「ノドが渇いた」はもう脱水!すぐ出来る脱水の評価方法3つ

皆さんは1日につき水分をどれくらい取っているでしょうか??

私はたまに頭が痛くなるのですが、痛くなった時にいつも思うことは「あ、そういえば水分取ってないや」ってことです。

「元気がなかったら脱水を疑え」という言葉もあります。

これから暑くなる季節、しっかりと脱水について学んでおきましょう!!


・脱水の3つの種類と重症度
・リハビリ職でもすぐに出来る3つの検査法+α
・高齢者が脱水になりやすい4つの理由
・1日に身体から出ていく水分量と摂取すべき水分量
・おまけ:生命にNaがなぜ必要になったのか?


【 脱水って? 】 


脱水とは、なんらかの原因で体液量(水と電解質)が減少している状態です。

うん、これだけなんです。(笑)


【 脱水の種類 】 


・高張性脱水(水欠乏性脱水)
・等張性脱水(混合性脱水)
・低張性脱水(Na欠乏性脱水)

この3つに分けられます。

Naというのは俗に言う塩分ですね!
最近では脱水の時は「水」だけではなく「塩」も必要と言われているのでご存知の方も多いと思います( ´ ▽ ` )ノ

なぜNaと水が人の身体で重要かと言うとですね…って、これは、あとで書きますっ(笑)

では…

はいっ!

特徴と種類をまとめるとこれです!

そして、もう1つ!

重症度と症状です。

まぁ、なんやかんや言うても臨床上は程度の差こそあれ全部混合性脱水だと言われております!

そして注目すべきは「口渇感」すなわち「のどが渇いた!」という感覚は既に脱水なんだということです。


【 脱水の評価 】 


私が伝えたいのはここです!

リハでも出来る脱水の評価項目です!!

とりあえず、問診、視診、触診、聴診、計測が大事です!

とくに皮膚・口腔内の状態、水分出納のバランス、体重、バイタルサインの測定は重要となります( ´ ▽ ` )ノ


そして、脱水特有の検査が下の3つ。


①ハンカチーフ兆候 

方法 → 手背、前腕、上腕、大腿の伸筋側で、皮膚を5本の指でしっかりつまんでから離す。

結果 → 皮膚のしわはすぐ戻るのが正常。ゆっくりと広がる場合には脱水を疑う。だいたい2秒以上かかったら脱水の疑いと言われています。

意味わかりました?
皮膚をつまんで引っ張って離すだけです。
そんで引っ張った時の皮膚の状態からすぐ元に戻らなければ脱水の疑いです。

これさ、曖昧じゃないですか??

そーなんですよ(笑)
まぁ、何人かにやってるとなんとなーく「アレ?戻りが遅くない?」って思うようになってくるんですよ!!

これだけで脱水とは判断できないので他の所見と組み合わせて使ってください。 

ちなみに皮膚の緊張度のことをツルゴール(turgor)といいます。ツルゴールの低下を診ているのがこの検査法です。

あとですね、高齢者の方にこのテストをやるとだいたい脱水疑いです。下記に高齢者が脱水になりやすい理由も書いてありますが、脱水は本当に多いと思います。


②毛細血管再充満時間(capillary refilling time:CRT) 

方法 → 手を心臓の高さにして中指爪の背側を 5 秒圧迫し、色調が元にもどるまでの時間を測定する。

結果 → 基準値(小児・成人男性:2 秒 成人女性:3 秒 高齢者:4 秒)を超えるようであれば脱水を疑う。

しかしですね、この基準値が実に曖昧なんです!!!

人によって言ってることバラバラで…でもですね、何人かにやってると「あ、遅いなー」とか思うようになります(笑)

あと自分でひたすらやっていると「しばらく水飲んでないなー」とか「のど渇いたなー」って時にやるとやっぱり遅いです。

これだけで脱水とは判断できないので他の所見と組み合わせて使ってください。 


③体位によるバイタルサインの変動 

方法 → 2分間臥位とした後、1分間立位となり、血圧・脈拍を測定する。

結果 → 以下の場合は脱水を疑う。
・臥位時の頻脈:100/min 以上
・臥位時低血圧:95mmHg 以下
・起立に伴う脈拍の上昇:>30/min
・激しい眩暈

これは逆にしっかり決まってますね。でも、2分間寝かせてから1分立たせるとかなかなか現実的では行わそうな検査方法(笑)

そして、他の要因もいっぱい考えられてしまう検査結果…まぁ、**これだけでは脱水と判断できないので他の検査と組み合わせて使ってくださいね(笑) **

上にさらっと書きましたが、水分摂取状況の問診や口腔内の乾燥具合の視診は凄く重要かと思います。


パッと出来るものとしてハンカチーフ兆候毛細血管再充満時間、そこに口腔内の乾燥状態問診(水を飲んだか)を組み合わせるのが手軽でいいんじゃないかと今のところ思っています。


【 高齢者が何故脱水になりやすい4つの理由 】 


1.総水分量の減少 

老年者では総水分量が減少しています。一般成人が55〜65%なのに対して高齢者は50〜55%と言われてますね!

