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嫌な感じの正体

外道照身霊波光線っ!

例えばだ、私は良くあるWeb小説仕草で「物凄く頭の良い設定の異世界転生者が」井戸に毒を入れましょうとか提言して周囲から有能扱いされる展開とかが嫌いだ。それは本来なら作家がぬぉぉぉお!と頭を悩ませ「実際に誰が見ても秀逸な作戦立てるべき」だからである。

小説や物語には多数のキャラクターが登場する。作家は各キャラの持ち味を活かして物語を組み立てて行くのだが、この際に「キャラの持ち味を活かせない」のは最悪パターン。話の筋を通す為に頭の良いキャラが突如マヌケになったり、頭の悪いキャラがいきなり頭いいこと言い出すのは創作者として未熟であるかと思う。

で、水星の魔女だが。

登場人物が全員都合良く
コミュ障

という、この世の地獄の様な設定の下に成り立っているのが12話前後で気になり出したのが嫌な感じを受け始めた原因かなと分析している。

普通はコミュニケーションが上手くない事が全ての問題の根幹にあると設定したなら、「段々と」互いにコミュニケーションの取り方学んで「改善されてゆく」様を描写するものだと思う。実際拙作のガンド天狗でも初期のスレッタはバカでタヌタヌしてる。

しかし中盤では学校での学びがきちんと役立てられる様を描写して……

ウチの話の最後の方ではスレッタが自分で考えた作戦を皆に伝えて協力を仰ぎ、プロスペラの認識を変えさせるという事をやり遂げる。

物語の構造的に「ディスコミュニケーション」が最大の難敵なんだから、最後はスレッタが周りと良好なコミュニケーションをして問題改善したら良い。その過程でキチンとミオリネの優秀設定、過去を知り受け入れていたスレッタとミオリネ(2人は2人っきりの時に「既に」粗方問題点を克服していたのである)……

別に最後を戦闘でシメる必要はない。

必要なのは物語が発生した理由の部分をクリアする事で、それがキチンと盛り上がる展開なら戦闘なんて別に要らん。こんなものは作家を目指してるクラスの人間でも108パターンの内20パターンぐらい習得してるものだろう。本作ではアホや間抜けは居ても無能は居ないし、最終的にはきちんとコミュニケーションを取って一丸となり、問題是正の為に全員が努力をする。

問題の根幹であるディスコミュニケーションを全体の3/4(全24話中18話)まで引っ張り、ビタイチ成長を描いていないのはノロマ過ぎであろう。まだ半分段階までディスコミしてて「そこから進展があれば」リカバリー出来ただろうが、この辺の心情変化を「描くとしても残り6話」では余りに遅過ぎる。視聴者は残り6話での改善を唐突である様に思うだろうし、そこで急展開したら「今までの18話って、なんだったの?」になるかと思う。
また、各キャラの真意をボカし過ぎてシナリオがバグってる。

もしプロスペラの復讐や「彼女に取って最大の目的」がエアリアルの中にいるエリクトのサルベージであるならば、プラント・クエタでスレッタに迎撃させるのは「あり得ない」 うっかりコクピットブロック撃ち抜かれたりエアリアル爆散させられたら計画が瓦解するからである。
ここは珍しくプロスペラが背中を押さずに「スレッタがこれまで通り、進めば2つ」して軽く「プロスペラの意図通りにならない(親離れの始まり)」とか「学びの結果」を出すべきかと思う。

話が逸れた。元に戻そう。
水星の魔女という作品は、割と本編展開の為に極端も過ぎる状況──全員コミュ障──を採用していて、更に話の展開の都合でキャラクターがブレまくっている。ミオリネとかあれ「天才設定されてるだけのバカ」以外に見えん。頭良かったの対グラスレー戦での作戦立案ぐらいじゃね? 18話に至ってはどう見てもバカであろう。

また、細かな描写の積み重ねで「徐々に変化していく」作劇も不得意なのだと思う。それがあるからショッキングシーンばばーん!でいきなり変化するし、振れ幅が酷くて「連続した変化が描けない」分解能としてはアニメや漫画ではなく「紙芝居」に近くないかこれ?

で、それを12話段階である程度読み取れたから2ヶ月ぐらい私も悩んだし、軌道修正に9話を要したが66話以降は構想が固まり一気に書けたんじゃないかなぁ?

方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました! ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ!