死ぬこと

死ぬのって、そんなに悪いことですか?
私には分からないのです。
今から100年くらい前、日本でも戦争がありました。
沢山の人の命が散りました。
皆、「お国のために」死んでいったそうです。
一方、今の日本では安楽死が認められていません。
お国のために死ぬのは許されるのに、自分のために死ぬのは許されないんですか? 
どうしてですか。
でもきっと、安楽死制度が整えば、私はふと思いつきで死んでしまうかもしれません。だから、今のままでいいのかもななんて思いながら、毎日過ごしてます。

小さいときから死にたいと思ってました。
「生きてればきっと良いことがあるよ」
そんなこと分かってます。きっとそうなんでしょう。でも、それ以上に、生きる意味が見いだせないんです。何のためにこの苦悩を乗り越えるのか。乗り越えた先の喜びを、私はさほど望んでないのに。

つい最近、とても有名な俳優さんが自分で命を断たれました。きっと様々な人、場所に影響を与えたでしょう。順風満帆に見えた彼の人生にどんな苦悩があったのか、きっと知りたいでしょう。
そんな皆様に、ぜひ知ってほしい本があります。
カミュの「異邦人」
「きょう、ママンが死んだ。」という冒頭から始まるこの本。主人公は実の母親を亡くしていたにも関わらず、普段と変わりない日常を過ごしていました。そんな中、彼は誤って人を殺してしまい、裁判にかけられることとなります。裁判の争点は事件そのものではなく、母親を亡くしたにも関わらず普段と変わらない生活をしていた、彼の「異常性」に目を向けられました。そして、裁判の最後で彼が放った「太陽が眩しかったから」という殺人の動機。この発言で彼は多くの人から糾弾され、結果死刑を宣告されるのです。

思うんです。人が本当に追い込まれたとき、死を選んでしまうきっかけはそんな大層なものじゃないって。
それこそこの本で出てきた理由のように
「たまたまそこに紐があったから」
「たまたまそこに電車が来たから」
なんて、なんの面白味もない理由だと思ってます。だってそこにたまたま電車が来なかったら、死ねないじゃないですか。

「死」にストーリー性を持たせたがるのは、今を生きてる第三者だけなんじゃないでしょうか。