自由に動ける幸せ

構造動作トレーニングの帰り、先輩と駅まで歩いた。

「今日は踵と脛が断線しているのが、わかりました」

とか、楽しくおしゃべりしながら。


先輩は、おそらく私の母よりも歳上で、
でも、足取り軽く歩いている。

多分、先輩の年代で、こういう歩きしている人は
少ないと思う。

「本当に、自分の好きなところに行けるって幸せよ」

先輩は おっしゃっていた。


そうだろうな。

高齢になると、あそこが痛い、どこが痛いって
どんどん動かなくなって、

ズンズン行動範囲が狭まっていく。

本当に動けなくなると、こういう講座に参加して
なんとかしようとすることすらできなくなる。


身近にも 歩くのに不便を感じてきている人がいて、
この講座をお勧めしたことはあるけど、来てもらえなかったな。

最近、ますます歩けなくなってきているみたい。

来てほしいな。来ないけど。

「よかったら、車で連れて行きますよ」って
言ったけど断られたもんな。

このまま、歩けなくなっていくのを見守ることしか
できないのかな。


「動作術の先生と構造動作トレーニングの先生には
お金で換算できないものを頂いているわ」

そう言いながら 颯爽と歩く先輩の隣で

私は、切ない気持ちをかみしめていた。







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