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ヒーリングマシーン(Mandala Astral Starマンダラアストラルスター)メニュー翻訳3(易経)

「Iching」  易経

Iching01
乾(けん、qián)は六十四卦の第1番の卦。上下ともに乾で構成され、すべての爻が陽。通称「乾為天」。 四月に配される。天の表象であるが、天は目に見える形のことで、乾はその働きであると『周易正義』は説く。六十四卦の最初にこの卦が置かれ、その次に地を示す坤が置かれるのは、序卦伝において「天地あり。然る後、万物生ず」とされる。繋辞伝ではまず「元亨利貞」(おおいにとおりてただしきによろし) とされている。
1   乾為天 けんいてん 常人には荷が重い
剛健で盛運だが、責任も重く緊張も絶えない状態。実力のある大物には吉でも、常人には重圧になる。位負け。父。君主。権力。大金。厳しさ。険しさ。たかぶり。対人関係においては奢りが窺え、成立しても凶のことが多い。身の程に応じて控えめにすること。無理をすれば、どちらかが傷つくし、このまま進めば離別もある。
1・乾
創造。
正しいことを積極的に忍耐強く行えば大成功に恵まれる。

Iching02
坤(こん、kūn)は六十四卦の第2番目の卦。上下ともに坤で構成され、すべての爻が陰である。通称「坤為地」。十月に配される。地の表象であり、天である乾とともに万物を生成する。
2   坤為地 こんいち 大地の静かな動き
豊かな力を蓄えた大地。母。柔弱と消極。迷い。保守。衰微。女性的だが決して劣っているわけではない。消極を保つことで剛の攻撃をしのげる。勇気決断に乏しくて初めは疑いや迷いがあるが、なにごとも従順にして剛強を避ければ遂にかなう。お互いに様子を窺っていて定まりにくいが、みだりに変えずにいれば調和して吉となる。
2・坤
受容。
指示に従い、控えめに行動すれば幸運が訪れる。


Iching03
屯(ちゅん、chún)は六十四卦の第3番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が坎で構成される。通称「水雷屯」。 序卦伝には、天地があって後、万物が生じ、天地の間に盈(み)ちるのは万物のみであるため屯でこれを受ける、とあり、屯とは「盈」「物の始めて生ず」であるとされる。
3   水雷屯 すいらいちゅん 産みの苦しみ
内面に生命力を持ちながらも停滞している。新しいものを生み出すための苦難のとき。動こうとして困難に陥っているが、これに耐えることで実力が養われる。焦らず短慮を避けること。こちらは悩み、相手は多欲である。次第に好転変化するので誠実をたもち、こちらから進まずに辛抱を心がけること。難卦だが小事には吉。
3・屯
発芽。
最初はもろいが、不断の努力を通じて成長する。

Iching04
蒙(もう、méng)は六十四卦の第4番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が艮で構成される。通称「山水蒙」。序卦伝によると、蒙とは「蒙(おろか)」「物の稚(おさな)き」であり、物が生じた当初は蒙昧であるため、屯の次に置かれるという。
4   山水蒙 さんすいもう 幼稚・後に解決する
誠実だが愚鈍。物分かりがわるい無知な幼児の状態。稚い。愚痴。可能性を拓くには自分だけでは不十分で、よい理解者を捜す必要がある。現在は望みがかないにくいが、目の意見を尊重して方向を変えれば時を経て調和する。目前が暗くても関係を改めれば光明がみえる。先方は欲が多く、仮に一度成立しても先行きは不安定。
4・蒙
若々しい愚行。
成功するが、情熱は規律で押さえ込むこと

Iching05
需(じゅ、xū)は六十四卦の第5番目の卦。内卦(下)が乾、外卦(上)が坎で構成される。通称「水天需」。序卦伝によると、需とは「飲食の道」であり、物が幼いときは養わなければならないので、蒙の次に置かれるという。また彖伝では需とは「須(まつ)」であると説く。
5   水天需 すいてんじゅ 自重してかなう
危険を目前にしての暴走は決して勇気ではない。需とは待つことである。万物はみな雨を待っている。雨はいつか必ず降ってくる。しばらく待てば望みを遂げることができる。焦らずに、内に希望を秘めたまま、チャンスの到来を待つこと。こちらから事を起こさず、控えて誠実にしていれば自然に事態が調う。時を経て吉。
5・需
待機。
礼儀と用心を忘れなければ、よい結果が得られる。 

Iching06
訟(しょう、sòng)は六十四卦の第6番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が乾で構成される。通称「天水訟」。序卦伝によると、訟とは「訟(うったえる・あらそう)」であり、飲食にはあらそいがつきまとうので、需の次に置かれるという。
6   天水訟 てんすいしょう 背きあって争う
意見が食い違っている。双方の隔たりが大きく、このまま自説を通そうとすれば、ますます反目しあう結果となる。つまらぬ理屈や片意地を通せるほどの運気でもない。思い通りにはならないので、ことを強いて後悔を残す結果を招かないよう、最後まで争わぬように気をつけること。無理をしても末は不安定。
6・訟
不和。
自信が仇になる。賢明な助言に従い妥協すれば、幸運が手に

Iching07
師(し、shī)は六十四卦の第7番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が坤で構成される。通称「地水師」。師は軍隊の意味であり、序卦伝によると、あらそいがあると大衆が立ち上がるので、訟の次に置かれるという。
7   地水師 ちすいし 熟慮して作戦を練る
策略。戦い。闘争と指揮。警察官や軍人の卦で戦いをあらわす。無謀に争えば負ける危険があるので知恵を働かすこと。闘争心と才能は心に秘め、外には出さないこと。駆け引きしても憂いは消え去らないので、慎重に作戦を練って常に正しいことを基本に行動すること。関係はいったん衰えるが、人に親しんでおけば後にかなう。
7・師
多数。
信用のおける指導者に導かれれば、幸運に恵まれる。

