期待の裏切り方
水星の魔女全体を通しての話な。
どんな話でも基本は視聴者や読者の見たい物を見せないといけない。これは創作全般で言える事だが、興味無いものお出しされても客は興味無いからスルーするんよ。最初のアクションとしてきちんとマーケティングしてウケる要素を入れないといかん訳さ。
が、期待する物をそのまま出しても皆が期待する展開……つまり王道展開や誰でも思いつく展開「だけ」だと陳腐に感じられてしまうから、何かしらの新規性を入れる必要がある。水星の魔女ではここにクリフハンガーを当て込み、更にSNSなどを確認して皆の展開予想を外しまくると言うやり方した訳だが……
やり方がアホなのである。
例えば読者がAという展開予想してる場合は概ねAだが更にそこに視聴者や読者が予想しなかったA+とかA++をやるべきで、BとかC-やったらいかんのや。度肝を抜くなら視聴者や読者が期待する方向性でありつつ「誰も考え付かなかった展開」やらないといけない。この前提が無くただただ「驚かせる」に注力したから12話辺りからグダるんよ。この辺の基本的な構造を理解してないバカ田大学卒業生は単話脚本をシリーズ中3〜4回任せる程度なら良いが、シリーズ構成させたらダメだ。
例えば今回……スレミオ結婚エンドは誰の目からも明らかだったのだから、最終話3つ手前辺りで結婚させても良かった。え?ここで?と驚きつつ、視聴者は見たい物を見せられたのにまさかこの後……とビビるであろう。そして最終話で未来の世界からスレミオの子が時を超えて助力に来る展開でもいい。最終決戦で死者が集うのはZのリスペクトのつもりなんだろうが、そこで死者しか出せないのが残念無念極まる水星の魔女の限界なのだ。それではエピゴーネンにしかならん。見たい物を見せて更に上回るという意味では福井閣下や今川監督は偉い。特にこれ↓
石破ラブラブ天驚拳は誰も思いつかんやろ……
これは完全にやられましたわ。こんな話書いて成立させる今川監督には頭を垂れて礼を尽くす所存である。
福井閣下もまあまぁ王道を通しつつ「良い意味で」期待を上回る展開出来るのは偉い。富野亡き後(悲しいが10余年以内にその日は確実に来る)にガンダムの主軸引っ張れるのは彼しかいない。
小林寛監督におかれては、正直イマイチだった本作を糧にもうちょっとマシな話が作れる様研鑽して欲しい。まだまだ40代前半だ、学び伸びる余地はある。これがベストだと思わないで欲しい。常に空を仰ぎ星を見よ。作品が終わった後だからこそ、全体見通してこれは不要、ここは補足が足らんかった……そういうものが見えるはずだ。多分本作劇場版や2期は無いが、構造見直して話を整理するのは益が多い。次はクソ脚本家引かない様にね。ナノ河内はカクヨムやなろうからやり直せ。まだあの辺のランカーの方が物語(特に長編)の作り方理解してる。
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