翻る

翻るから息が入る。

魚が身を翻して方向転換するように、裏と表がクルンと入れ替わる。

そのクルンの瞬間に、スーハーしなくても息が身体に忍び込む。

そうすると、動きや台詞が途切れることなく
つながっていくんだ。


翻れないと、一回止まって息を入れて動きや台詞を
再開することになる。

つながらないんだ。

どこかに(大変そうだな)とお客さんに思わせる
何かがまとわりついている。


なんだ、翻ればいいだけかって思うでしょ?

でも翻れないんだよ、お尻が落ちた身体では。

ベチャッと崩れた身体では翻れないのよ
翻ろうとしても つっかかってしまうから。


骨盤が立って、頭蓋骨と骨盤の間で引っ張りあいが
起きているような状態になった時

やっと翻りができるようになる。


それは、私が普段いる場所よりも少し前にいる感覚。

まだ、その場所にずっとはいられない。

でも、その場所に行けた時は つなげられる。

今日は

(ここにいるから、翻ってつなげられるのか)

そう思ったんだ。

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