見出し画像

1.農家の私を馬鹿にするママ友の話

私の名前は北海 (きたうみ)あかり34歳。

農家に嫁いではや10年。旦那様は農業に情熱を注ぐ熱い人。義父母もおっとりとした優しい人たちで、可愛い娘(まつり8歳)にも恵まれ、のんびりと幸せに暮らしていました。

私の住んでいる地方都市は農家と兼業農家とサラリーマンのお宅が混在していて、なんなくグループ分けがされているような感じ。
それでも特に問題はなく、ママ友たちとも仲良く交流していました。都 今日子(みやこきょうこ)さんという新しいママ友が加わるまでは。

「あかりさん、知ってる? あすみちゃんのママの今日子さんってミヤコスーパーの社長夫人なんだって!」
情報通の農家の嫁仲間、花ちゃんがキラキラと目を輝かせながら教えてくれました。
「そういえば社長さんお亡くなりになったと聞いたけど、息子さんが後を継いだのね」
「そうそう。東京で結婚したらしいんだけどね。どーりでいつも高そうなブランド品身に付けてると思ったわ」
転入してきた娘さんのあすみちゃんがうちの娘まつりと同じクラスにならなければ、縁のなかったタイプの人だなとは思っていました。花ちゃんによると、どうやらすでに取り巻きができているらしいです。
私はブランド品とか全然興味がないし、正直取り巻きとかそういうのもめんどくさいので、なるべく関わらないようにしようと思っていました。ところがある日をきっかけに、今日子さんから絡まれるようになってしまったのです。

娘の通う小学校では数ヶ月に1度、保護者と一緒にお弁当を食べる会というイベントがあり、毎回母親の見栄の張り合いで、皆さん気合の入ったお弁当を作ってくるのです。
「あらぁ…なんだか地味なお弁当ねぇ」
突然今日子さんから私と娘に向かって投げかけられた言葉は、ちょっと失礼なものでした。
確かに家のお弁当には装飾と言えるようなものは入っていません。
けれど野菜たっぷりの肉団子に卵焼き、ほうれん草とコーンのバター炒めに、デザートは旦那さんが育てたリンゴ。娘の大好きなものばかりです。
今日子さんとあすみちゃんのお弁当はと言えば、カラフルなお弁当グッズに彩られた華やかなものでしたが、おかずはほぼ冷凍食品だという事は、主婦なら見ればわかります。

「おいしいよ?あすみちゃんも食べて みる ? 」
子どもなりに気を使ったのか、にっこり笑ってまつりが肉団子をすすめながらそう言いました。
「いいの? ありがとう。じゃあこれと交換ね」
そう言って2人はおかずを楽しそうに交換しました。
親がどうであれ娘のあすみちゃんは良い子のようでホッとしました。
ところが…!
「わーこれすごくおいしい!チンってしたやつよりずっとおいしいよ!ねえママ!うちも作って!」
あすみちゃんの一言でその場の空気が凍ってしまったのです。
周囲から聞こえる小さな笑い声。真っ赤になった今日子さん。
「冷凍食品おいしいですよね。最近すごく進化してるし」
思わずフォローしたつもりなのですが、それがかえって今日子さんの逆鱗に触れてしまったみたいで、すごい目で私を睨み、
「うちの子がお腹を壊したら責任とってもらいますからね!」
と、理不尽なことを言ってくるのでした。

それからと言うもの、頻繁に小さな嫌がらせをされるようになりました。
取り巻きと思われるママ友に話しかけても無視されたり、私をのけ者にしてLINEグループを作り、あることないこと噂をしたり。
「いつも貧乏くさいボロボロの服ねw」
聞こえよがしにそう言ってくることもありました。
確かに私はあまり服に頓着しないし、古着をリメイクして着たりするのが好きなので、ブランド物に身を包んだ社長夫人から見たら貧乏臭く見えるのかもしれません。
今日子さんの旦那さんが後を継いだスーパーはこの辺では利用客も多く、関連会社に旦那さんが勤めている人もいれば、地場野菜として作った野菜を販売してもらっている農家さんや、そのスーパーでパートをしているママ友もいて、社長夫人には逆らえないという雰囲気が出来上がっていました。
今日子さんの取り巻きは、主なメンバーがサラリーマンの奥さんたちとスーパーミヤコでパートをしている奥さんたちです。

「あそこでパートしてるお取り巻きの人に聞いたんだけどね、今日子さんしょっちゅう自宅でお茶会やってるらしいよ。話題は主に今日子さんの自慢話と東京の話だって」
特に頼んではいないのだけれど、情報通の花ちゃんがそう教えてくれました。「正直お取り巻きの人たちもちょっとうんざりしてるみたいなんだけど…あのスーパーでパートしてる人たちは特にね。でも結構マメにプレゼントなんかもくれるらしいの。お茶会のお菓子は東京の有名店から取り寄せたスイーツだったりね」
「なるほどねぇ。そんなのでチヤホヤされて嬉しいのかしら」
「地元から出たことのないサラリーマンの奥さんもいるからね。憧れとかもあるんじゃない? 今日子さんって田舎と農家見下してるじゃん。私のこともね、話しかけても軽くスルーするからムカつくわ」
どうやら花ちゃんも、今日子さんにはかなり腹を立てている様子。
「でもね、あかりさんは気をつけた方がいいよ。こないだのお弁当の件かなり根に持ってるみたいだし」
「そうは言っても、何ができるわけでもないでしょ。無視が1番よ」
「まあねぇ。でもあの時お取り巻き人たちもクスクス笑ってたの。やっぱり今日子さんよく思われてないんだわ」
「花ちゃんたら。よく見てるわね」
実際嫌がらせといっても無視していれば済むようなくだらない事だったので、私は大して気にはしていませんでした。

とある日曜日、私は主人の三郎さんと娘の3人で買い物に出かけました。
妻の私が言うのもなんですが、三郎さんは身長185cmの細マッチョで、なかなかのイケメンです。
訪れたのはミヤコスーパー。今日子さんに対するモヤモヤした気持ちはあるけれど、以前から利用していたスーパーを避けるのも何か違うと思って、普通に買い物に来たのです。
「あら。北海さん」
そう声をかけられて振り向くと、そこにはブランド品に身を包んだ今日子さんが立っていました。
「うちのお店を利用してくださってありがとう」
全然そんなこと思っていない口ぶりで、相変わらず私の服装を品定めするようにジロジロと見てきます。
内心「このダメージジーンズ結構高いんだけどな…」と思いながら、
「いえ。以前からよく利用してるので」
と返しました。今日子さんの私に対する嫌な態度なんて全然気にしてませんよと伝えたかったのですが、多分伝わってなかったと思います。

その時、娘にねだられてお菓子コーナーに行っていた三郎さんが戻ってきました。希望のお菓子を3つもカゴに入れて嬉しそうな娘。3つは多いと思ったけれど、娘に甘いパパが許してしまっているので仕方ありません。
「あ。あすみちゃんのママだ。こんにちは」
あんなことがあったのに、ニコニコと挨拶をする我が子を褒めてあげたくなりました。
それに比べて、挨拶された今日子さんは娘に挨拶を返すわけでもなく、
「こちら旦那さん? 」
と、言ってきたのです。
「はい。妻と娘がお世話になってます」
全然お世話になんてなっていないのですが、爽やかな笑顔でニコっと笑って挨拶する三郎さんに、
「都 今日子さん。このスーパーの奥さんなのよ」
と、変な日本語で紹介してしまいました。
「あー。それは…どうりで高そうな格好してると思った」
三郎さんは少し天然が入っているので、褒めてるのか馬鹿にしてるのか判断がつかないことを言ったりするのです。
でもなぜか今日子さんは少し頬を赤らめて、
「いえ…そんな…」
と言って、そそくさとその場を立ち去ったのでした。
「変な人だね。あかりが挨拶してるのに返してくれないし。ブランドも身に付ければいいってもんじゃないよな」
どうやら夫にもあまりいい印象を与えなかったようです。

この時の話を花ちゃんにしたら爆笑されました。
「あかりさん。それはねイケメンパワーだよ」
「え? そうなの? 」
「そうだよ。ご主人イケメンだもん。スタイルもパーフェクトだし」
そう言われて悪い気はしません。むしろとても嬉しいです。
「だってね、今日子さんのご主人ってかなり年上らしいの。多分一回りは上だと思う。髪の毛が薄くなったとか太る一方だとか愚痴ってたらしいよ」
さすが情報通の花ちゃんです。
「でもそれでわかったかも…。最近今日子さんのお取り巻きLINEで、あかりさんが不倫してるとか言われてるらしいの」
これには ビックリ しました 。 どこから そんな 話 が ?
「イケメンの旦那さんが羨ましかったんじゃない? 悪い噂を流して、夫婦仲が悪くなればいいとか思ったんじゃないの? 」
これには私も心底ゲンナリしました。本当にくだらないです。
多分見下していた貧乏くさい私に、イケメンの旦那がいることがよっぽど悔しかったんでしょう。

「このままにしといていいの? 」
と、さすがに少し心配そうに花ちゃんが言いました。
「まぁお取り巻LINEであれこれ言われるくらいなら実害もないし…実際何か言ったらさらにめんどくさいことになりそうだし…ママ友なんてずっとお付き合いするわけでもないしね」
私がそう言うと、
「やだ!そんなこと言わないで。私はママ友じゃなくて、あかりさんの友達だと思ってるから!」
そうです。花ちゃんは最初から私のことを「まつりちゃんママ」とは呼ばず「あかりさん。花です。花ちゃんて呼んでね」と言ってくれたのです。
「何かあったら力になるから。農家の嫁パワーをなめんなよ!」
そう言って花ちゃんは帰っていきました。
くだらない不愉快な話も聞いたけれど、それ以上に元気をもらって、これからも今日子さんの事は全力でスルーしていこうと思ったのでした。

しかし、ある時どうしても許せない事件が起きてしまったのです。
その日、娘のまつりが学校から帰ってくるなり泣き出しました。
きっと家まで我慢していたのでしょう。玄関のドアを閉めるなり大粒の涙をポロポロこぼし、
「ママ!みんながまつりのお誕生日会来たくないって…」
まつりは、来月自宅にお友達を呼んでお誕生日会をするのをとても楽しみにしていました。
手作りの招待状を作り、仲の良いお友達に渡して「みんな楽しみにしてるって♪」と嬉しそうに言っていたのです。
まさかとは思いましたが、思い当たる節と言えば今日子さんしかいません。
「それでね。仲良しの子たちが、お母さんからまつりちゃんと遊んじゃダメって言われたっていうの。まつりなにか悪いことしたのかなあ?」
そう言って号泣する娘を抱きしめて言いました。
「まつりは何も悪い事してないよ。大丈夫、すぐにみんなとまた仲良く遊べるようになるから」

私に対するくだらない嫌がらせなら無視できても、娘に対するこんないじめのような嫌がらせは絶対許せません。まつりちゃんと遊ぶなと言われたお友達だって可哀想です。
帰宅した三郎さんに事の次第を話すと、私以上に娘溺愛の主人が激怒しました。
「なんでもっと早く言わないんだ!あかりだってずいぶん嫌な思いしてたんだろ? 」
「だって三郎さんここのところ新しいお店のことで忙しかったじゃない。私の事はいいのよ。でも…」
「ああ。子どもまで巻き込んで陰湿な嫌がらせをしてくるなんて絶対に許せないよ。何とかしてとっちめてやらないと。あのブランド女ってどういう人間なんだ? 」
そこで私は、自分の知る限りの今日子さん情報を伝えたのでした。
「なるほどな。見栄っ張りでブランド好き。しかも田舎や農家を馬鹿にしてるなんてますますムカつく女だな。あそこのスーパーの新しい社長さんはいい感じの人なんだけどなぁ」
古くからの地元密着型のスーパーなので、昔からここで農業を営んでいる人は先代からのお付き合いの人が多いのです。
三郎さんは少し考え込んだ後、
「待てよ…良い案がある。あの見栄っ張り女のくだらないプライドをへし折ってやろうぜ」
そう言ってちょっと悪い笑顔でニヤっと笑ったのでした。

