自転から公転へ

自転から公転に切り替わった気がした。

「手元じゃなくて、3m先に文字を書きなさい」と
先生に言われた時に。


遠くで作業しようとすると、遠くに力を働かせる必要がでてくる。

遠くに力を働かせようとすると、わかるんだ。

張りのある身体でないと、それができないということが。


手元で作業している時って
自分がクルクル回っているだけ
なんだかそんな感じがするの。

自分が小さな回転を起こしている
ただそれだけなんだ。

なんとなくだけど、自分は回転の外にいる気がしてしまう。

遠くで作業しようとすると、
自分が回されていく。

大きな回転の一部になる。

回転の内にいる感覚がする。

自転から公転に切り替わり
「動かす」が「動かされる」に変容する。


翌日の人形劇の公演

人形を遣う時は、目線の線が相手をさす感覚で遣っているのだけど

その線が、相手の更に先、3m先まで到達している感覚で遣ってみた。


動きがパカパカしなくなった。

台詞の質感が変わった。

浅いところをカリカリひっかくような台詞から
深いところをグイッとえぐるような台詞に。


私は、心の中で先生に「ありがとう」と言った。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?