Iching08
比(ひ、bǐ)は六十四卦の第8番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が坎で構成される。通称「水地比」。比は「したしむ」の意味であり、序卦伝には大衆すなわち人と人は親しむので、師の次に置かれるという。
8   水地比 すいちひ 緩やかに親しむ
比べる。色情。急速に親しくなる。一人の男性が多くの女性を惹きつけている状態なので、女性は後れをとらないよう注意。成立の時期は早いので速やかに行動したほうがいい。始めはトラブルがあっても、寛容の気持ちで接していれば、いつか協力を得られる。敵と思うものを味方に入れて親睦和合すれば調和する。
8・比
結合。
時機がよければ最初から協力したほうがよい。態度が不明確な人もやがて参加する。

Iching09
小畜(しょうちく、xiǎoxù)は六十四卦の第9番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が坎で構成される。通称「風天小畜」。畜は「蓄」の古字で「あつめる」「とどめる」の意味であり、序卦伝には人と人が親しむとあつまるので、比の次に置かれるという。
9   風天小畜 ふうてんしょうちく 少しの滞り
停滞。小金。蓄えている状態。小さな障害。たったひとつの陰が多くの陽をとどめ、養っている状態。長く保つことができない。小が大を制するにはまだ力がともなってないので、短気を起こしそうになる。互いに合意しようとして小さなトラブルがあるが、後に解消する。結婚は縁が定まりにくいものの遅くなって成立。9・小畜
ささいな贈り物。
落ち着いて細部まで必要なことに気を配っていれば計画を遂行できる。

Iching10
履(り、lǚ)は六十四卦の第10番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が乾で構成される。通称「天沢履」。履は「ふむ」の意味であるが、序卦伝では履は「礼」であるとし、物があつまると礼ができるため、小畜の次に置かれるという。
10   天沢履 てんたくり 権力者の引き立て
庇われ守られている状態で幸せが望める。引き立て。他人への礼儀。少しの不釣り合い。虎の尾を踏む危険が目の前にあるが恐れていては何もできない。経験者にしたがえば道が拓ける。相手を敬い、礼儀をもって接すれば目上に可愛がられ、虎の尾を踏んでも咬みつかれない。人を押しのけず柔和にして目上に従えば後になって吉。
10・履
歩行。
危険を冒したとしても、よい行いをしていれば成功し、害はない。

Iching11
泰(たい、tài)は六十四卦の第11番目の卦。内卦(下)が乾、外卦(上)が坤で構成される。通称「地天泰」。一月に配される。泰は「通じる」の意味とされる。序卦伝には履むことで安定を得るため履の次に置かれるという。上に陰柔の坤、下に陽剛の乾があり天地の気が交わる。安定した姿の象徴で易占のロゴマークとして国内で使われている。
11   地天泰 ちてんたい 上下が和合して吉
上にある地は下がり、下にある天が昇って上下が和合する理想の卦。交わって吉。心を通じあい安定した関係を保つには誠意と用心が大切である。よい関係であっても乱を忘れずに、質素にして奢りを慎むこと。内面が充実して外面も穏やかだが安泰すぎるので堅く身を守ること。平穏。和合して悦び多し。結婚、恋愛に大吉。
11・泰
巨大。
穏やかな繁栄が訪れる。天と地が調和・結合し、あらゆる不和が終わる。

Iching12
否(ひ、pǐ)は六十四卦の第12番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が乾で構成される。通称「天地否」。七月に配される。否は「塞がる」の意味である。否字の音は否定の意味ではfouの三声、閉塞の意味ではpiの三声であるが、日本漢字音では同様に「ヒ」である。序卦伝には物は通じるばかりでなく塞がるので泰の次に置かれるという。
12   天地否 てんちひ 上下交わらず凶
否塞。時期いたらず八方塞がり。行き違い背きあいしっくりといかない。外面は強く見えるが、実態は柔弱で砂の上の楼閣のようだ。危機に直面している。なにごとも行き詰まり、無理をしても苦労ばかり。チャンスの到来を待つ以外に方策はない。情愛なく疎遠で交際がへた。先方は亢ぶる。結婚は見合わせたほうがよい。
12・否
不通。
小人が勢いを得る。難を避けるか自分を変えるほかない。

Iching13
同人(どうじん、tóngrén)は六十四卦の第13番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が乾で構成される。通称「天火同人」。同人は「人を同じくす」であり、同は会同・協同の意味である。序卦伝には物は塞がるばかりではないので否の次に置かれるという。
13   天火同人 てんかどうじん 人と同調・協力する
輝く知性の友人、情熱と実行力を備えた同士と共に歩む。柔軟な心の持ち主に出遭うためには従来からの友人を頼りにしてはならない。遠近の別なく公的な人間関係を創ることが重要。自他ともに同調して吉。同業の他人と協力し便宜、援助を得て望みを遂げる。内面に才知を秘め明るく交際上手。男女が志を同じくして和合。
13・同人
団結。
計画に参加し、集団で努力すれば利益が手に入る。

Iching14
大有(だいゆう、dàyǒu)は六十四卦の第14番目の卦。内卦(下)が、外卦(上)が乾、離で構成される。通称「火天大有」。大有は大いなる所有の意味であり、序卦伝は人を協同すれば物はそこに帰属するので同人の次に置かれるという。
14   火天大有 かてんたいゆう 内容のともなわない大望
盛運。豊年。大きく所有する。保つ。重い責任。順風満帆でなにをやってもうまく行きそうに見えるが、躓きの要因が隠れている。計画は立派だが空想論的で理想の実現に力が及ばないことがある。節度をもち身分相応にして内容を充実させること。誠実正直のことには吉。女性は目下の男性によく、男性は目上の女性によい。
14・大有
大きな財産。
財産に恵まれるが、霊的な部分も大切にし、慈善を行うこと。

