自分の殻を破るということ

私はよく、成長に対して「殻を破る」という表現をつかう。
最近思考の整理をするタイミングがあり、考えが固まってきたので書き記そうと思う。

人間は誰でも新たな環境に身を置くときは多少の勇気が必要だ。
私は割と現状に満足できればいいと思う性格だったため、新しい環境に身を置くこと自体を拒絶していた時期があった。

YAに初めて参加したとき、初めて自分の殻を破った気がした。
誰から急かされたわけでもなく、危機感を感じたように自ら行動した体験だった。
YAで私は自分を表現する大切さに気がつくことができたし、チャレンジすること、自らの手で掴むことに対して抵抗がなくなった。
それ以降は自分のペースであるが自分の殻を破って新しいコミュニティーに1歩踏み出すことができるようになった。
新たなチャレンジをすること、新たな環境に身を置くこと、これらは私にとって大きな成長の場になっているのである。

私の体験を話しても分かりずらいのでこの考え方を順を追って説明したい。

まず、皆誰しも各々の世界という殻に篭っている。殻の中は危険から守られたシェルターのようで居心地いい。殻の外側に何があるのか気になるほどに不満がある訳ではないし、危険を冒してまで殻を飛び出す必要を感じないのだ。

しかし、その殻に篭ったままでは成長できない。新たな発見や刺激的な体験は得られない。
そんな時に運よく外部刺激なる親鳥が殻を突っつくことで自分の世界の外側にはまた違う世界が広がっていることを知る。
外側は危険が多いことも察するようになり、時に殻から出ることを恐れることもあるだろう。

親鳥が殻を突つき、殻の中の自分も恐怖心を乗り越えて殻を破ろうとした時、初めてあなたは大きな世界に飛び出すことができる。
殻を破った先の世界ではあなたはヒナに過ぎず、手取り足取り教えてもらうことで世界を覚えていく。
経験という餌をもらい、獲物を捕まえるという自律的にアップローチする体験を経て、あなたが今に満足する頃には、あなたのいるそのシェルターは狭く感じるようになる。
そうするとあなたは自分の殻の外側に興味を示すだろう。

一度殻を破った経験がある人は次の殻を破るときは前回よりも簡単に感じる。
殻を破るコツやタイミングがわかってくるだろう。
そうやって成長していくし、「殻を破ること・破る過程」これらこそが「人生」であり、「成長」を指すのだと思う。

成長しても成長しても、殻から出た最初は皆ヒナなのだ。

回りくどく聞こえるが、私たちが成長するには何かしらの覚悟と行動が伴うということを抑えて頂きたい。そして一番大事なことは、1回目の殻を破る経験であり、2回目以降は経験を掴んで親鳥がいなくても、外側から殻を突かれなくても時が来たら飛び出せるようになる。

読者がどんな気持ちでどんな状況でこれを読んでくれているのかわからないが、この例えを読んで少しでも心の整理に役立ててくれたら嬉しい。

皆誰しも自分が小さく見えるし、周りに比べて劣っているように思う。
でも、それは当たり前の事なのだ。
殻を破った時期が違ったり、回数が成長のスピードを決めるからだ。
少々未熟児であっても、大きな子であっても何年かすれば区別つかないくらいに人によって成長速度が違う。
あなたの努力でどうにもいかないことも待ち受けているだろう。
それが人生だし、それが楽しめるようになることが成長なのだと思う。

私は今ファシリテーターのヒナだ。
同時に日本語教育者としてのヒナでもある。
大学生としては少し成長してきて余裕が生まれてきた。
そうやって、自分を客観的に見ることができて、成長を第三者的に楽しむことができるように努力していきたい。

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