LIGHT FESTA

東京青山にある最近注目のレストランです。味の濃い有機野菜が評判で、野菜ソムリエの資格を持ったシェフが季節の野菜を使って作った料理は、マスコミにも取り上げられるほど。予約待ちが3ヶ月という人気店です。
そのお店が、なんと我が町に第2号店を出すということで、一部の人の間では噂になっていました。
何を隠そうこのお店、私の旦那様の三郎さんがオーナーなのです。
数年前、うちで作る野菜に惚れ込んだシェフが、うちの野菜を使ったレストランを開きたいと頼み込んできたのです。
予算の関係もあり当初は東京のはずれの方に店を構える予定だったのですが、シェフの熱意と腕前に惚れ込んだ三郎さんが、どうせならうちが出資するから、東京の青山あたりでお店を始めたらいいんじゃないかということになったのです。これは三郎さんの英断だったと思います。
LIGHT FESTAは話題になり、そこで使用されている野菜たちも注目され、今ではネット通販も展開して大きな収益を上げています。
ちなみにネット通販事業は私が担当しているのです。

そんな事情があるので、2号店を我が町にオープンするのは不思議でもなんでもないのですが、今日子さんは不思議だったようです。
「どうしてあの店がこんな田舎に2号店を出店するのかしらっ。東京にいる時に何度かあのお店で食事したけど、本当に美味しくて素敵なお店なのよぅ。地元のセレブとしてオープニングセレモニーに招待していただいたのだけど、とても楽しみだわ……って言ってたよ」
花ちゃん…。今日子さんのものまねが完璧です。
しかもどんな手を使ったのか、お取り巻きLINEに潜入したうえ、今日子さんに対して内心快く思っていない人たちを誘い、別のLINEグループを作ってしまったのです。
「そんなの簡単よ。褒めて褒めて褒めまくっておべっかを使えば、あんな人すぐ気持ちよくなっちゃうんだから」
そうさらっと言う花ちゃん。
今回の作戦、花ちゃんが味方にいてくれて本当によかった。敵に回したら本当に恐ろしいと思います。

LIGHT FESTA 2nd

オープニングイベントは広々としたオープンテラスでスタートしました。
地元のセレブとして自分だけが招待されたと思っていた今日子さんは、クラスの子のママ友がほとんど集まっていることが不思議だったようです。
「どうせなら、クラス全員の前で反省してもらった方が今後何かといいと思うよ」
という花ちゃんの発案です。
そんな中、オーナーとして高級スポーツカーで乗り付けたのは、ハイブランドのスーツがバッチリ決まった三郎さんと、同じブランドで身を固め、品の良いジュエリーを身に付けた私。
普段はほとんどしないお化粧もバッチリです。今日は義祖父母とともにお留守番のまつりが、
「ママきれい!知らない人みたい!」
と褒めてくれましたが、逆に普段何もしてないことを少し反省してしまいました。