Iching15
謙(けん、qiān)は六十四卦の第15番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が坤で構成される。通称「地山謙」。謙は謙遜の意味。
15   地山謙 ちざんけん 謙譲のこころ
優れた才能、美しい容貌も謙虚であってこそ輝きをます。 私欲・慢心を捨てることが望まれるが、謙虚さも度をすごすと卑屈になるので注意。苦労があっても地道に励み、世間の信用を得て志をかなえる。謙遜。謙譲。信用。勢いがなく積極性に乏しい。結婚相手としては不釣り合いを感じるかもしれないが無難に成立する。
15・謙
謙譲。
敬意を払って贈り物をすれば、行事は滞りなく進む。

Iching16
豫(よ、yù)は六十四卦の第16番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が震で構成される。通称「雷地豫」。豫は「よろこぶ」の意味。
16   雷地豫 らいちよ 志をとげ喜ぶ・油断
ものごとが道理にしたがって動きだす。辛抱の冬が終わり、歓楽の春がきてエネルギーを発散する。やりとげる。滞っていた関係もついに解けて楽しみがある。順調に進めば調和するが、驕慢な心を起こさないよう注意すること。怠け者。思い通りになりそうなので悦びのあまり不用意になる。片方を廃して一方に専念すること。
16・豫
享楽。
事前の計画や取り決めがあれば容易に活動できる。助手をつけるとよい。

Iching17
随(ずい、suí、旧字体:隨)は六十四卦の第17番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が兌で構成される。通称「沢雷随」。随は「したがう」の意味。
17   沢雷随 たくらいずい 随って動く
上卦の兌は若い女性。下卦の震は年上の男性。男が少女に魅せられているとも、実力者が若いものに譲っているともみる。盛気衰えはじめた者でも、対象をしっかりと見定めて真面目に随うならば良い結果がでる。多情で卑しい者に従がわないこと。性急をさけて主体性を失わず、先方から求めてくるようにすれば成立する。
17・隨
随行。
形式や経験に従えば吉。支配したければ、まずは仕えること。

Iching18
蠱(こ、gǔ)は六十四卦の第18番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が艮で構成される。通称「山風蠱」。
18   山風蠱 さんぷうこ 惑乱して破れる
巽(年増)が艮(若い男)をもてあそんでいる。蠱の文字は皿の上の食物に虫が涌いている様子をあらわす。平和が続きすぎると腐敗が発生する。トラブルで多事多難だが、絶望してはいけない。根本的な解決のときである。立ち直る。積極的な姿勢が災いを転じるが当面は和合なし。凶。破れる。蠱惑。悪者。だます。だまされる。
18・蠱
毒。
不足を補うには、立派な贈り物、準備、熟考が必要である。

Iching19
臨(りん、lín)は六十四卦の第19番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が坤で構成される。通称「地沢臨」。十二月に配される。
19   地沢臨 ちたくりん 相方から臨みあう
親しみあう。双方から臨みあう。求める。与える。躍進。将来性があって運気が隆盛に向かっている。互いに和合して万事順調な卦。結婚は進んで求めてよい。志操を守っていれば遅れてもかなう。希望があるとはいえ短期決戦と心得たほうがよい。急速に盛んになったものはたちまち衰えるからだ。機敏に行動して吉。
19・臨
接近。
前進には大成功をもたらすが、8ヶ月以内に目標に到達すること。

Iching20
観(かん、guān、旧字体:觀)は六十四卦の第20番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が巽で構成される。通称「風地観」。八月に配される。
20   風地観 ふうちかん 観察のとき
利欲が渦まいて秩序が混乱している。互いに決断力が乏しく様子をみている状態。
相手の出方を伺ってどう行動しようかと迷っている。岐路にたったとき、利欲に惑わされず人の模範となる行動がとれるなら咎めはない。交友を厚くしておけば先方から臨んでくる形で成立するので急がず着実に進むこと。半凶。学術頭脳派には吉。
20・観
観察。
品位に富んだ誠実な行動、霊的な清めにより利益が生まれる。

Iching21
噬嗑(ぜいごう、shìkè)は六十四卦の第21番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が離で構成される。通称「火雷噬嗑」。
21   火雷噬 からいぜいごう 危うい始まり
口の中になにか堅いものが挟まって、噛み合うことが妨げられている状態。盛んな活動力はあるのだが、手強い障害に邪魔されている。この故障は口論かもしれない。現在は障害があるが後に解消する。急がず心静かに障害を取り去るように配慮すれば損はない。食事。障害。言いにくいこと。媒介を頼めば穏やかに成立。
21・噬嗑
罰。
問題に巻き込まれて不愉快な思いをするのは辛いが、無駄にはならない。

Iching22
賁(ひ、bì)は六十四卦の第22番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が艮で構成される。通称「山火賁」。
22   山火賁 さんかひ 見栄をはる
賁とは飾り物のこと。卦の形は艮(山)の下に離(太陽)があって、山の景色が夕暮れの太陽で美しく彩られているようす。しかし太陽は沈む寸前で、没落の兆候かもしれない。華美な装飾や見栄で明るさはあるが、普通の人は質素にして吉。明智を身につけて内面を照らすこと。学問芸術に吉。文章。文明。はかなさ。虚飾。派手好み。
22・賁
装飾。
外観を洗練させれば、小さな目標を達成し、ささいな成功に恵まれる。

Iching23
剥(はく、bō、旧字体:剝)は六十四卦の第23番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が艮で構成される。通称「山地剥」。九月に配される。
23   山地剥 さんちはく 身を削る心配
艮の山が削り取られて荒野になるさま。剥奪。心配。内向。衰退。苦労。散財。陰の勢いが強くなって陽が最後のひとつだけになった。危機が近い。身を切るような心配ごとがある。対人関係は骨折り、支障が多くて調うことがない。今までのことは諦めて次のチャンスを待てば返り咲きもありえる。
23・剥
剥落。
脆弱な自分の姿を見つめ直し、家でじっとしていたほうがいい。

Iching24
復(ふく、fù)は六十四卦の第24番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が坤で構成される。通称「地雷復」。十一月に配される。
純陰坤の下に一陽が現れるので時期は冬至の一陽来復を表す。これからの発達を待つ時期である。
24   地雷復 ちらいふく くりかえし
一陽来復。復とは冬至のこと。元に戻る。卦は地中深くに春の陽がひとつ芽生えた形。長かった冬もあと一息だが、焦って飛び出してはいけない。雷のエネルギーもまだ潜んでいる状態で、活躍するのに充分な力はない。吉兆。希望。復興。仲直り。再婚。捜していたものが見つかる。着実にコツコツと努力すれば順調に達成する。
24・復
復帰。
行動が吉。あわてることなく道に戻ること。

Iching25
无妄(むぼう、wúwàng)は六十四卦の第25番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が乾で構成される。通称「天雷无妄」。
25   天雷旡妄 てんらいむぼう 危険なできごと
天災。自暴自棄。無望。貪欲・私心・邪気を捨て流れに身をまかせること。予期せぬ災難があっても至誠真実を通すこと。天真爛漫。何事も期待せず天職に従っていれば、災いから逃れついに希望がかなう。隠し事をやめて正しく高潔、誠実な行動で吉。対人関係は和合が難しくて凶。ことを強いると禍いを招く。
25・无妄
無垢。
何も知らずに動くと災難にあう。正しいことは吉。

Iching26
大畜(だいちく、dàxù)は六十四卦の第26番目の卦。内卦(下)が乾、外卦(上)が艮で構成される。通称「山天大畜」。
26   山天大畜 さんてんたいちく 大きな滞り
畜は田が茂るの意味。豊作。蓄積。お金持ち。大が小を養う。実力や人徳を蓄える。資金や気力を充実させ、危険や障害を克服して大事をなしとげる。蓄えている間は停滞でもあるので機運が制せられていると判断する。大きな止めがあり意のままにならない。対人関係も思いのままになりにくいが、和睦して時が経れば好転。
26・大畜
強い自制心。
物惜しみせず贈り物をしたり、親しい仲間と食卓を囲んだりするとよい。

Iching27
頤(い、yí)は六十四卦の第27番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が艮で構成される。通称「山雷頤」。
27   山雷頤 さんらいい 言葉を慎んで吉
頤はあごのことで卦の形は上下の顎を表している。ふたつ。協力。むだぐち。口論。食事。扶養。平凡な生活。節度をたもち飲食言語を慎んでこそ平穏無事な生活がおくれる。互角の関係ならこちらから譲って和合する。恋愛はたがいに臨みあって吉。ふたつ縁談があって迷うかも。発展性は乏しいが無難な卦。
27・頤
滋養。
自分自身や周囲の者に対し、食べ物の量や質に気をつけること。

Iching28
大過(たいか、dàguò)は六十四卦の第28番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が兌で構成される。通称「沢風大過」。
28   沢風大過 たくふうたいか アンバランスで不安
自分の力より荷が重くて不安。卦は、中間の部分が強すぎて、それを支える両端が弱いので耐えることができない形。両方に口があって意見が通じ合わない。人妻と若い男のような不自然な関係。困難をかかえて不安になっているが、この卦での心配は杞憂に終わることが多い。背中合わせ。離反。絶交。結婚は遅延して調いにくい。
28・大過
非凡。
通常をはるかに超える尺度が求められる。

Iching29
坎(かん、kǎn)は六十四卦の第29番目の卦。上下ともに坎で構成される。通称「坎為水」。もっとも困難・重病を覚悟する占断である。
29   坎為水 かんいすい 困難をのりこえる
困難をあらわす坎の卦が重なっている。四大難卦のひとつで一難去ってまた一難の象。冷たい。苦労。執念。欲望。困難に出合い打ちひしがれてしまうか、勇気を出して切り抜けるか、人の真価が試されるときだ。苦労艱難ののちに克服できる。対人関係は双方とも目論見があって一致しにくいが、長い信頼がある夫婦間なら障りなし。
29・坎
深淵。
水難の危険がある。心のこもった行動が称賛される。

Iching30
離(り、lí)は六十四卦の第30番目の卦。上下ともに離で構成される。通称「離為火」。
30   離為火 りいか つく/離れる 移り気
明晰な知性と燃えるような情熱。火には形がないが、ものに燃えついてその形を表すのでつくの意味もある。離れる。移り気。軽率。美麗。知性。継続する意味があって吉。立場をわきまえ、明晰な知性で能力を発揮すべきなのに、華美で熱中しやすく心が定まりにくい。心がひとつに定まれば和合して吉となる。
30・離
聡明。
知性を燃え立たせ、正しい行為をすれば利益になる。男女平等に育てること。

Iching31
咸(かん、ピンイン:xián)は六十四卦の第31番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が兌で構成される。
上に多感な時期の少女、下にやはり多感な少年がいる。二者相互の感受性が頂点に達し「咸」という。繋辞伝では「その拇に感ず」としている。
31   沢山咸 たくざんかん 速やかに通じる
一番の恋の卦。心のふれあい。感応。兌の若い女性に艮の若い男性が愛を求めている。その気持ちが揺るぎない(艮)ので女性がそれを受け入れる。堅い結びつきを続ける限 り万事順調。互いに好感を持ち速やかに通じる。恋愛。結婚。調和。望外の吉事。色情に心を奪われて本道の仕事をおろそかにしないよう注意。
31・咸
影響。
団結が喜ばしい成功をもたらす。頭と心と体に耳を傾けること。

