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『  B 』 Ⅱ

2020年1月のこと


当時
私は32歳


Bは10上の42歳


私の社内部署移動に伴い
上司になったのがB


本当に相手を思って行動する
その仕事ぶりを


徹底的に仕事をやり遂げる
その姿勢を


とても尊敬している


私がBの直属の部下になり
ご飯に行くことになった


そこから直ぐに
仕事外で
1~2ヶ月に一度
会う仲に


当時の私には
婚約者がいた

同居もしていて
お互いの両親への挨拶も済ませていた

それは
社内の皆が知るところ


当時Bに相手がいたのかどうか
それは知らない


気にはなったけど
敢えて聞かなかった


私が踏み入るところでは
ないと思ったから


それから1年が経った
2021年1月


Bが大昇進をした


私は
Bのその立場を


Bが一生懸命積み上げて
掴んだその経歴を


キズつけて
奪ってはいけない


直ぐに会わないようにしないと


と思った。


でもその時にはもう
完全にBを好きになっていた


もう会わないようにしよう


今までしてきた恋愛では
簡単に言えた


特段
悲しいこともなかった


でもBには
言えなかった


言いたくなかった


会わなくなることを考えると
とてもとても


辛い気持ちになった


初めてだった


会わないほうがイイし
そうしないとイケナイのに

言い出せない



今までの好きとは全く違う
頭と心がバラバラになってしまう好き


今までは
頭で恋をしてきていたことに


気づかされた


相手自身のことを好きかどうかより
相手の立場やバックグラウンドを見て判断


その人自身を好きになるのではなく
その人の周りにあるもの
その人に付随するもので


付き合うかどうかを判断してきていた


そして婚約を決めた判断基準も
それだった


私はよく
友人たちから相談を受けていた

と言うよりも

話を聞く感じかな。


恋愛に悩む友人たちの気持ちが
本当に分からなかった


なんでそこまで追いかけるの?
別れよって言われたら
私の魅力に気づかなかっただけって思えばイイ
スパっと忘れたらいいじゃん


内心はそう思っていた

だけど
そうじゃない


理屈じゃなくて


好きには理由がなくて
好きだから好き



ただそれだけ


それを教えてくれたのが



私が知らなかった世界を


Bの存在が



教えてくれた


心から感謝している

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