結構な苦行を要求しているなと思い、イントロダクション的に、これからの更新予定も含めた、目次的な全体像をアップしておきます。

 あわせて、各記事の内容を20行前後で簡単に解説すべく、筆者本人による自作自演の超訳を試みます。

 基本的に要約だけで理解できるような内容にしたいと思いますが、興味がでたら、各ページに飛んで本文も読んでみて頂けると嬉しいです。(随時更新します)

〇このマガジンの狙い(R3.5.7更新)

 人類が発展するには矛盾が必要。
 それはアメリカの発展がいい例。アメリカは多様な民族によって構成されている。その雑多さを「法の下の自由と平等」という気高き理念が統合している。
 でも、「法の下の自由と平等」なんていう建前とは別に、本音のレベルでは、差別とか排他的意識とかドロドロしたものがぶつかり合って、あらゆる衝突が起こってきた。そして、それは今も現在進行形。
 そして、そういう文化の擦り合わせが、それぞれの民族が持つ排他的なローカル性のとがった部分を研磨し、誰もが受け入れられるもの=普遍性の高い文明を生んだ。
 
 このマガジンは、世界平和という課題を通して、現代社会に山積みとなっている矛盾を発展の種とみなし、どうすれば、それを肯定的意味合いにできるかを考えていく。


〇 はじめに

 世界平和はいかにして可能なりしか・序(R3.2.26更新)

 世界平和って不可能と思っている人多いけど、それって思い込み。
 みんな世界平和って、戦争がなくなることで実現すると思ってるわけだけど、まずそれが間違い。
 だって戦争って手段でしょう。戦争って手段が嫌なら、まず平和っていう別の手段で置き換えることを考えなくちゃいけない。
 つまり世界平和は戦争がなくなることで実現するんじゃない。世界平和が実現することで戦争がなくなる。コロンブスの卵的発想。

 そこで世界平和が不可能って思い込みが、いかに人の思考を制限して戦争を再生産していくのか、詳しくみていくよ

・関連したコラム
 ※読まなくてもいいですけど、読むと、それぞれの内容の理解が深まります。

・ゲーム理論と世界平和(R3.6.4更新)
 ゲーム理論から世界平和は利己的な人間が自分の利益のために行動することで実現することを説明するよ


〇第1部 基本となる思想

 現代文明の行き詰まりは、デカルト的な要素還元主義科学の行き詰まりでもある。あらゆる物事が偉い学者さんの専門に細分化され、全体を俯瞰的にみた総論ってのが出てこなくなってる。現場の指揮官は沢山いるのに、総司令官(ゼネラリスト)がいない感じ。
 その結果、あらゆる物事は有機的な連携を失ったまま、対症療法だけが繰り返されている。あっちを立てれば、こっちが立たず。
 そこで、これからの時代に置いて、総論を生み出すために必要となる、3種の便利なツール(考え方)を紹介していくよ。

 1 思想とは世界を認識するための文脈である(R3.3.28更新)

 ひとつめのツールは、人間ってのは「文脈」でしか世界を認識できないことを理解すること。言い換えるなら、科学的な意味での「絶対的真理」に人間が到達することは絶対ない。なぜなら、世界には無限の情報が溢れていて、その全てを処理しようとすれば、人間の脳はパンクしてしまうから。

 そもそも人間の身体の形は遺伝子が決めている。これは(基本的に)不変。一方、人間が生きる環境は刻一刻と変化している。流転。
 この変化する環境と、変化しない身体の一時的な調整機能役として脳は存在している。つまり脳は身体性を世界と一致させるための器官。
 だけど、先述したように、人間の情報処理能力には限界があるから、脳は常に妥協する。優先順位の低い情報は切り捨てて、世界を自分が理解しやすい形に加工している。
 この情報の取捨選択に用いるルールを、僕は思想と定義している。
 ところが、近代科学は世界をバラバラに切り刻み、死骸にした後、部品ごとに分解して調べることで、世界を理解可能であると主張している。これが現代社会が行き詰まった原因。
 だから世界を生きたまま全体的に俯瞰するための知の体系として、「東洋の知」の体系が必要になってくる。

 2 拡大する認知、縮小する認知(R3.3.12更新)