Iching32
恒(こう、旧字体:恆、ピンイン:héng)は六十四卦の第32番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が震で構成される。
32   雷風恒 らいふうこう 恒久の生活
31番の燃えるような恋が平穏無事な生活へと変わった。震の男性が上で活動し巽の女性が順応している。結婚。恒久不変。穏和。久しく変わらず吉。日々の生活に多少の変化はあるものの全体としては平穏に運営される。安定した生活には浮気心が湧きやすいので、危険な誘惑を退ける勇気が必要。初心を忘れるべからず。
32・恒
恒常。
我慢と忍耐が秩序と安定を生む。

Iching33
遯(とん、ピンイン:dùn)は六十四卦の第33番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が乾で構成される。通称「天山遯」。 六月に配される。
33   天山遯 てんざんとん 自分から逃げる
遯は逃げること。遁走。自分から退く。見切りをつける。引退。家出。運気が逃れて時勢が味方しなくなった。今までの力を頼りに無理をすると危険に陥る。さっさと退いてこそ道が拓ける。チャンスが巡ってきたらまた積極策を講じればいい。相手から望まれても気が進まないなら消極策をとること。自分から逃れて吉。
33・遯
隠蔽。
先祖の暗い気から資産を隠し、慎ましく徳を積みこと。

Iching34
大壮(だいそう、旧字体:大壯、ピンイン:dàzhuàng)は六十四卦の第34番目の卦。内卦(下)が乾、外卦(上)が震で構成される。通称「雷天大壮」。二月に配される。

34   雷天大壮 らいてんたいそう 盛大・勇猛・やりすぎ
好調な発展のときだが、空騒ぎの喧噪の意味もあって、外見ほどには実質を伴わない。こともある。すこし荒っぽい卦だが進展はある。勢いに乗りすぎると先方は逃げだすので落ち着いた対処が必要。ふたつの爻をひとつにみると全体で兌(若い女性)の形になり、結婚はのちに成立する。調子にのらず誠実を心がけること。
34・大壮
大きな力。
力も時機を見て、知性とともに使わなければ無益である。

Iching35
晋(しん、旧字体:晉、ピンイン:jìn)は六十四卦の第35番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が離で構成される。

35   火地晋 かちしん 進み昇る
大地の上に太陽が輝き始める。苦労が終わり希望の朝を迎えた。持てる力を存分に発揮できるようになる。日の出。明るい。前進。上昇。積極。早い。目先が明るくなって順調に進むが、急に真昼にはならないので軽はずみをすると危険。今までの行き詰まりが好転して和合する。成立時期は早いので手間取らないこと。35・晋
前進。
永遠に続くものはないが、徳と用心で制御すれば繁栄が続く。

Iching36
明夷(めいい、ピンイン:míngyí)は六十四卦の第36番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が坤で構成される。
坤地の下に明の離の日が入る、即ちすべてが暗黒に支配される形である。韜晦のときといえ勿論卦の象はよくない。
36   地火明夷 ちかめいい 日が沈む
破れる。暗い。心配。夜。内向。すぐに太陽が地面の下に隠れてしまう。明智なるも のが暗愚に支配される。暗くて道が見えないと不安になりやすく、ささいな事でも心配の種となる。才能を包み隠して艱難に耐えること。苦難の中で実力を磨くのだ。争いごとが生じて関係が悪化する気配。望み事かなわず和合しにくい。 
36・明夷
覆い隠された光。
逆境の時は、事を有利に導くために自分の才能を隠すこと。

Iching37
家人(かじん、ピンイン:jiārén)は六十四卦の第37番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が巽で構成される。
37   風火家人 ふうかかじん 家政を整える
平和。穏便。家庭。結婚生活。目上の指示。男が外で働き、妻が夫を慰めてよく家庭を守る。外面は従順で内に才知を秘めた良妻賢母。夫婦が協力して家政を平穏無事に運営する。上卦の巽(年上の女性)に兌(妻)が従って嫁姑関係も円満。我が身を明白にして目上の薦めにしたがうこと。結婚は成立しても不足感が残るかも。
37・家人
家族。
家族が義務に従い徳を積めば、何事もうまくいく。

Iching38
睽(けい、ピンイン:kuí)は六十四卦の第38番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が離で構成される。
兌の少女と離の中年女とが目を叛け争う。西の九紫であり卦象としては最悪の部類。
38   火沢盻 かたくけい そむく
盻とは睨みあうこと。意見の食い違いや矛盾をあらわす。上卦の離(小女)は火で上に向かい、下卦の沢(中女)は水で下に向かって出会うことがない。それぞれ違う方向にむかう。とくに女同士の人間関係は良くない。互いに反目。望みにそむく。嫉妬。望みがかないにくく苦労が多い。結婚は相手を再調査すること。
38・睽
未知。
普段とは異なる環境だが、小事で災難はない。不和は利益にならない。

Iching39
蹇(けん、ピンイン:jiǎn)は六十四卦の第39番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が坎で構成される。
39   水山蹇 すいざんけん 不自由
蹇はあしなえのこと。凶。足の痛み。苦難。金銭のトラブル。悩みの中で行き止まる。きりきりと痛い。坎(困難・障害)と艮(険阻な山・とどまる)で進退きわまり行き悩んでいる。行く手に危険があれば、それを見て止まることができるのが知者である。無理せずに平易な道を選ぶこと。艱難苦労多く当面は望みごとかなわず。
39・蹇
困難。
立ち止まって賢明な助言を求めるか、成り行きに任せること。

