サンドウィッチ効果

掌は、1枚板ではなかった。

掌は、2枚の板を合成したものだった。


私は、手の親指を分離独立したパーツとして捉えていた。

でも、親指が分離独立していると、掌の力が抜けていく。

掌が面にならないんだ。

同好会のお稽古で
親指も、面を形成する1要素であると教えていただいた。

彷徨っていた親指が、面を形成しに戻ってきたら
掌が力を発揮するようになった。


掌を面にする。

親指が抜けていると
掌は、バラバラな線の寄せ集め

親指の位置をととのえると
線が集合して面になる。

1枚板でも、バラバラ状態より強いよ。


でも刀禅がユニークなのは
1枚板で終わらないところだと思う。

「1枚の板だ」って発見するだけでも凄いことだと思うのに、「1枚板じゃない」って言うんだ、刀禅は。

「掌は、2枚の板の合成である」って言ってる気がする。

2枚の板が、合わさって1枚板になろうとし続けるんだ。


なんかね、サンドウィッチみたいなの。

サンドウィッチのパンを両側からムギュッって押すと
具が飛び出てくるじゃないですか。

2枚の板をムギュッと1枚にしようとすると
新たな面が飛び出してくるんだ。

この面は、強度が桁違いなの。

1枚板の面と違って、広がりがあるの。

広がろうとする力を、内に含んでいるというのかな。

固定化された面じゃない。
膨張し続ける面だ。


よし、この現象をサンドウィッチ効果と名付けよう。

稽古を受けながら、私は思った。

なんか、あんまり格好良いネーミングじゃないけど
まあいいや。

サンドウィッチは、人類の偉大な発明なのだ。


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