これは、細胞内液量の減少による(細胞外液は不変)ものです。

細胞内液の貯蔵庫である筋肉量が減少し、脂肪量が増加する為に生じると言われてます。
ってことは男性よりも女性の方が筋肉量が少ないので脱水になりやすいですね!

そして、運動習慣は脱水予防になるんですねー!!

あっ

ちなみに、汗ってしょっぱいじゃないですか?

つまりNaが出てるってことです。

んで、汗をかき慣れているとNaの含有量が減るんですよ!!

同じ量の汗をかいても汗をかき慣れているかそうでないかで電解質の喪失量は違うんですね。

この点から考えても運動習慣がなく汗もかき慣れていない人が急に夏に汗をかいたら脱水になりやすいです。

やはり、運動習慣は脱水の予防になり得るんですね!!


2.尿濃縮力の低下 

腎機能の低下とともに、尿濃縮力も低下します。

尿を濃縮できないってことは、水分の再吸収ができないってことです。

ってことは、薄い尿がいっぱい出るってことです。

体に蓄えておける水分量が少ない上に水分がすぐ出ていってしまうってことです!

つまり、こまめに水分取らなきゃいけないですね!!

ちなみに、若年者だと1日に体内の老廃物を排泄するために最低 500ml の尿が必要とされています。
しかし、高齢者だと尿濃縮力低下のため最低 650ml が必要と言われているようです。


3.口渇感の低下 

加齢とともに渇中枢機能の低下が生じ、口渇感の低下が生じます。

これに加えて脳血管疾患や日常生活動作の障害、認知症の合併によって、いっそう水分摂取が少なくなる傾向があるとのことです。

身体に蓄えておける水分量が少ない上に、水分はすぐ出ていっちゃうし、水分が足りないという自覚症状も減っちゃうんですね( ;´Д`)


4.水分摂取の抑制 

「トイレに行くのが大変だから」

「夜中にトイレで目覚めないように」

って、水分摂取を抑制している方が見受けられますね。これは、脱水症になる危険性を大幅に高めます!!!

体内に蓄えておける水分量は減っちゃうし

体内から水分は出て行きやすくなっちゃうし

水分が足りないって自覚しづらくなるし

水分をギリギリまで取らなくなるんです。

もう、脱水に成るべくして生まれてきた!みたいになってます( ;´Д`)

あ、でもですね、若い人でもすぐ脱水になりますよ!

喉が渇いたら、既に脱水です!!

水分を摂りましょう♪


【身体から出ていく水分と摂取すべき水分量】

in-outバランスとか水分出納とか言われますね!

人の1日のうちの水分の出入り具合です。ここから一日のうちに必要な水分摂取量が出てきます!!

「out」が出ていく水分量です。

不感蒸泄というのは呼吸したり生きていく上で勝手に出ていく水分です。

「in」が得られる水分量です。

代謝水というのは人が代謝していく上で副産物として出てくる水分です。

ちなみに3食しっかり食べていてだいたいこのくらい!という計算です。ご飯にスープものがなかったりすればもちろん飲料として摂取すべき量は変わります。


ここだけ見ても1日に1200mlの水分摂取をしていないと脱水になる確率が高いですよね。

その人の体調や筋肉量、食事量やその日の気温や湿度など色々な要素が関わってくるので一概には言えませんが少なくとも1日に1000ml~1500mlくらいは水分摂取したほうがいいんじゃないかと考えています。


【生命に何故 Naが必要になったのか? 】 


海ってしょっぱいですね。Naいっぱいです。

私たちは海から陸に上がってきたわけです。

しかし、私たちの細胞は海の中では乾燥しませんが、陸にあがってしまうとカラカラに乾いて今います。陸に上がるということは乾燥との戦いが始まるということでもあったのです。

そのため、細胞をまもるために細胞の外側に海と同じ成分をまとうようになったのです。

それが細胞外液となったんですね!

そのため、太古の海のNa濃度と細胞外液のNa濃度はほぼ同じと言われています!!

ちゃんちゃん( ´ ▽ ` )ノ


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