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I’M A RAT - パンクロックにおける「ねずみ」論とHi-STANDARD

note.001号

1. まえがき

時の流れは早いものだ。。
新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行して10ヶ月。厚生労働省の正式決定からもう1年にもなる。これまでのコロナ禍の状況から、近年は仲間や友人、家族や兄弟などの親族、先輩や恩人などに逢うことを控えていた方も多いだろう。そう思い返していると、ふとある「note」の記事に目が留まる。内容は、筆者の核心を突くとても興味深い内容だった。筆者としては、とても新鮮な気持ちになれたが、こちらの記事、貴方にはどう感じるだろうか。。

2023年4月のHi-STANDARD「I'M A RAT」のリリース、2024年の3月には「NOFX - “The Final Japan Tour"」 & 「PUNKSPRING 2024」で盛り上がりをみせたメロディックハードコアパンク界隈。90年代から活動する日米のパイオニアであるHi-STANDARDとNOFXの2バンドの共演に、結成初期からの古きリスナーから00年代以降のリスナーを含めた全てのリスナーがこの公演を心待ちし、存分に音源と生音を体感したことだろう。かく言う筆者も94年頃からメロディックハードコア界隈の音楽(いわゆるパンク)に育てもらった身の為、大手メディアでの扱いやX(旧Twitter)、その他の掲示板など、惜しげもなく様々な記事に目を通した。そして、どの媒体でもその大きな反響をみるに温度観に違いはない。コロナ禍の影響により鈍化していた活動もこれを機に更なる盛り上がりをみせるはずと期待するばかりだ。

2. I’M A RAT

さて、本題である。
当記事の表題にも含めた「I’M A RAT」とはどういった意味で何を表現した曲なのだろうか。英詞の歌詞を紐解いて考察する。

…… あ゛。ううん。。。。
あいにく筆者には文才はなかったようだ。
── 下書きを何度もしてみたが、語彙力の無さを痛感した。この手の考察は、才能のある方に任せるとしよう。慣れないことはするものではない。ならば、ここは筆者ならではの方法で考察してみよう。

まずは、ChatGPT-3.5(無料)に質問してみた。

ChatGPT-3.5に聞いた「I'M A RAT」

…… お、おう。。優秀過ぎるじゃねぇかぁ。😱
人間様を軽く遇らうようなしっかりとした文章を瞬時に返信してくるとは。。しかも、背景を考慮した模範回答じゃい。もはや、筆者が執筆する意味がない。。。💢

いやいや、まぁ、待て。
ならばこの質問はどうだ。。。。

ChatGPT-3.5に聞いた
パンクロックにおける「ねずみ」論

ふんっ。所詮、AI(人工知能)じゃのう。。
残念ながら、ザ•スターリンの曲に「ねずみ」と言う曲はないはずだぜっ。関係してそうな曲は恐らく「下水道のペテン師」じゃ、べいっ(投げつけたのは豚の臓物)😛
それと「rat's eyes」は、Dead Kennedys ちゃうぞ。Black Flag だったはずや。。ごらぁっ(黒旗で殴る)😡

…… ChatGPT-3.5への嫉妬といじりはこれくらいにして。。

実は、筆者の思うところも、ほぼこれに近しい。ただ、ChatGPT-3.5の回答で圧倒的に不足している点がある。それは人間的な感覚でAI(人工知能)では理解が難しいであろうFAT MIKEとHi-STANDARDの"信頼関係"である。その点を付記したい。

両者が長年に渡り活動してきた功績は、ここで語らずとも読者は既にご存知だろう。両者は互いに刺激し合い、共に成長した「FAT WRECK CHORDS」の"戦友"である。筆者のような凡人には計り知れない多くの経験を積み、世界に目を向けてきた"戦友"だ。敬意を払い"信頼関係"を深めてきたに違いない。90年代から変わらない信頼関係の継続と各々の自負がそこにあるのだ。FAT MIKEとHi-STANDARDの関係性だからこそ、Hi-STANDARDは楽曲提供を受入れ、彼らは自らを「I’M A RAT」と表現し「ねずみ」に投影することで、社会の束縛に従わず、自己の道を切り開く自己表現の強さを改めて示し、自分たちの経歴を誇りに抵抗の旗手として立ち上がる姿勢を示したのだ。。。

