【ネタバレアリ】シン・エヴァンゲリオン 感想

シン・エヴァを初日のレイトショーで見て、土曜日に2回目を見てきました。ある程度感想がまとまったので記録します。

TVアニメ版・旧劇版が大好きなので、旧劇→Qに繋がっていて、序・破はシンジくんの願うパラレルワールドである。という説をどこかで期待していましたが、そんなことはなかったですね。

あくまで、シン・エヴァは「新劇場版」がベースの世界。ただ、ゲンドウの「シンジが望まなかったすべての人類が溶け合う世界(=旧劇のサードインパクト)」発言から、ゲンドウはネブカドネザルの鍵によって色々な世界線の記憶があるし、おそらく渚カヲルも棺が円環状に続いていたことから、色々な世界線の記憶をもって動いていたことが予測されます。

ただ、それは「ループしている」というよりも、私達視聴者と同じエヴァンゲリオンという世界を俯瞰して見る視点=神の視点を持っている、ということだと感じました。

ループしているのではなく、あくまで「新劇場版ヱヴァンゲリヲン」はアニメの「新世紀エヴァンゲリオン」を人間が再構築した別の世界。ただ、シン・エヴァのゲンドウはそのすべての内容を認識している、メタ的な存在、というふうに感じました。


私は、エヴァンゲリオンのアニメや旧劇の世界があまりにも馴染みがあるからこそ、それと今与えられる新しいシン・エヴァの世界に繋がりを求めたくなっていました。あの尖った演出、混沌とした精神世界を攻撃的に描く独特の世界観がシン・エヴァでも見たい、と思っていました。

Aパート(第3村)は、今までのエヴァンゲリオンの近未来的な世界とは真逆の世界で、「これもエヴァンゲリオンの世界なのだ、受け入れろ」と正面から殴られたような。ショックが大きかったです。人間の暖かさで溢れた、平和な世界にも関わらず、観客がエヴァに求めているものとはまったく真逆なものをぶつけられ、無意識的に「エヴァに期待しているものが見たい」と期待を持ちながら見てしまった自分を鏡で見せられた、そんな気がしました。

Qラストで、目の前でカヲルくんがDSSチョーカーにより死に、残酷な最期を見たショックで廃人状態になっていたシンジくん。旧劇でも同様の事象が起きましたが、ミサトさんに(半ば無理やり)初号機に乗せられ、結果弐号機の変わり果てた姿を見て発狂、ゼーレの思惑通りサードインパクトのトリガーとさせられました。

シン・エヴァでは、廃人状態になった状態で、第3村に連れられ、アヤナミレイ(6号)や村のみんなの温かさに触れ、回復していきます。そして、最後にはゲンドウに「大人になったな」と言われるまでに。

旧劇では、他人から利用され、結果的にサードインパクトを起こし、最終的に「人との関わりのある世界」を望んでそれを止めたものの、それは初号機内での精神世界での出来事だった。今回も事象こそ同じようなこと(アナザーインパクト?アディショナルインパクト?)が起こるけれども、「能動的」にシンジくんは初号機に乗り、世界を書き換えることとなります。

「破」のラストで、「行きなさいシンジくん!誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために」とミサトさんが叫んでいましたが、破のラストではニアサードインパクトを起こしてしまったけれど、シン・エヴァのラストでは、まさに「シンジ君自身の願いのために」彼が能動的に行動した結果、エヴァのない世界に世界を再構築しました。ミサトさんのこの言葉が思い出されます。

ゴルゴダオブジェクトでの親子の対話や、初号機/13号機に魂が残っているカヲルやアスカ、レイの補完シーンにおいて、TVアニメの最終話を思わせるスタジオのような演出があります。ゴルゴダオブジェクトとは、結局は「エヴァンゲリオン」という虚構の世界(を再現できるもの)そのものであり、乱暴に言えば「エヴァンゲリオンの世界の中でループするとか、物語が分岐するとか、そういう難しいレベルの捉え方ではなく、エヴァンゲリオンという虚構の世界をエンターテイメントとして楽しんでほしい」と、ファンの思いを「補完」するラストだな、と感じました。

個人的には、旧劇ラストのアスカの肉体が大人になったシーンが胸アツでした。でも、ケンスケかぁ・・・惣流・アスカ・ラングレーが幸せになる世界は諦められないですが、それは二次創作で補完することとします。


エヴァで一番好きなキャラ、ミサトさんに焦点を当てた感想もいつか書きたいな。まだミサトさんについては想いがまとまっておりません。

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