 人間の本質は善でも悪でもない。
 その時々の状況によって、変わる。
 この当たり前すぎる事実を、図式的に把握しておくと、すごい便利。これが二つ目のツール。↓

認知の輪

 まず、人間の脳は世界を理解したがる本能があるから、放っておくと、自分を超えて、周囲の環境、知識、世界へと認知を拡大していく。好奇心。
 でも、一方で好奇心を持ち続けるのってエネルギーを使うから、認知力を省エネしようとする習性も持つ。面倒くさがり。
 この拡大する認知が性善説で、省エネする認知が性悪説。人間は周囲の環境や動機によって、認知的な拡大と縮小の間をダイナミックに揺れ動く。だから、人間をよくしようと思ったら、ご飯とかおやつとかちゃんと与えて、頑張れーってする。
 そんで、この拡大する認知はマズローの段階欲求とも対応してる。だから、社会をよくしようと思ったら、小さなことからコツコツやることが大事。けど、多分、経済とかの自然な流れで勝手にそうなるけどね。

・関連コラム

1.子供の成長と認知の拡大(R3.3.26更新)
 マズローの欲求段階と、認知の拡大性の関連を、赤ん坊が大人になるまでの精神発達を絡めて、みていくよ
 人は大人になるにつれ、ちょっとずつ世界を複雑に認識できるようになる。矛盾した事柄でも受け入れられるようになる。

2.ツールの使用例➀・アメリカの分断を読み解いてみよう(R3.4.9更新)

 本ツールを用いて、「固着」と「退行」というフロイト心理学の概念を援用することで、暴走する承認欲求や差別感情の正体を知ることができるよ。


 3 競争原理と生き残り原理(R3.4.2更新)


 男女差って、よくいうじゃん? それって体格差とか共感力とか思われがちだけど、実はもっとでかい差がある。たとえるなら文化じゃなくて文明の差。つまり、そもそもの「原理」が違う。
 動物であれば、オスは子孫残すために「勝ちたいー」って考える。競争原理。メスは別に勝たなくても、生きてればいい。それで子孫が残せる。生き残り原理。
 この競争原理と生き残り原理がお互いの欠点を補いあってこそ、社会は上手く回っていくよ。 
 つまり、人生において「強い世界で頂点を目指す生き方」と「生きやすさを追求した人生」は二者択一の関係にあるから、どっちも欲しいなんて欲張ると無理が出る。
 ここをちゃんと押さえておけば、フェミニズム運動だって上手くいくし、みんながハッピーな社会だって作れるよ。

・関連コラム
 ツールの使用例➀ 両原理を用いて社会的な最適解を探ってみよう(R2.4.23)

 正しい民主主義とポピュリズム政治の違いは、「競争原理」と「生き残り原理」の両原理が上手く機能しているかでみると、わかりやすいよ。
 今の社会は競争原理が強すぎて殺伐とした世の中になっているから、もっと生き残り原理を活用した方が、社会的な最適解がみつかりやすくなるよ。

 4 心理療法の社会適用性(更新準備中)

 これまでに紹介した3つのツールを統合して、社会に適用していくための実用的手法として、僕は心理療法の理論を使うべきだと考えている。
 なぜかっていうと、心理療法は治療室で生きた人間と向かい合うことで生まれた。理論が実験室じゃなく、現場で発展してきた。

 国際関係学の教科書なんかには、国家同士で仲良くやっていくためには、それぞれの国の政治・経済・社会・文化・歴史などの多くの専門分野を全部知ったうえで付き合い方を考えることが大事だよって、書いてある。でも、神ならぬ人間、そんな超絶天才なかなかいない。
 心理療法も最初は科学的にやろうとしたから、人間の心を治療するには、その人の生育環境だとか、過去の記憶、価値観、人間関係といった人格を形成する全てを知って、それを分析しなきゃいけないって考えた。
 でも、そのうち、そんなん無理だって気付いて、人間の心って、よくわからんけど、なんかこういうやり方をすれば、理由はわかんないものの上手くいくっていう経験知が沢山蓄積されていった。
 だから、社会の問題も、いるはずもない天才を探し求めるより、理由はわかんなくても、なんか上手くいくっていう方法をとるのがいい。

 そこで、どうして臨床心理学が社会にも適応可能なのかを考えてみるよ。

〇第2部 世界平和への問い(準備中)

 実際に世界平和を実現するには何が必要かみていくよ

 1 何故、これまで失敗してきたのか(準備中)

 世界平和の実現って、言うのは簡単だけど、これまでにも何回か試みて失敗している。だから、本気で世界平和を目指すには、「なんでこれまで失敗してきたのか?」を真剣に考えてみることも必要。
 戦争が起こる条件は単純化すると

戦争のメリット - 戦争のデメリット
               >不戦のメリット - 不戦のデメリット

 という計算式で表される。
 そんでもって、それぞれの項目は時代がかるほど、左辺の数値が大きくなる。逆にいえば、現代は右辺の方がでかい。だから、昔は不可能だった世界平和が今は可能になってきている。
 そこで各項目が時代によってどのように変化してきたかをみていく。 

 2 民主主義は滅びるのか(準備中)

 歴史とは発展的に進むのか、それともランダムに起きる事象を、人間が意味づけてみているだけなのか。
 筆者は「自己ネットワーク化史観」という独自の歴史観を持っている。
 自己ネットワーク化史観とはなにかというと、たとえば、ここに一枚の白い大きな板があったとして、そこにランダムに砂を撒いていく。すると統計的な偏りから、砂が密になるところと、ほとんど数粒しか落ちていない疎になるところが出てくる。
 今度は、この板の表面に扇風機で風を送って、砂を吹き飛ばしてみる。
 すると、疎になった部分の砂は簡単に吹き飛ばされるけども、密になった部分は、いくらか吹き飛ばされずに残る。
 さらに、また同じように砂を撒いていくと、やっぱり疎密ができ、密に密が重なったところは、少しずつ砂溜まりとなって、風に吹き飛ばされにくくなる。
 この操作を何回か繰り返すと、砂が密になる偶然が重なった箇所が、少しずつ成長して島になり、さらに別の小さな砂溜まりを吸収したりして、どんどん大きな島に成長していく。
 これを早送りでみた場合、板の上で起きていることは、砂の島がどんどん成長していくゲームという見方もできるし、逆に現象面にのみ注目した場合、砂を撒く作業と風を送る作業の、完全なるランダムな繰り返しという見方もできる。
 この砂の島が最も大きく発展した形態が、人類にとっての民主主義。そのため、あらゆる共同体の政治システムは最終的に民主主義に収束していくと考えている。
 そこで、人類社会が民主主義社会に至るまでの発展的プロセスを詳しくみていくよ。

 3 平和のためのエコシステムとは(準備中)

 Amazonは元々書籍のネット販売から始まっていて、創業からしばらくは本の販売に特化していたのは有名な話。
 しかし、もしこの時代のAmazonが、後のネットショッピング界の巨人Amazonたることを決定づけられていたとしたらどうだろう。
「サイト訪問したけど、パソコン売ってないんだけど、なんで?」
「映画を配信して欲しいんだけど、どうやって会員登録するの?」
「ちょっと、法事があるんで、明日、お坊さん届けてくださいよ!」
 そんな、わけのわからないクレームを受けて、その対応で業務が滞り、投資家からは「Amazonって、なんかダメらしいぜ」って言われて、資金繰りも上手くいかなくなって、結構すぐ潰れる。
 実はこの「誕生した瞬間から、世界的企業になることを決定づけられたAmazon」と同じ状況に置かれた組織が、世界には実在している。
 国連がそれ。
 世界平和ってのは、これまで解決できなかった問題(世界平和)を解決しようという意味では、やっていることはベンチャーそのもの。
 だから小さいプロジェクトをどんどん回して、トライ&エラーを繰り返しながら、上手くいったものに集中的に資金ぶちこんでいく方式をとるのがいい。
 そのためには、国連だけじゃなく、個人やNPOなんかがどんどんプレイヤーとして参入できて、有望なプロジェクトにはどんどん資金が回るような環境を構築していくことが必要。いわば、平和事業のエコシステム(ビジネス生態環境)。
 じゃあ、どうすれば平和事業のエコシステムが構築できるかを考えてみるよ。

〇 世界平和を阻むもの

 理論は現実世界を予測するためにあるらしい。
 そこで、世界平和の実現を妨げると考えられる要因について、今後どうなるか筆者なりに予測していくよ。

 1 第三次世界大戦は起こり得るのか(準備中)

 戦争は、不確実な将来に投資して利益を期待する行為という意味で、ギャンブルみたいなもんだと考えるとわかりやすい。
 最近、大きい戦争がなくなったのは、「食える時代」になったから。
 戦争で賭けものにされるのは命。ご飯食べて普通に生活できる人が、負けたら死ぬリアルカイジみたいなギャンブルに参加するだろうか?
 普通の人はしない。ただし、食い詰めて、このままじゃ、どっちにしろ死ぬって条件なら、話は別。
 世界大戦の起こる条件のひとつは、地球が人類を養いえる資源の量を、人口が上回ること。 
 そして、それはいつかはわからないけど確実にくる。

