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お墓へ

実家に帰省した時、父とお墓に飛行機乗りのご先祖様の没年を調べに行きました。
私が幼少期からお墓参りしていた実家のお墓には大きなお墓が3つ並んでいますが、その内ひとつはご先祖様自身が建てたお墓だと初めて知りました。

お墓を調べると大正時代にお子さんふたりが1歳で亡くなっていることと、奥さんが33歳で亡くなっていることは分かりました。
しかし、そこに飛行機乗りのご先祖様自身の没年の情報は刻まれていません。

お墓を建てたのが1930年(昭和5年)で、そのときの陸軍航空兵としての位も刻まれていました。
父が昔近所の人から聞いた話では、ご先祖様は一時は将校となり、部下がお迎えに来るなど地元ではわりと有名な人だったそうだと話してくれました。
お墓を建てた時、同時にお墓の門柱を寄付したようで、そこに私の曽祖父と曽祖父の弟である飛行機乗りご先祖様の名前が刻まれています。
当時、私の曽祖父は気前の良い方で近所の方に土地や物を無償であげ、祖父の代には多額の借金を抱えたと聞いていたので当時の関係を少し心配していましたが、名前を並んで刻むくらいならば仲の良い兄弟だったことも伺えて安心しました。

飛行機乗りのご先祖様のお兄さん(私の曽祖父)は、1957年(昭和32年)まで生きていたことが分かりました。父は曽祖父との記憶はあるようですが、曽祖父の弟である飛行機乗りのご先祖様に会った記憶はないとのことです。父が生まれる前に亡くなられたのかもしれません。

お墓を調べることで当初の目的である飛行機のご先祖様の没年は分かりませんでしたが、
1910年の初飛行ののち、1930年までの少なくとも20年は真面目に働き陸軍航空兵としての位は少しずつ上がっていったこと、そしてその間に幼いお子さん2人と、若くして奥さんが亡くなられたことが分かりました。

私の祖父の弟さんのお子さんも4歳で亡くなられています。祖父の兄弟も幼くしてふたり亡くなっています。
話はそれますが、明治期になると異様な子だくさんで、幼いままなくなる子供が多いです。「栄養不足だった」と親は言いますが、果たしてそうなのでしょうか。明治以前はここまで子だくさんではなかったという情報もあります。

飛行機乗りのご先祖様の没年が分からないことも気になりました。戦争で日本の航空拠点の多くは狙われているので戦時下で亡くなった可能性や、軍の中で何かあった可能性も否めません。
インターネットで調べてもご先祖様の情報は何も出てきませんが、私の地元には確かに彼の名前が刻まれていたり、プロペラが残されていたりと、ヒントは残されています。

将校とは

飛行機乗りのご先祖様は一時将校だったとのことですが、将校とはどのような仕事をするのか調べました。

軍隊における指揮官の階級。国によって呼び方は違うが,尉官,佐官,将官の3段階に大別される。軍の中核として部隊を指揮するように訓練されているが,部隊の指揮のほかにいろいろ重要な任務がある。平時ではほとんど大部分が職業軍人である。近代的な将校制度が確立したのは,フランス革命に伴って生れた国民軍による。現在では将校の採用には各国ともに特定の身分や階層からではなく,広く一般国民のなかから採用している。採用には年齢と健康上の制限があり,試験,検査を受け,合格した者が各軍学校で教育を受け,養成される。また下士官から進級する道も開かれているが,この場合も試験と所定の教育を受けるのが通例である。
広義には少尉以上の軍人を意味する士官の類義語、狭義には軍隊において主に兵科に属し部隊指揮官としての任にある士官を指す。
引用
軍隊の中で指揮官クラスの階級を持つ軍人に対する総称。
階級で言うと少尉以上を指す。よって「士官の類義語」といわれる事もある。厳密には兵科将校を指し、技術将校などは将校相当官とされることも多い。細かく分ける場合尉官クラスを下級将校、佐官以上を高級将校とも呼ぶ。また、旧日本軍では、陸軍は将校、海軍は士官、という呼称の分け方もされていた。
大日本帝国においては、将校(特に陸軍将校)は一般人から「将校さん」と通称され、結構親しまれていたようである。
引用

広義には少尉以上の軍人を意味する士官の類義語、狭義には軍隊において主に兵科に属し部隊指揮官としての任にある士官を指す、と書かれています。

しかし、父から最初に聞いた話ではご先祖様は「飛行機の整備士だった」ということでした。
調べていくうちに若い頃は初飛行を目指した「飛行機の設計者・研究者」であることが分かりましたが、長年真面目に働き陸軍将校となり、その後何かあったのか戦時下では整備士をしていたということでしょうか。
純粋に飛行機を飛ばしたいという思い、ご先祖様の初飛行の記録は残っていないこと、そして飛行機が戦争に利用され、軍に利用され、家族は失い、実家は借金を抱え…彼の人生を考えるとあまり良いイメージはありませんでしたが、それを確信する新たな情報を得ることができました。
飛行機が飛ぶ真実を明らかにしたい、彼が残してくれた情報をヒントに、引き続き情報収集していきたいと思います。

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