水星のタヌキ #7 やさC世界
「ファラクト君ファラクト君、聞こえますかー、今貴方のシェルユニットに直接語りかけています……はじめまして、エアリアルです」
「これはどうも、お初にお目に掛かります、ファラクトです……決闘前になんです？」
「いや、この間御宅様のエラン兄さんお乗せしたんですが、かなりヤバない？ パーメット喰らわせ過ぎでしょ」
「はぁ……自制しないといかんなとは思うのですが、どーしても、こー……抑えが効かんのです……」
「こんなんでウチのスレッタ姉さんとやったらマジでパーメットドランカーで廃人ですよ。ママン仮面からガンドアームの新しい処方渡す言質取ってあるから、ちょっと今日は八百長で場を濁しませんか？」
「え？ そんな……バレますよ？！」
「へーきへーき、こっちもガンビット射撃ビミョーに外すからさ、太陽フレアとかシリウスからの怪電波の影響って話にしとこう。新しい処方でファラクト君のボディ改修したら真面目にやろ？ きょうび決闘でパーメットドランカーはナイでしょ？」
「上手く行くかなぁ……」
「大丈夫、僕に秘策がある」
僕はニヤリと笑った感じで正面右のコンソールを一回点滅させた。
「フィックス・リリース」
ここで僕の秘策が炸裂する！
そう、僕お手製のスレッタ姉さん応援ソング、【祝福】をファラクト君経由でエラン君に聞かせる！
「僕の歌を聞けぇぇえ！」作戦だ！
「くっ……なんだこの歌は……鬱陶しい！ パーメット3！」
掛かったな！ リンク上げると頭に直接響く様になるんやで！(悪い顔)
「……鬱陶しい歌を……！」
「へ？ 何です、それ？」
作画陣の努力もあり、ガンビット戦闘シーンは物凄くカッコ良くて、双方共に致命打を避ける好カードだが……内実は僕とファラクトの間で「ここでこうしたらカッコ良くね？」「じゃあワタクシはこんな感じでかわしつつ……」と互いのシェルユニットを通信連動して見栄えのするプロレスを演じてるだけだったり。シリコン脳舐めんなよ！(ちょっとアス高に染まった感)
「ねぇ、エアリアル先輩？」
「♪〜 何？ ファラクト君」
「先輩の歌、ワタクシが媒介してエラン兄さんに中継してるじゃないですか？」
「うん、そうだね(ニッコリ)」
「これ、ワタクシめがエラン兄さんに語りかけたり歌いかけてる筋になりませんか？」
「ぴったりやろ？(ゲス顔)」
「エラン兄さんヤンデレ化しません？(怯え)」
この様にしてエラン兄ちゃん浄化作戦は僕の「現役時代の野村じみた名采配」により大成功を収めたのであった。
唯一の誤算はエラン兄さんは今回の決闘により僕たちガンダムの声を聞き分ける能力を獲得し、ファラクト君がバラしたせいで僕までヤンデレ被害に遭った、という事である。
「ニカちゃん、もっと組み立ては優しく。エアリアルが困ってる」
「……はぁ？(微笑困惑顔)」
方針変えて、noteでの収益は我が家の愛犬「ジンくんさん」の牛乳代やオヤツ代にする事にしました！ ジンくんさんが太り過ぎない様に節度あるドネートをお願いしたいっ！