 ふたつめの条件は、パワーバランスの地殻変動。
 今の世界秩序は欧米のルール。で、世界でパワーがあるのも欧米。権力を持っている国と、実際の力がある国が一致しているから問題ない。
 だけど、これからはアジアとかアフリカとか南米とかどんどん発展してくる。すると世界秩序は旧態依然とした欧米基準なのに、実際にパワーを持っているのは別の国々っていう、権力とパワーの不一致が起こる。
 この不一致を擦り合わせるために、旧体制側と新興側で衝突することが予想されるけど、この変革のタイミングと、条件のひとつめである人口の過剰が同じタイミングでくるとヤバイ。
 第三次世界大戦、リアルにある・・・かもね。

 だから、今のうちに、軍事力に頼らない国際的な揉め事を民主主義的な方法で解決する練習しといた方がいい。

 2 テロ・内戦・独裁国家(準備中)

 現代世界における安全保障の懸案事項として挙げられるテロ・内戦・独裁国家について考察する。
 まずテロ。テロリストって、一般的には、なんか狂信者ってイメージあるけど、データに基づいた研究によると、実は違う。むしろインテリが多い。
 じゃあ、なんでテロなんか起こすのかっていうと、テロリストの気持ちになればわかる。それ以外に、自分たちの政治的欲求を通す方法がないから。
 つまり、テロってのは、強権的な権力者に対し、民主主義的なチャンネルによる異議申し立てが不可能な時、起こる。逆に民主主義的な異議申し立てができるなら、皆、死ぬの嫌だからそっちの正規ルート選ぶ。
 そして、テロの手段が多様化し、手軽になることは、どれだけ圧倒的な軍事力を保有していても、テロによる犠牲者が発生するコストから逃れられなくなることを意味するから、長期的にはテロは世界平和を促進する要因。

 次に内戦。
 これはあんまり詳しくない。ただ、一般論として考えると、国家の発展段階によっては、思春期の反抗期みたいなもんで、内戦が必要がタイミングもあるから、あんまり先進国の価値観で干渉すべきじゃない。むしろ、変にどっちか支援して、武器供給とかすると、拗らせる。
 ただ、人道的な問題として、難民の支援をちゃんとやるのと、内戦を終結させて政治体制を整えた国家がインセンティブを得られる(経済発展できる)ような環境を構築していくことは、重要。

 独裁国家。
 ゲーム理論によると、独裁国家は少数のエリートにより資源を独占する政体なので、国民に資源を還元する心優しい独裁者は、取り分の減ったエリート層によって排除される、らしい。
 つまり独裁国家ってのは頭を潰してもダメ。基本的には構造的問題。
 だから、独裁国家をどうにかしようとするなら、構造的には経済を成長させることが有効。だけど、事が順調に進んでも世代が丸っきり交代するくらいの超長期戦は覚悟しなくちゃいけない。
 ただ、近代国家のモデルケースとなったフランスでも、フランス革命から共和制に落ち着くまで、恐怖政治とか、帝政とか、試行錯誤を繰り返しながら100年かかっているわけだから、それくらい時間かかるのは仕方ない。

〇 最後に

 第2部の3「平和のためのエコシステム」で平和事業って考えを取り上げたので、恥を忍んで、僕なりの私案をいくつか紹介するよ。

1 ネット時代の民主主義(準備中)
 インターネット技術を用いて人類が効率的に集合知に到達するには、どういう仕組みが必要か考えてみるよ。

2 結婚前研修(準備中)
 
市民社会を構成する最小単位の共同体は家族。
 でも、結婚生活が上手くいっていない人って多い。しかも、結構、皆、同じとこでつまずく。
 初めて社会人になった人や、出産して親になる人に、社会人や親として必要な素養を身につけるための研修や勉強会が用意されているように、結婚にもそういう基本的なことを学べる場があれば、幸せな家族が増えて、社会全体の余裕ができるし、子供も幸せに成長できるからイイコトづくめ。それに、家庭の運営を通して、民主主義の運営の仕方も学べる。
 DVとか虐待とか喫緊の課題だけど、一般的に事後対応より、予防の効果が高いんじゃないだろうか。

3 シークレット(準備中)
 言い争いにならずに建設的な議論にするためのフォーマット。
 心が折れてなければ書きます。


・雑記
 特に分類できなけど、関連のある記事


〇本文のない後書き

 超訳というか、プロットのためのメモ書きって感じですね。あくまで現段階での構想なので、ちょいちょい変更したり、更新の順番が前後したりするかもしれません。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?