根をはやす

「なんか抜けてるんだよな」

昔、表現系のレッスンで言われたっけ。

(そんな事言われても、私抜いてるつもりないですよ)って思ったな、その時。

あれは何年前の話だったろう?

その時は、自分が抜けているなんて思えなかった。
圧の抜けた身体であることに気づけなかった。

でも、刀禅同好会のお稽古で、
アーチ構造を内在している立ち方を丁寧に教えていただいたら、

(あ、私抜けてるわ)ってわかったんだ。

普段の私は、身体の根っこが抜けた状態で過ごしている。

空気の抜けた風船な身体で、日々過ごしている。


でも先日の、身体の中にアーチ構造をつくるお稽古中

ジャッキで身体を持ち上げられているみたいな感覚がして
私は、「下に伸びる」ことができていなかったことがわかった。

「上だけに伸びる」だと、地面の反力をもらえないから抜けてしまうのだということも理解した。

だけどきっと、私含めた多くの人は、「上だけに伸びる」ことしか知らずに過ごしている。


「下に伸びる」と身体の中にアーチ構造が生まれて
地面から還ってくる力を使える。

(アーチ構造が生まれるから、下に伸びることができるのかもしれない。どちらが先かわかりません)


「下に伸びる」と結果として、上に伸びていく。

「下に伸びる」と、ずっと上に伸び続けられる気がしてくる。

最初から上だけに伸びると すっぽ抜けて、
動きは終わってしまうんだ。


衝撃的にわかりやすい説明を聞きながら、

上だけに伸びると、身体の根が抜ける
下に伸びると、身体の根がはえる(いい意味で)

私は、そのことを繰り返し味わっていた。


アーチ構造は、重力という下への矢印も利用して
強度を増しているみたいだ。

下に伸びるとは、重力に身体を添わせることでも
あるのかもしれない。


刀禅で行っている身体の中の基準づくりとは

重力を利用して、
身体を頑丈な構造物にできるようにする営みなのかもしれないな。


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