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ブルジョア①

大昔
前の席のMさんから、某飲食店のチケット
あげるからライブに来ない?と誘われた。
当時1人暮らしをしたばかりで漫画読むくらいしか
用事のない私(今と変わらず)、無言でうなずく
(今と変わらず)。

「あのねー?私はバンドやってて、ジョーン・ジェットのコピーやってて。」
Mさんはガールズバンドを組んでて
下着姿でステージに出るという。
「ランナウェイズ👀?」
「いや!下着は!今だけだから!軌道のったら
服着るよ!てか下着じゃなくてランジェリーな!!ジョーン・ジェットな!」
そんな会話をした。
義理を果たすぴょこリーヌ。飲食店のチケット
ももらい、ライブを見に行く。

うん、ランナウェイズ。
チェリー🍒ボムかっこよかった。

「今日は来てくれてありがとう😊
趣味かどうかはわかんないけど、ライブのチケットあげる。よかったら行って」とMさん。

それが、デル・ジベットのライブのチケット
だったのだ。
ISSAYは私の読んでる耽美派雑誌に登場
していて、王子様みたいだった。パントマイムやってる記事は見たけど、バンドもやるのか。

ISSAY。
この人の視界に入るかもしれない。
この喪女を彼の視界に入れてもいいのか。
よく考えて見て欲しい。ライブの場所は
今日のこの場所、狭い。

…スライダーズのライブに着てった服は
ダメだ。
デル・ジベットにはダメだ。
こうしちゃいられない。

服買おう。 
もはや革命軍の先頭に立つ私。
聖闘士星矢の聖衣くらいの勢いで
一万円を掴んで部屋を出た。


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