Iching40
解(かい、ピンイン:xiè)は六十四卦の第40番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が震で構成される。
40   雷水解 らいすいかい 悩みが解ける
雪解け。凍結して行き悩んでいた問題がゆるみ解決へと向かう。氷が溶けて新しい出発のときを迎えた。ぐずぐずと怠けて機会を逃さないように問題を処理すること。諸事迅速にすれば難みが解けて吉。ただし事態の状況によっては組織が解散するという、反対の意味にもなるので注意。
40・解
解放。
危険が弱まる。よい土地を見つけ、成功をたぐり寄せること。

Iching41
損(そん、ピンイン:sǔn)は六十四卦の第41番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が艮で構成される。
41   山沢損 さんたくそん 損して得とる
損失。奉仕。自己犠牲。自分の得にならないことでも信念で貫き通して達成する。目先の利益を追って嗤われるか、大目的のために誠意をもって初志貫徹するかである。現在は損失が多いようにみえるが、自分の信用を増し利益となって返ってくる。高望み・小欲を捨てること。先方は臨んでくるので少しのちに調和する。
41・損
減少。
高価なものでなくても、心のこもった誠実な贈り物であれば十分である。

Iching42
益(えき、ピンイン:yì)は六十四卦の第42番目の卦。内卦(下)が震、外卦(上)が巽で構成される。
42   風雷益 ふうらいえき  利益・増加
勢いが増して利益がある。好機であれば臆せず進むこと。物事は急いだほうがよい。上の利益を減らして下の利益を増せば、基礎が安定して結局はともに利益となる。内容には空虚な一面があるので、外見は気が合っているようでも誠意が少ないなど、実質が伴わないことがある。欲と奢りをすてて調和。42・益
増大。
どんな行為も、物質的な繁栄と霊的な隆盛をもたらす。

Iching43
夬(かい、ピンイン:guài)は六十四卦の第43番目の卦。内卦(下)が乾、外卦(上)が兌で構成される。通称「沢天夬」。 三月に配される。

43   沢天夬 たくてんかい 決断する
切り拓く。重大時を決行する。悪が去って正常にもどる。5本ある陽爻が増して一番上の陰爻を押し出すかたち。決断の時期がきているが、強く行動して陰の小物に仇をとられないように注意。無理なく穏やかに行動して吉。先方はたかぶって執着する象なので成立してもあとが良くない。好き嫌いが激しく和しにくい。
43・夬
決断。
確固たる地位を築くためには、目標、戦略、目指すべき場所を決める必要がある。


Iching44
姤(こう、ピンイン:gòu)は六十四卦の第44番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が乾で構成される。通称「天風姤」。五月に配される。
44   天風 てんぷうこう 出合う
思いがけず遭う。奇遇。奇禍。災い。だます。女難。変事。発病。衰運のはじまり。 とは偶然の出会いのこと。好色女に騙される。卦の形はひとつの陰爻(女性)が5本の陽爻(男性)を集めて、女王のように魅惑している。女性にはいいが男性には望ましくない卦。関係は一定しない。かりに内縁で一度は成っても遂げず。
44・姤
咬合。
性的交渉に至る出会いがあるが、女性に力がありすぎて結婚できない。

Iching45
萃(すい、ピンイン:cuì)は六十四卦の第45番目の卦。内卦(下)が坤、外卦(上)が兌で構成される。
45   沢地萃 たくちすい 集まる・群衆
萃は草の群生のこと。人や物資が集まる。群衆。繁栄して吉だが、人が集まるからには不慮の変事に注意すること。頭数が揃いながらも方向が定まらない。この集合は永く続かないので、衆知を集めて素早い行動が求められる。入試・就職・人事異動に吉。互いに悦びあい結婚はかなう。人を頼んで調和すべし。
45・萃
集合。
神への捧げものを通じ、他人、自分、霊と心を交わすこと。

Iching46
升(しょう、ピンイン:shēng)は六十四卦の第46番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が坤で構成される。
46   地風升 ちふうしょう 上昇する
時節を得た生命力。実力を養い自信を持って向上する若木の象。急にはならないが堅実に成長するので積極的に進んで志を遂げる。変心せずに心を一決して事にあたれば諸事かなう。対人関係は意見が異なる部分があるので注意。昇進。のぼせる。うわずった考え。夫婦不和。急には調わないので堅実に信用を培うこと。 
46・升
上昇。
捧げ物をし、天と心を交わせば、家に問題はない。

Iching47
困(こん、ピンイン:kùn)は六十四卦の第47番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が兌で構成される。
坎為水とともに難卦の一つ。
47   沢水困 たくすいこん 困難に苦しむ
「困」は四角に囲まれた枠のなかで木が成長できずに苦しんでいる意味。困窮する。上卦の沼沢の水が下卦に漏れて涸れてしまい困っている。資金難に陥り八方塞がりの状態。試練のときだが、困難の後には必ず運が開けるので我慢して逆境を乗り切ることだ。お互い不足に感じても誠意をみせればついに信用をえて調和する。後吉。
47・困
苦悩。
疲労、不信、幽閉状態を克服するには、敬意と賢明な助言が必要である。

Iching48
井(せい、ピンイン:jǐng)は六十四卦の第48番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が坎で構成される。
48   水風井 すいふうせい 最小限度を得る
井の卦は坎(水)の下に巽(木)があって井戸に釣瓶を入れた形。井戸は汲めども涸れない生命力を持つ。生活に欠かせないのに普段はその有り難みが忘れられた存在。最小限度必要なだけ得られて吉。消極的だが安定した状況で、種々の苦労はあるものの望みを達成できる。遅く成立する。媒介を入れ公然と進めること。
48・井
井戸。
自然は持続的だが、社会組織は責任ある相互の配慮が必要である。