活力のある精神は「比喩」を生み出す、ハードコアパンクの精神はそういうものだ。

……キリッ。。😤
(ど、どうよ。上手くまと。。めたかぁ。苦笑)

※補足
「Kenny」こと横山健"社長"が運営するレーベル「PIZZA OF DEATH RECORDS」公式サイトで社長が執筆する不定期連載のコラム(2024年3月6日公開)が公開されている。こちらでFAT MIKEやNOFXのことに触れられている。参考までに。。

※参考
横山健の別に危なくないコラム No.108

3. 彼らは30年来の戦友

当記事の執筆にあたり、ドキュメンタリー映画「SOUNDS LIKE SHIT the story of Hi-STANDARD」DVD(2020年4月22日発売)を鑑賞した。購入当時の目的は、特典DISK側の「ATTACK FROM THE FAR EAST 3」であり、本編側は個人的な想いと別の理由も重なり鑑賞せずに保管していた。。。

── 人生ってすげえな。って言う映画
彼らはおよそ30年来の戦友だ。冷淡な表現をしてしまうと、彼らの"括り"を表すなら"ビジネスパートナー"が正しいのかもしれない。しかし、単なる"ビジネスパートナー"だけで語れないのが"バンド"だろう。彼らにおいては、およそ30年の活動歴がある。その分、苦労や困難があるだろう。それら全てを曝け出し、結成から輝き、闘いと壊れからの再起、そして現在から未来へと続くリアルな"人生"と"信頼"とは何かを写した作品であった。

明日、何が起きるかなんて誰にもわからないからこそ、今この瞬間を一生懸命生きて楽しんでいけば、この先にもしかしたら何かいいことが起きるかもよって。もちろん、そうじゃないことのほうが多いだろうけど

音楽ナタリー「「SOUNDS LIKE SHIT : the story of Hi-STANDARD」梅田航監督インタビューより

彼らに限らずだが、信念を以って活動するバンドは本当に格好良い。創作活動だけがバンドではない。と言う良い例であると感じた。バンドの凄みや良さとはこういうことなんだろう。

── 仕事や家族親族、友人関係などにおいても、共に歩んだ30年来の"括り"には必ず"歴史"がある。筆者が属している幾つかの"小さな括り"で"戦友"達との"信頼関係"はどうだろうか。。。単純な自己評価だけで納得してしまっているところはないだろうか。"戦友"たちとの向き合い方とその関係性について未来を意識できてるだろうか。。

※付記
Dr. 恒岡章氏の訃報について、改めて謹んでお悔やみと、心からご冥福をお祈りいたします。

4. 日常という名の風景

── 95年の秋頃。(※1)
当時、千葉テレビで放送していた「SONY MUSIC TV」(※2)の放送が終了し、音楽の情報源を絶たれた10代の筆者は、徐々に音楽以外に興味を向けはじめていた。。。

※補足
若い世代の読者向けに敢えて説明するが、当時はネット環境などない為、SNSのようなツールで手軽に情報を得ることはできない状況だ。特に音楽でもハードコアパンク周辺の情報源は、ラジオか専門誌が主な時代。千葉県の片田舎に住む10代の筆者は専門誌の存在は疎かTVに依存していた為、この情報源が絶たれてしまうと音楽への興味絶たれてしまう事に繋がる。さまに死活問題なのだ。興味の世界観を断たれれば、興味を180度転換せざるを得ない状況となり諦めざるをえない。。。この時代背景を前提に読み進めて貰えるとありがたい。

