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【3日目・宮崎】桃源郷

ついに最終日。大分の格安ホテルで朝を迎える。
格安ホテルというだけあって、壁は激薄。隣の人のいびきで起床する。

テレビがついていないので、備え付けのPCでYouTubeを見ながら朝の身支度を済ます。

午前7時前。ホテルの目の前の大分駅から、宮崎県に向けて発つ。ここが本当に大移動で、特急でもなんと3時間近くの時間を要する。

とりたててすることもないので、
車窓から景色を眺めながら、大分での出来事に思いを馳せる。(耳には前日消化不良となったマヂラブann0やコウテイのギガルデオを垂れ流す)

大分の見渡す限りの山々。
果てしなく続く何もない空間。
でもそんな所には間違いなく人の住んでいる足跡があって。きっと強く逞しく健やかに生きているのだろう。
こんなに日本に住んでいるのに、まだまだホントに未知のところだらけだな。

そんなことをぼやっと考えつつも、本当に何もすることがないから、耳から流れるラジオに意識を向ける。

日常生活をしていたら、ラジオはどうしてもながら聴きになってしまうので、ラジオだけに集中出来る時間は相当贅沢な時間の使い方だ。
暇で退屈なんてことはなく、この暇さをありがたがりながら開放的なひと時を過ごした。

午前10時すぎ。ついに宮崎駅に到着する。

1歩、駅から踏み出すと天国のような光景が広がる。
脳がくらりと揺れる。

昔ながらのレトロな街並みの中に、南国育ちの高木がミックスされた様子は、最高の落ち着きと居心地の良さを感じさせる。
新参者の僕にさえ、まるで自分がずっとこの街に住んでいたかのような錯覚を覚えさせる。

南方にある県ということで、差し込む日差しはあたたかで、この街の優しさに包み込まれている気分だ。

早速宮崎県庁を眺めながら、高鍋市発祥の高鍋餃子をいただく。レンガ造りの県庁の周りには大きな木が生えていて、独特の存在感を醸す。街のいたる所にベンチが配備されていて、人々が憩える街づくりからも宮崎の温かさを感じる。
そら、優しい人だらけになるわね。宮崎訛りの方言がすごくあったかくて心地良い。

食後、ふらふらと街を歩く。自然・景観・街並み・声をかけてくれる地元の人…全てが感性にぶっ刺さり、ここにいるだけでほっこりとした気持ちで満たされる。本当に素敵以外の何ものでもない街。

名産のチーズ饅頭なんかを食べつつ、物産館のKONNEに到着。宮崎の物産のほとんどが揃う、非常に品ぞろえの良い土産屋。東京には進出しているようだが、大阪には意外に店舗がないようで。
ここでしか買えないものを買っておきたい。

結局ここでは、
・高千穂峡つゆ
・地鶏
・宮崎の日本酒
を購入する。どれも地元の色が濃く出た、ここだけの特産品。

12時。『おぐら』に到着。チキン南蛮の非常に有名な地元の定食屋で、気取らないレトロさと大衆向けの雰囲気が素敵。

これが本場のチキン南蛮…
唐揚げにタルタルをつけている、その他のチキン南蛮とは一線を画す。
甘辛いタレに漬け込まれた鶏肉はどちらかというとしっとり。
しつこすぎず、ジューシーであり食べ応えが抜群。
そんな1枚の鶏肉をナイフで切りながら、濃厚なタルタルソースに付けもって食べるのが宮崎流。

タルタルソースが包むチキンは非常にまろやかで、喧嘩し合わず完璧な調和を生み出す。食欲を増進させる風味のおかげで、飽きることなく最後まで美味しくいただける。

大大大満足のまま、宮崎空港へ移動する。この桃源郷とも別れの時が近づいてきた(優雅に書いてあるが、この間に移動ミスがあり、10kgの荷物を背負いながら3kmの道のりを20分で走破したことは内緒)。

宮崎の地元のドリンク、ヨーグルッペを飛行機で飲みながら大阪に帰る。
宮崎の良いところ(ソースは岩倉美里)を半日にギュッとしたような1日だったが、どんだけ良い街なんだよここ。凄まじいポテンシャルだな。

ホントに何日でもいれそう。ていうか住みたいまである。
またゆっくり時間とって来ますね。

午後6時、帰阪。
まだまだ知らない日本の良さや人の温かさ・ありがたみを知れた3日間だった。極めて贅沢に満喫させてもらった。

まだまだ未知の世界を拓いていきたい。また、自由気ままな旅で。

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