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蔵書紹介:『Guignols et marionnettes : leur histoire』(1911年)

Guignols et marionnettes : leur histoire
J. M. Petite  Librairie Felix Juven 1911

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『ギニョールとマリオネット その歴史』は、1911年刊だからちょうど190年前の本。
 1911年は明治44年で、帝国劇場が開場し、大逆事件もあった、何よりも明治時代終焉の年。

 ギニョ―ルとマリオネットがどう違うのかといえば、直訳的には「片手遣い人形と糸操り人形」だが、マリオネットは糸操りだけでなく、人形劇の代名詞でもあるから、「人形劇と人形芝居」といった方が日本語のイメージとしては近いかもしれない。
 「その歴史」だから、古代エジプト、ギリシャ、ローマ、から人形劇の歴史を紐解き、ポリシネラを筆頭に各国の人形キャラクタ―を紹介し、中国まで遠征して締めくくった、220頁の大冊。

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 本の厚みの部分を指す、天(本の上)、小口(本の背裏)、地(本の底)という本の3方は金色に輝いているが、小口等を金彩で飾るのは、本来は虫除けで、金は虫を寄せ付けないといわれているからだが、もちろん豪華な見栄えもある。日本でも昭和時代まではつかわれて高級・豪華本としてのイメージがあった。
 近年までもいくつかの復刻版が出ているほどにフランス人形劇史の定番なのであろう。

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