シフォンケーキを卒業せよ

「何やらせるんですか〜っっっ!!」

心の中で叫んだよ。

「肘の下にあてがわれた木刀を軽く押してください」と先生に言われた時に。

だってさ、軽く押したら
グエーッとかギョエーッて感じになったんだもの。

内臓が攣るって思った。


私が猫だったらさ、あの瞬間
「はい木刀押して〜」って言った人を両手で縦に
引っ掻いてるわ。

多分、先生なら軽く避けてしまわれるだろうけど

(私が人だったことに感謝してください)

そう思った。


でもさ、ギエーッて感じの身体になったら
わかったんだ、

自分の身体が、スカスカだったってことが。

気泡だらけのシフォンケーキみたいな身体だった
私は。

それがさ、木刀軽く押したら ういろうになった。

みっしり身のつまった隙間のない ういろうになったんだ。


休憩時間に軽く試したんだけど

シフォンケーキな身体が発する動きは空っぽだ。
中身がない。
何かが抜けている。

ういろうな身体が発する動きには、張りと圧と重さがある。
内実の伴った動きになる。
何かがあるんだ。


そしたら、ういろうにさせようとしますよね。
うんうん、わかりますよ。

わかるけどさ、楽に ういろうになる方法はないんですか?

内臓口からでるかと思ったわ〜とかさ
そういう感じじゃなくて

もっとお手軽に ういろうになる方法はないんですか?


ないんだろうな。

うっすらわかる。

多分ここを通らないと ういろうな身体にはなれない。

身体を練るというのは、おそらくこういう営みを
繰り返し身体に染み込ませる事をいうのだろう。


さよなら
シフォンケーキな私



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