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カルディアンオーダーと人間の生活


カルディアンオーダーって?

いきなり本題から。
伝統的占星術における、基本中の基本。
それは『カルディアンオーダー (Chealdean order)』
「カルディア人の知恵」と言われるように、古代オリエント・新バビロニア王国を建設したカルディア人は、天文学や占星術に長けていました。
その彼らにちなんで名付けられたとのこと。

とりあえずまず書いておきます。
土星♄⇒木星♃⇒火星♂⇒太陽⦿⇒金星♀⇒水星☿⇒月☽
です。

なんのこっちゃなんですが、これは
「公転周期が長い順番」=「地球から見て、ゆっくり進んでいる順番」
なのです。

これが基本なのよ!覚えましょう!

と言われても、
「すいきんちかもくど(ってんかいめい)」
に近いけど、違う~!
「月火水木金土日」
でもない~!

でもとりあえず覚える。
いちばん納得がいくのは、逆からチェック法。

福本基『基礎からわかる 伝統的占星術』より引用

自分が立っているところが地球。
すぐ見えるのが

で、太陽系の惑星の順番(太陽に近い順)で行くと
水星
金星
でもってここで
太陽 登場。
(地球と入れ替わったと思えばOK!)

そしてまた太陽系の惑星順に
火星
木星
土星

一丁あがり!

プトレマイオス(トレミー)・システム

素敵やん。


曜日のナゾ

それでね、カルディアンオーダーはいわゆる「曜日」を決めるもとになったもの。

あれ?
あれれ?

順番が…違~う!!!

またしても謎。

じゃあ、ちょっとこれを見てくださいな。

カルディアンオーダー関係図

おお!これは分かりやすい♬
なるほど、一筆書きでいけばいいのね。
土星さんスタートにすると、

ふむふむ。

でもなぜ、曜日はこの順番になっているのか?
というと、秘密は「惑星時間(Planetary Hours)」にあります。
そうなんです、カルディアンオーダーは時間にも当てはめられるのです。

「仙台市天文台」のサイトに詳しく書いてあるので、ご参考にどうぞ。


曜日と人間

さて、わたしたちの日常は曜日で動いている、と言っても過言ではないでしょう。
学校での時間割は、曜日ごとに決められていますし、

金曜日はカレーの日!とか
土曜日は手巻きの日!とか
フェイジョアーダは水曜日と土曜日!とか。

月曜日は市場へ出掛け、糸と麻を買ってきた、とか。
月月火水木金金、とか。

トゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャトゥリャリャ〜♪

枚挙にいとまがありませぬ。

個人的に、曜日と聞いて思い出すのがこの曲。
"Toy Boy" by Sinitta (1987)
懐かしき80年代。
Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday
Friday, Saturday, Sunday night
と歌詞に出てきます。


肉眼で見える惑星さん・彼方のトランスサタニアン

伝統的占星術では、このカルディアンオーダーに則って、
水星・金星・火星・木星・土星 + 太陽・月
7天体のみで診断します。

現代占星術との大きな違いは、
トランスサタニアンを重視しないこと
なのです。
トランスサタニアン(trans-Saturnians)とは
天王星♅・海王星♆・冥王星♇の3天体を指します。
文字通り土星(Saturn)を超えた(trans-)ところにある惑星・準惑星です。

伝統的占星術が確立された時代、このトランスサタニアンは発見されていませんでした。
天体望遠鏡の発達に伴い、天王星(1782年)、海王星(1846年)、冥王星(1930年)と、次々に見つかりました。
現代占星術では、主に世代に影響を与える天体として診断の要素に加えられていますが、伝統的占星術は採用しない方式です。

いくら「伝統」といえども、時代に応じて変化する必然性はあるのでは?
そのような意見もあることは承知です。
でも、ここで考えたいのは
「肉眼で見えるかどうか」
です。

夜空を見上げて、目に入る数多の星々。
もちろん、可視できないところにも、天体はあります。
でも、やっぱり実際目で見て確かめられる、それが重要なのかな、と。
星に見守られ、こちらも星を仰ぎ見る。

天体観測

古より人類は、星を見て、四季を感じて、リアルな生活を送っていた…
そう考えると、トランスサタニアンさん、ちょっとあとでね!
という気持ちになるんです。
無視はしないよ、でも、ちょっと待っててね、みたいな。

いやいや、個人的感傷に浸ってしまった(笑)

伝統的占星術には先人たちの知恵が詰まっています。
ぎゅう詰め。すし詰め。🍣🍵
カルディアンオーダーのしくみを通して、温故知新の入り口に降り立ちました。


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