蝶は羽ばたこうとしている

かやの会で、先生が蝶形骨の話にふれてくださった。

へえ〜、顔の中に蝶々がいるんですか〜

私達は、手をあてて、蝶の気配に耳を澄ませた。


蝶の動きを感じとろうとしていたら、
首の後ろがゆるまった。

なんか肩の荷がおりた感じ?
食いしばりもほどけたみたい。

ゆるんだ時に、はじめて無駄な力が入っていた事に
気づく。

常に力が入っている状態で過ごしていると、
自分じゃなかなか気づけないんだ。


(ここ、ガッチガチに固めてたわ)

ゆるまると気持ちがいいなあ

上機嫌で眠りについた。


翌々日、車の運転をしながら

あれ?って思った。

速いのよ、情報があがってくる速度が いつもより。


渡りたそうな歩行者がいるな、とか
お鼻突き出して合流したそうな車がいるぞ、とか

周囲の情報がパッパパッパ入ってくるの。

普段だって注意して運転してるよ。

でも今日は、なんていうか
目を凝らしてなくても情報が入ってくるの。

なんかさ、野球の守備範囲が広がっちゃったみたいな気分だった。


(蝶が羽を広げたからからなのかな?)

ウィンカーを出しながら、そう思った。


きっと蝶は、いつも羽ばたこうとしていたんだろう。

私は、その羽ばたきを
いつもいつも押さえつけていたんだ。

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