私は 海老せんべいだ

プレスして平たいまん丸な海老せんべいをつくれる
機械があるんだって。

そういう機械にプレスされて、平べったい海老せんべいにさせられた気分だった。

刀禅同好会のお稽古で、壁と対面した瞬間。


壁と対面する前は
身体は平たくなかったんだ。

立体だった。
3次元だった。

身体が立体だと、
その身体から発せられる動きは、平面になってしまうみたい。

カクカクして膨らみのない動きになるんだ。
なんか痩せてるんだよね、動きが。


壁と対面して、先生の教えてくださる身体の使い方をすると

身体が横に引き伸ばされて平面になる。
(厳密には ならないんだけど、限りなく平面に近づいていく)

私は、海老せんべいになる。

海老せんべいな身体から生じる動きは
立体的になる。

身体を2次元に押しこめようとすると
押しこめきれなかった分が、3次元の動きとして
放出される。

よくわからないんだけど、そんな感じ。

身体を平面にしていくと、上げる動きをする腕が
身体の中を通れるようになる。

身体が立体だと、腕は身体の外しか通れないんだ。

同じ腕を上げる動きでも
中を通るか外を通るかで、全く違う動きになる。

身体の中を通した先生の腕は、
私が(こうやって動きたいんだよな)と思う
しなやかな人形と同じ動きをしていた。


それを見ながら、私は思っていた。

これからは、海老せんべいとして生きていこう

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