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【SCP紹介】君もSCP-1062-JPを読んで最悪の気分になろう!

こんばんは。
13連勤明けに一日休み、また日曜から出勤しているので曜日感覚がさっぱりなくなった村崎です。

突然ですが、みなさんは「SCP財団」というサイトをご存知でしょうか。
私はこのサイトが好きで、よく閲覧しては最悪な気分になったり夜眠れなくなったりしています。なんで好きなの?

今更私が詳しく説明しなくてもインターネットには解説があふれているので知らない人は是非検索して欲しいのですが、簡単にいうと、「SCP財団という組織が秘密裏に収容している異常存在の説明書を閲覧できるサイト…という設定の創作ホラーサイト」です。まぁ怖い話ばかりでもないから一概にホラーとも言えないんですが。

例えば、「口裂け女」という有名な都市伝説がありますが、アレを捕まえてナンバリングして「SCP-XXXは日本人女性に似た容姿の人型実体です。大きな特徴として両頬が口から耳にかけて大きく裂けています。…」みたいな感じに取扱説明書っぽくまとめたものがたくさんある、くらいの理解で大丈夫です。

さて、前置きが長くなりましたが、その説明書(以下「記事」)、今や一万以上もあるので当然読んだことのないものの方が多いですが、中でもかなり評価の高い記事かつ私が最近初めて読んだ記事で、かなり最悪の気分にさせられたものを紹介したいと思います。
最悪の気分になりたくない人はこれ以降読まないでください。おやすみなさい。

※注意(微ネタバレ)
自殺、子供、胎児などのキーワードで嫌な予感がする方もこれ以降読まないでください。おやすみなさい。


寝たかな。


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アイテム番号:SCP-1062-JP
オブジェクトクラス:Safe Neutralized

※オブジェクトクラスっていうのは簡単にいうと「収容難易度」です。「Safe(セーフ)」は「手順を守れば問題なく捕まえておけるよ」、「Neutralized(ニュートラライズド)」は「異常なくなっちゃったよ」くらいの認識で大丈夫です。
なのでこのSCPは、「無事に管理できてたけど異常性がなくなっちゃった」という事です。

説明: SCP-1062-JPは奈良県██郡に居住していた女性である田宮セツ(1923-1990)と血縁関係にある全ての人物(SCP-1062-JP-1と指定)が経験する異常なイベントです。SCP-1062-JP-1はSCP-1062-JPを生涯一度のみ体験します。

http://scp-jp.wikidot.com/scp-1062-jp

このSCPは俗に言う「現象系オブジェクト」に類するもので、「異常な人や物」ではなく「異常な出来事」を題材にした記事です。
そのものが存在していないので収容難易度が高くなりがちですが、今回は田宮セツさんとその血縁者にしか発生しないので、その血縁者を見張ってればオッケーです。

で、その人たちにどういう異常な出来事が起きるかというと、「人生で一番幸せを感じた瞬間に、目の前に首を吊るための縄が現れる」というものです。
「『人生で一番幸せな瞬間』っていつやねん」という話なんですが、この人たちはその縄を見た瞬間に「今が自分の人生で一番幸せな瞬間だ!」と確信するそうです。
その結果、ほとんどの場合で縄を見た人は首を吊って自殺します。そしてこの自殺に対して周囲の人は疑問を抱かず、むしろ祝福します。
この二つがSCP-1062-JPの異常性です。

記事にはこの後、田宮セツとその血縁者のSCP-1062-JP発生時の状況、つまりは自殺した時の状況が表でまとめられているのだが、これがかなりキツい。
いくつか例を挙げると、

・高橋明子(孫)、自身の結婚式で自殺。
…つまり彼女にとって結婚式が人生のピークだったということで…ちなみに母親もこの時に自殺していて、ご丁寧にその時の結婚式の様子を記録した文章も記事にある。む、むごい…。

・村上美和(孫)、母の日に子供からプレゼントを渡され自殺。
…これもなんか、考えちゃうよなぁ。自分の結婚式でもなく、子供が生まれた時でもなく、このタイミングが「人生で一番幸せ」っていうのがさ…。
そして最悪なのが、彼女が自殺した瞬間に子供二人の前にも縄が出現した事。母親が死んで「今より幸せになる事がなくなった」のだろう。
兄はそのまま自殺。妹は自殺しなかったが、5年後に事故でなくなった。最悪。

そんな感じで、SCP-1062-JPを見た13名のうち10人がそのまま自殺し、2人が自殺せず数年後に事故死や病死し、今や田宮セツの血縁者は一人だけになっている。
彼女、荒川千佳は田宮セツの曾孫で、大学の合格発表時にSCP-1062-JPが発生。ここが人生のピークだと信じたくなくて自殺をしなかったが、以降就活に失敗し、所謂できちゃった結婚で後ろ指をさされ、心の底から幸せ、とは言い難い状況にある。

そんな彼女だが、収容のための定期的なカウンセリングの際にインタビューを行った財団職員に対して、子育てや結婚生活への不安を語りながらも、「子供が育って少しでも幸せになってくれれば、自分もそれなりに幸せになれると思う」と話した。
人生で一番幸せだったのはあの時かもしれない。けれど、二番目、三番目の幸せはこれから見つけられる、と。
後悔はしているけど、それなりに幸せにはなれるのではないか、と彼女は考えていた。


インタビューの二ヶ月後、彼女のお腹の子が臍の緒が首に巻きつき亡くなった。そしてこの死は、関係者に祝福された。

その三ヶ月後、荒川千佳が自宅で首を吊り自殺した。誰にも祝福されない、異常性のない自殺だった。


存命の田中セツの血縁者がいなくなった為、このSCPのオブジェクトクラスはNeutralizedに変更された。

SCP-1062-JP
絞福論

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どう生きてたらこんな救いのないストーリーを思いつくのか…いや、救いはあったのか?いやー…。
僕が読んだSCPの中でも10本の指に入るくらい最悪な気分にさせられるSCPでした。

…という話を先日元カノと焼肉に行った時にしながら、「こういう事の積み重ねで僕はフラれたんだろうな」と思いました。
みんなもデート中に最悪な気分になる話をする男とは付き合わないように気をつけてください。

それではおやすみなさい。

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