そんな悶々とした日々を過ごす10代の筆者の耳に聴こえてきたのは、兄の部屋から流れるBAD RELIGLON、NOFX、GREEN DAY、PENNYWISE、RANCIDなど、Epitaph RecordsやFAT WRECK CHORDSをはじめとしたメロディックハードコアバンドの数々だ。当然、その中にHi-STANDARDもあり、兄に怒涛の質問をする筆者がそこに居た。

中でも筆者の耳に一番印象に残り、他の曲と一線を画したのが、ギターソロから始まるファストナンバー「I'M WALKLN'」だ。Hi-STANDARDの楽曲のなかでも知名度はかなり低いこの曲。メロディアスなギター進行から始まる曲の激しさ、程よいスピード感で、テンポよく叫ぶコーラス、全てが堪らなく10代の筆者に刺さった。また歌詞には以下のような一節があるのだが、この何気ない内容の歌詞も10代の筆者が知るこの"狭い世界"と日常という名の風景が一変した。

Nothin’ fresh, but I see a moving place
Nothin’ fresh, but I like this way so I walk
Oh, the youth, take it easy
Don’t think twice ‘cause I worked hard now I’m walkin’

そんなに急には変わらない。少しずつさ・・
急には変わらないんだよ、でも好きなんだ
だから進むんだ!
オマエらもさ、気楽にいこうよ
まずはやってみようぜ、
俺もコツコツやってきたよ
これからもね!

Hi-STANDARD「I'M WALKIN'」の一節より

情報源を取り戻した10代の筆者は兄が聞く音楽を貪欲に吸収していくと共に兄との距離が近くなる。うっすらであるが、兄弟という"括り"を意識した時期でもあった。10代ながら"信頼関係"も築き始めたと思うのだが、兄は翌年に大学進学を機に上京してしまう。。

5. 信頼関係

── "信頼"は関係を継続し時間を共有すること
ハードコアパンクの入り口としてHi-STANDARDを聴き始め、ライブハウスにも行くようになり、ライブハウスで友達ができ、レコードを買うようになり、某CDショップ(※3)で働くようになり、仲良くさせて貰った先輩バンドの公式サイトを制作させてもらったり。。。これまでの経験のどれを思い返しても、元を正せば兄の存在が大きいだろう。とても感謝している。
そんな兄とは年に数回、帰省する時くらいしか連絡を取り合わない。帰省した時にお互いの子供を合わせて遊ばせることはあっても、あの時のように二人だけで話すことは少なくなった。勿論、仲が悪いとかではない。お互い家族という"括り"の存在があり、会社という組織という"括り"に属し日々を過ごしていることを考えれば、当然の流れで仕方ないのかもしれないが。。。友人や仕事、その他の"括り"でも同じ状況に陥っていないだろうか。

"信頼"は関係を継続して時間を共有するのが"信頼関係"なのだ。筆者はその"努力"が足りないのではないか。。"括り"にはそれぞれ大切な"戦友"がいる。。。未来へ継続できるようにする為にまずは兄弟という"括り"の兄から連絡を取り、会うところからはじめてみよう。。。

6. あとがき

筆者が初めて執筆した記事に最後までお付き合い頂き感謝します。数ある記事の中から、当記事を目に留めて頂いたのも何かの縁かもしれませんね。本当に感謝です。

纏まりのない内容、稚拙な文章ですが、恥を承知で全力で執筆してみました。読者の方に何が伝われば何よりです。

◻︎参考
※1 平成7年(1995年)について
1995年(平成7年)の流行やヒット商品・出来事を解説
https://muslimmedianetwork.com/1990s/1995/

※2 SONY MUSIC TVについて
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/SONY_MUSIC_TV

※3 某CDショップについて
説明不要の例の赤黒のお店。15年以上前の話だが、仕事として色々な経験し、沢山の音楽を吸収させて貰いました。赤黒のお店、あの時はありがとう。人生でとても良い経験をしました。

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