十二夜祭 想い 第九夜
こんばんは
夜です
人の想いはすれ違う事も…
言葉に表せない想いだからこそ
伝えるのは
難しいですね
今夜はそんな二人のお話です
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お前は俺を見てくれる
本当の俺を
だから何にも飾らず
自分でいられるんだ
弱い所も強がる所も
見せてきた
見栄を張り
時には怒りに任せて
トラブルになりそうな時
「気を付けて」と注意してくれるのも
お前だけだった
まわりはみんな
大丈夫
お前は悪くない
というけれど
お前だけは俺を叱った
そんなお前を俺は無視した
お前は俺から絶対に離れない
そんな馬鹿な自信があったからだ
だがしかし
そんな俺にとうとうお前は
愛想を尽かした
「もういい」
たった一言を残して…
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どれだけ泣いた事だろう
彼の前では
あたしは強い女でいなければ
いけなかった
全てを受け入れ全てを許し
時には母のように
全てを愛した
そう
過去形なのだ
きっと今でも彼をあたし以上に
愛してる人間はいないだろう
だけどもう…
あたしはたくさんたくさん
大好きだと伝えた
彼の声が
見つめる瞳が
抱きしめる手が
彼の香りが
大好きだと伝え続けた
本心では
彼もあたしを大好きだと
わかっていた
あたしがいなくなるなんて
微塵も想っていないのは
明らかだった
彼が何をしてもあたしは許すだろう
それが当たり前だと
そう想っているのが伝わって来る
彼の心が透けるように見えるのが
嫌だった
彼の言葉で何とでも誤魔化せる
そう想われているようで哀しかった
彼の本心がそこではないと
わかっていても
毎日辛くて隠れて泣いた
また彼はいつものように黙り込む
そしてほとぼりが冷めた頃
何事もなかったように
あたしに接するのだ
その時何かが弾ける音が聞こえた
あたしの居場所はもうない
あたしは彼に別れを告げた
きっと彼は
なぜあたしが離れたのか
理解できないだろう
今でも…
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