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80歳の老後破綻を目の当たりにして切ない②

ほぼ「ママ友」として仲良くしていた息子の同級生のおばあちゃん。

子どもたちが高校を卒業し、就労したあたりから私も仕事で忙しくなり、なかなか会えなくなっていました。
それでも一年に一回くらいは会ってランチしたり、と関係は続いていました。その時も変わらず「割り勘」にはしてくれず、ささっと払って、手土産まで持たせてくれるおばあちゃんなのは変わりませんでした。

高校を卒業して数年たった頃、そういえばもう1年以上会ってないな〜と思っていたそのおばあちゃんから電話がかかってきました。

「ほんとごめんね。私、財布をどこに置いたか分からなくなっちゃって。探してるんだけど見つからないのよ。本当に悪いけど今日出かけなきゃいけないから1万円だけ貸してくれない?」

もう70歳をとっくに過ぎているおばあちゃんです。財布をどこに置いたか分からなくなるなんて全然不思議じゃないですよね。私もそういうことよくあるし。

「いいよいいよ。近くまで届けにいくよ。財布見つかるといいね」

とその日のうちに1万円を渡しにいきました。
その1万円は1週間後には返してくれました。

それから2ヶ月後くらい、、また電話が

「ほんとごめんね。また財布が見つからなくて。。。本当に悪いんだけどまた1万円貸してくれる?」

「あらら、大丈夫〜?こないだの財布は見つかったんでしょ。同じところにもなかった?とりあえず貸すから〜〜」

と2回目のやりとり

その時の1万円もすぐに返してくれました。

どんなに親しい間柄でも絶対にお金の貸し借りはしてはいけない

とよく言いますよね。
この状況でも同じこと。。。。私は言えませんでした。

そこからまた2ヶ月後くらい。

「本当にごめんね。私大丈夫かしら。財布がまた見つからなくなっちゃって・・・」

ちょっと嫌な予感がしました。

そのとき77歳くらい?の彼女。私が思ったのは
「認知症の症状が出て来たのではないか?」

でした。
「いいよ〜〜」
と、ふたつ返事でまた1万円。
気になったので時間をやりくりして返金してくれる時にお茶に誘いました。
認知症っぽい症状が出ているのか?それも確認したかったからです。

お茶しながら話した彼女は以前と全く変わらない粋で愛情深い、あのおばあちゃんでした。認知症っぽさはないな〜〜と思いました。

お茶を終えて支払いの時
「あれ?これはもしかして。。。。」ということが起きます。


「今日は私が誘ったし、いつもごちそうしてもらってばっかりだったから出すよ」
と私が言ったら、いつもなら絶対その言葉を受け取らない彼女が、うつむき加減で
「あ、ありがとう」
と言ったのです。

これまでの10年以上の付き合いの中でこれははじめてのこと。

「もしかして認知症ではなく、お金に困っているのでは?」

と頭をよぎりはじめました。


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