あまりにも別人なので、今日子さんだけでなく、最初は花ちゃん以外は誰も私だと気がつかなかったようです。
「本日はご招待いただきありがとうございます」
と、普段の私には見せたことのないような表情で今日子さんに挨拶されました。「いいえ。今日子さんにはいつも私も娘もお世話になってますもの」
と、にこやかに笑って言うと、驚いた顔をしてまじまじと私の顔を見た後、横に立っていた三郎さんを見て、ようやく気がついたみたいです。
「えっ?ちょっとあなたっ!なんでっ?!」
周囲の人たちが驚いて振り向くくらい大きな声で今日子さんが叫びました。
その声を聞きつけて、今日子さんの旦那さんが駆けつけてきました。
確かに花ちゃん情報の通り、京子さんよりかなり年上に見えますが、優しそうな旦那様です。
「あ。北海さん。このたびはお招きありがとうございます。うちの家内が 何か 失礼 を … ?」
「いいえとんでもない。ただ奥様は田舎や農家がお嫌いなようで。この土地を愛する僕たちからするととても残念に思います」
にこやかな表情の中にも静かな怒りを秘めた三郎さんの様子に、ミヤコスーパーの社長さんも気づいたようです。
その後周囲には聞こえないような小声で、
「今後奥様にはうちの妻や娘に対する嫌がらせをやめていただきたい」
そう告げると、今日子さんのご主人は青くなって、恐縮した様子で頭を何度も下げました。
そして今日子さんに向かい、厳しい口調で言いました。
「この北海さんはな、農業のIT化を進めてここいらの農家を救ってくれたんだ。お父様もお母様も古くからの農家で土地もたくさん持っている。うちのスーパーも土地を借りているんだぞ!」
ご主人に叱られた今日子さんは、今にも泣き出しそうな顔をしてうつむいていました。
「お前が東京から離れたくなかったのは知っている。それは悪いと思っているが、少し甘やかしすぎたのかもしれないな」
まさかこれが原因で離婚なんてことにはならないと思いましたが、少しだけ今日子さんが気の毒になってきました。
私としては娘のまつりが健やかに学校生活を送れればそれでいいのです。
「今日子さん。騙し討ちみたいなことをしてごめんなさい。今日の私は本当の私じゃないし、田舎者だとかブランドだとか、そんなの関係ないお付き合いがしたかったの。今日子さんは東京がいいのかもしれないけど、この町もいいところがたくさんあるのよ」
私がそう声をかけると、泣き出してしまいました。
「違うの!東京が好きなんじゃないの!私本当はここよりずっと田舎の村で生まれて、東京に憧れて上京したけど、田舎者だってバレないように必死で言葉遣い直して、馬鹿にされないようにたくさん働いてブランド物買って…」
初めて今日子さんの本当の言葉を聞いた気がしました。
「もう…バカねえ。東京なんて田舎者の集まりなんだから。田舎者ってバカにするのはほとんど地方出身の人たちよ?」
私がそう言うと、
「あかりさんて、ここの出身じゃないの?もしかして … 東京 の 人 ? 」
そう。実は私の実家は代々東京の下町に暮らす、いわゆる江戸っ子でした。
「貧乏くさい田舎者に見えたんでしょ? 旦那に惚れてここにお嫁に来たんだよ」
私が笑いながらそう言うと、
「ごめんなさい!」
そう言って頭を下げた後、涙で化粧が崩れていたけれど、今日子さんは今までで1番素敵な笑顔で笑ってくれました。

ここで唐突にプラカードを持った花ちゃん登場。
「はーい。ドッキリ大成功!!」
あっけにとられる周りの人たち。
「 えっ? えっ?」
何が何だかわからないといった反応の今日子さん。
「ごめんね。オープニングセレモニーは本当だけど、クラスのママ友親睦会も兼ねているの。他もほとんどは本当だけど、高級スポーツカーとブランド物はレンタルでした!ね? 三郎さん」
「そ。興味のないものにお金使うのもったいないし。そんな金あったらビニールハウス増やしたほうがいい」
本当に農業バカなんだから…と思いましたが、そこへ花ちゃんが、
「でもブランドスーツ姿だと3割増でかっこいいよ三郎さん!あかりさんなんて5割増で美人度アップよ!」
とツッコミを入れてきたのです。5割増しとは、普段どれだけひどいんだと少し凹んでしまいましたが、三郎さんに関しては同意です。
「マジか? じゃあこれまとめて買っちゃうか? 」
三郎さんがおどけてそう言うと、周囲のみんなから笑い声が起こりました。
なごやかな雰囲気でパーティーの始まりです。
田舎だとか東京だとか農家だとかブランドだとか、そんなの関係ない。
これからはそんなお付き合いができたらいいなと思う私なのでした。

LIGHT→あかり
FESTA→まつり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?