Iching49
革(かく、ピンイン:gé)は六十四卦の第49番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が兌で構成される。
49   沢火革 たくかかく 革新
兌(水)と離(火)が消しあい上下が対抗している。革はこの矛盾を改革する意味。変化する。旧弊を一新して吉。今までのことを改正して襟をただし、自我を慎まねばならない。才知を秘めて外面を柔和に、離の明知をもって正道を守り改革を行うこと。先約は不調和となるので事を新しくして望みがかなう。再婚によし。
49・革
変化。
殻を脱いで内面が変化し、自信に満ちあふれる。

Iching50
鼎(てい、ピンイン:dǐng)は六十四卦の第50番目の卦。内卦(下)が巽、外卦(上)が離で構成される。
50   火風鼎 かふうてい 事態が熟する
鼎は三本足の器。離(火)に巽(木/風)を与えて煮炊きする。三本の足が力を合わせて重い物を支えて吉だが、一本の足が折れるだけで覆ってしまう。脆い。不意の挫傷に注意。未熟な物が煮えて成熟する意があって望事は次第にかなう。先方に変心があって我方も新しきをとろうとする。三角関係は徐々に調和して収まる。
50・鼎
大釜。
人および霊への捧げ物として芸術作品を作ること。魔術的な変化を表す。


Iching51
震(しん、ピンイン:zhèn)は六十四卦の第51番目の卦。上下ともに震で構成される。通称「震為雷」。
51   震為雷 しんいらい 努力・勤勉
震は雷鳴。動くこと、伸び栄えるの意味。大山鳴動しても沈着冷静でいれば、あっけなく通り過ぎる。努力。勤勉。実行する。働く。勇壮。進む。動き出すにはよい時期だが勢いに任せすぎると禍いがある。心に望むところがあって小さな争いが生じるが平常を心がければ永く和合する。結婚はたがいに望むことがあって決しにくい。
51・震
刺激。
雷が恐怖と哄笑をもたらすが、捧げ物と儀式で平静を保つことができる。

Iching52
艮(ごん、ピンイン:gèn)は六十四卦の第52番目の卦。上下ともに艮で構成される。通称「艮為山」。
52   艮為山 ごんいざん 頓挫・困難
艮は連なり泰然として動かぬ山のこと。軽率に進めば山また山の難儀が待っている。軽挙妄動を慎むべきとき。じっとして一人我が道をいく覚悟が必要だ。依頼心をなくし現在の境遇を守り抜くこと。行き止まり。塞ぐ。困難。劣等感。愚直。篤実。頑固。他人と交わらない。結婚は調和しにくく、離別もありえる。
52・艮
静寂。
瞑想し、超自然的な事柄に意識を向けること。力は静寂な心に生まれ変わる。

Iching53
漸(ぜん、ピンイン:jiàn)は六十四卦の第53番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が巽で構成される。
53   風山漸 ふうざんぜん 漸進する
漸次前進して吉。結婚の卦。順当に進む。婚姻は儀式なので各種の儀礼を踏み、ただしい順序でおこなうこと。急激な展開は望めないが着実に成長する。次第に幸運に向かうので急がずに順風にのるよう心がけること。先方には望み従う意志があるが、我方にそむく意がある。篤実にして話し合いに応じればかなう。協調で応じて吉。
53・漸
発展。
人間関係にかかわることは、少しずつ行うこと。

Iching54
帰妹(きまい、旧字体:歸妹、ピンイン:guīmèi)は六十四卦の第54番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が震で構成される。
54   雷沢帰妹 らいたくきまい 思惑ちがい
兌(若い女性)が積極的に震(成人男性)に働きかけているが、愛情の裏付けに乏しい関係。思わくが違って小凶。女の思慕があって道ならぬ恋。女性の色気だけで知性に不満。思い通りにならないので災害や手違いに注意すること。結婚は女性に吉だが男性に凶。目前の利益に囚われず末路を考えよ。話し合い誠実をつくせば後吉。
54・帰妹
嫁ぐ娘。
奉仕を強制される。仕事を引き受けると凶。

Iching55
豊(ほう、旧字体:豐、ピンイン:fēng)は六十四卦の第55番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が震で構成される。
上に雷鳴、下に離火があり相助け合って極盛を極める。よほどの自戒が必要。
55   雷火豊 らいかほう 現在の豊饒
富。豊か。盛大。飽和。智才で動いて吉。明知によって動き、現在は満ち足りているが、人は四季の巡りから逃れられない。月は盈ちればいずれ欠ける。円熟した関係の男女に隠された悲哀。謙遜と節約を守って、いずれ来るであろう衰運に備えること。双方に私欲、疑問があって調和が遅い。高慢に注意して吉。
55・豊
豊穣。
超常的な幻視により、将来の繁栄を手に入れる。

Iching56
旅(りょ、ピンイン:lǚ)は六十四卦の第56番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が離で構成される。
56   火山旅 かざんりょ 不安と孤独
山(艮)の中で野宿の火(離)を焚く旅人の不安。転居。転職。孤独。不安定な生活。無理をして打開しようとせずに、その場に止まり受け身で対処すること。双方ともに真実の親しみが不足している。単独を避け明知をもって行動しなければならない。軽はずみに注意。失恋。一度成立しても行方は不安定で半端にて離別する。
56・旅
旅人。
旅の無事と幸運を祈り、霊に敬意を払うこと。尊大になってはならない。

