カエルジャンプ前半

カエルがジャンプする。
着地する。

ジャンプ前半、跳び始め
ジャンプ後半、跳び終わり


同好会の先生が、木刀を構えてスルスル近づいて来る時って、カエルジャンプ後半部分がないんだ。

動きに終わりがないの。

跳び始めて跳び始めて跳び始めて……

常に動きが始まっている。

カエルジャンプ前半部分だけが繰り出されていく。


私は、カエルジャンプ後半をしている身体だった。

後半も後半、ほぼ終わりのところ。
動きを終わらせる身体で、
(なんで動けないのかしら?おかしいわね)って
やってたよ。

そのことが、今日の同好会のお稽古で炙りだされたんだ。


刀禅って、なんでこういう姿勢を要求するのかな?
ずっと疑問だった。

なんでこんなに後ろに行かせたがるの?


でも、今日、ちょっとわかった気がする。

前にかかると、動きの後半になってしまうんだ。
終わりかけているから
一旦終わらせないと次の動きを始められないゾーンに
入ってしまう。

だから、後ろにいたいんじゃないかな。


スリングショットにしてるんだよ、身体を。

Y字の木にゴムがついてる投石器。

ゴムを常に後ろに引いている
そういう状態の身体にしているんだ。

石を飛ばす寸前
飛ばせる身体を常に維持しているんだ。

後ろにかかるとね、
常に石が発射されるスリングショットになれる。

後ろにかかるとね、
継ぎ目のない跳ね方をするカエルになる。


前にかかる方が進めそうな気がするでしょ?
でも後ろなの。

後ろにかかるとエンジンの回転が始まる。

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