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はじめての文学フリマ

 同人誌即売会行く事は数あれど、文学フリマへ行くのは初めてである。同人誌即売会へ行くかどうか迷ったとき、欲しいサークルの本が3冊以上あるというのが1つの基準だ。だが、まさいぬさんは文学に対してはあまり読まないにわか者である。こんなにわかものがコスパの良い商業誌を差し置いて同人誌を買うとはなんだかヘンテコである。それでも知り合いの書いた本やゲイゲイしい話を求めてきてしまった。

 まずは新宿読書会のサークルへ向かう。そこにはお馴染みの3人と共同で本を出している本好きYoutuberの皆様がいらっしゃる。まぁお馴染みの3人はまさいぬさんキターってかんじであるが、他の本好きYoutuber、略してbooktuberの皆様にとりあえず動画でお見かけしておりますとご挨拶をして回った。たしかに動画は数本見ているが、盛んにコメントしてるような文学ガチ勢でもないのに挨拶するのもちょっと恐縮してしまうがまぁ初心者お断りなジャンルではないだろうし……など無駄な緊張をして購入した本にサインをいただき挙動不審に去っていくのであった。

 所変わって他の新宿読書会のお知り合いが出展しているところを覗いてみる。こちらがブースを見つける前から向こうから気づいていたようで目を合わせてきたがこちらは恥ずかしくてそらしてしまう。とりあえず立ち読みするもその間
「いい感じのお召し物ですね」
これはまさいぬさんリア充化計画の成果をほめているのだろうか、ただの社交辞令なのだろうか……
「あ、これただの超シンプル白Tシャツなのにきれいもなにも……」
「いやぁ、シンプルなのは良いことですよ」
褒めてもらえた以上、リア充化計画に対しては一定の評価をもらえたとみていいのだろうか、このユニク白Tシャツもリア充化計画の一環で読書会にいらっしゃる人生経験豊富そうな男性からおすすめされて購入したものだ。いやファッションチェックされにきたんじゃなくて本を見に来たわけで……。短編集なら読みやすそうだなということで購入。お礼はたぶん言えたと思うが、挙動不審で去っていったと思う。

 更にところ変わっておぴんくの文字が際立つ某サークル。ゲイのゲイによるゲイのための小説が読みたい、ヌキに特化してないタイプの物もたまにはよみたいよねってことで訪れた。既巻の1冊が最後の1冊だった。初めてのお立ち寄りでいきなり全冊購入というのはなにかあると思われたのか出展者に声をかけられた。
「前々から情報チェックしてくれてたんですか」
「あっ……いや……新宿読書会でお噂をきいておりましたもので」
新宿読書会というワードを出せば自分がゲイであること、本を読むネットワークに身をおいてることを一気に説明できると思ったものの伝わっただろうか。いや多分大丈夫だと思うけど。「やっぱり男女の恋愛者より男同士のあれこれのほうが読んでておちんちんに響くんです」とか言ったほうが盛り上がっただろうか。いや失笑されただろうか。そんなこんなでまたしても挙動不審に退散した気がする。

 あとはまぁ色々立ち読みして、見本誌コーナーで色々見て初めての文学フリマを見終わったわけだが、このサークルコミティアにあったな、このサークルはコミケの評論ジャンルのところで見かけたぞみたいなこともあって、初体験ながら過去の経験をある程度活かした巡回ができた……と思う。

 文学フリマじゃなければ、同人誌即売会なんて50回くらい行っている。でもこちらが一般参加者の場合、出展者に声をかけてどのくらい話し込んで大丈夫なのかがいまだによくわからない。長時間話し込んで場を塞いでしまっても次の購入者とかに迷惑だろうし……。あと今回はなかったもののこっちがお友達だと思ってる気持ちも一方的何じゃないのかとかおもって挨拶ためらってしまったことも過去の同人イベントではあったりしたので、交流の加減が未だにわからない。

 読書会で結構調子乗って色々語れるようになったものの、コミュニケーション力はまだまだ改善の余地まみれのようだ。



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