Iching57
巽(そん、ピンイン:xùn)は六十四卦の第57番目の卦。上下ともに巽で構成される。通称「巽為風」。
57   巽為風 そんいふう 従う・遜従
成人女性。入る。従う。商業によい卦。そよ風は隙間から入って物にあたれば従順に身をかわす。謙虚にしていれば順応して利徳があるが、悪くすると優柔不断に陥る。先方から望んでくるので応じれば通じるが、長引くと腐るので機会を逃さないように。優しい思いやりで吉。迷い心がでて延引すれば不調和となる。
57・巽
平穏。
賢明な助言を聞き、ささやかな贈り物をし、規律を守れば、徐々に報いがある。


Iching58
兌(だ、ピンイン:duì)は六十四卦の第58番目の卦。上下ともに兌で構成される。通称「兌為沢」。
58   兌為沢 だいたく 喜びあう
喜び。柔和。愛嬌。少女がふたり楽しげに語らいあっている。口は心を通い合わせるものだが、一歩間違えば不和の種ともなる。迎合するものを避け、精神的に高い悦びを得ること。若い女性が男性の寵愛を受けて悦ぶ。怠り。口舌。多弁。ぐずぐずと言い合って背く。先方はまだ信用していない。まごころで調和。
58・兌
喜悦。
その時を利用して楽しみ、喜んで与え、受け取ること。

Iching59
渙(かん、ピンイン:huàn)は六十四卦の第59番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が巽で構成される。
59   風水渙 ふうすいかん 嵐のあと
吹く風が水面を漂う木の葉を散らす。風雨が憂苦や停滞を発散しさり、新しい展開の時期を迎えた。苦労が去って一安心だが後かたづけが残されている。現在は平常に戻りつつあるも、以前に何事かのトラブルがあったことが察せられる卦。状況によっては離散。こころが離れてかなうことがない。関係を解いて身を清潔にして吉。
59・渙
拡散。
わがままからでなく、利益、安全、洞察を獲得するために新たな土地へ進出すること。

Iching60
節(せつ、ピンイン:jié)は六十四卦の第60番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が坎で構成される。
60   水沢節 すいたくせつ 節度ある態度 
兌(沼沢)が適度に水をたたえている状態。制限。貞節。操。倹約。甘い誘惑をしりぞけるのは難しいが節度を守ってこそ安定した生活が得られる。苦しみ悲しみを引きずるのではなく、苦難(坎)を悦んで(兌)受け入れ、前向きに対処すること。協力しあって憂苦を払えば遂にかなう。結婚は節度ある交際のすえに遅く成立する。
60・節
調節。
統治はあまり拘束的であってはならないが、道に準じたものとすること。


Iching61
中孚(ちゅうふ、ピンイン:zhōngfú)は六十四卦の第61番目の卦。内卦(下)が兌、外卦(上)が巽で構成される。
61   風沢中孚 ふうたくちゅうふ 信頼が通じる
孚は親鳥の爪の下で卵が孵化して子が生まれる意。上下の卦が向かい合って口づけしている形と見る。合意。和合。至誠。明知。話し合い。酒を飲み信を通じ合う。安全平和で無難な卦。心に誠実さが満ちていれば天に通じてかならず人々の共感を招く。永い関係を保つには口論を慎み信頼しあうこと。恋愛は互いに望んで調和する。
61・中孚
誠実な心。
重大な行動が成功する。心を中心に置くことを忘れない。

Iching62
小過(しょうか、ピンイン:xiǎoguò)は六十四卦の第62番目の卦。内卦(下)が艮、外卦(上)が震で構成される。
62   雷山小過 らいざんしょうか やりすぎ
卦は上下に背きあった形をしていて、二爻づつまとめると坎(困難)になる。分裂や意見の食い違いなどで困難に直面している。山上の雷鳴は大げさにとどろく。やり過ぎ。小粒で悪い人間が多すぎて良い者の勢いがない。悪だくらみ。意地悪。身の程を知って控えめに対処。対人関係は意見があわず調和しにくい。
62・小過
小さな非凡。
ささいなことを疎かにしなければ大吉。

Iching63
既済(きせい、旧字体:既濟、ピンイン:jìjì)は六十四卦の第63番目の卦。内卦(下)が離、外卦(上)が坎で構成される。
この卦は全てが当を得ており、最高の卦である。事象の判断では現状維持を中心に方針を決める時である。
63   水火既済 すいかきせい ことが完成
各爻がすべて正位にあって陰陽がととのい理想的に完成している卦。事が成就。完成。終焉。交わり。調和。結婚。男女関係。完成した以上は崩壊に向かうので日々を堅く守って怠らないように注意。現在を維持することに力を注ぎ新規を手がけぬこと。はじめは睦まじいが後に不和を生じやすい。躍進に乏しい。終り乱れる。
63・既済
既済。
時機がよければささいな行動が幸運をもたらすが、時機が遅れれば混乱する。

Iching64
未済(びせい、ピンイン:wèijì)は六十四卦の第64番目の卦。内卦(下)が坎、外卦(上)が離で構成される。
64   火水未済 かすいびせい これから調う
危難(坎)を冒してでも光明(離)を求めていく。挫折もあるがねばり強く対処すれば難関を切り抜けることができる。未だ完成せぬ。次第に調う。男が困窮する。双方こだわりが多く現在は不和。これからととのって吉だが、思慮なく進めば過りがちで未熟に終わる。辛抱つよく待てば妨害が去ってのち調和する。
64・未済
未済。
終わるまで利益はないが、何事も完全に終わることはない。

引用サイト

https://yamame.chobi.net/64_setumei.htm

六十四卦の基本がわかるサイト
https://1percent-better.com/oriental_wisdom/iching/hexagram/64hexagrams/

https://ekikyo.hatenablog.com/entry/ekikyo-384


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