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発明家と探検家アーカイブ配信‼︎

林灰二noteにようこそ。
こちらの記事内で2021年12月3日〜8日に下北沢駅前劇場で上演された
Oi–SCALE 2021「発明家と探検家」を12月15日〜31日までご視聴いただけます。
もちろん劇場で観劇いただくことを前提に創作した作品ですが映像記録もとても観やすく収録していただきましたので、会場での雰囲気は充分に感じていただけると想います。宜しくお願いします。
またnoteでご視聴いただく特典として、僕の後書きがあるのと、役についての詳しい説明(裏設定などもあります)が掲載されていたり役者インタビューも視聴可能となっていますのでお楽しみいただけたらば幸いです。

発明家と探検家 イントロ

2021年12月3日〜8日に下北沢の駅前劇場で上演された「発明家と探検家」はOi-SCALEのコロナ禍の影響で2年ぶりの新作公演の発表となりました。あらゆる情報が錯綜する世界の中で一体何が真実なのか?私たちは戸惑いながら不安と不満が募る時間を過ごしてきました。目に見えるもの、聞いた話、家族や友人、挙句には自分自身の感覚すら、本来ならば真実を象る為の重要な要素が信じられない曖昧なものになってしまうことがあります。
こんな時期だからこそ、真実とは何か?人は何故、本当のことを知りたがるのか?真実の重要性を問う為の作品を創作しました。
劇世界はフィクションですが、それが“真実ではない”とはならないことを強く訴えると共に、人が「場」に集まり体感と共感を伴う演劇が、人生の中で至福な体験になり得る芸術であることを証明する様な作品を発表したいです。

【ストーリー】
よく当たると評判の占い師カワクボは、高額な値段にもかかわらず神がかりな力を持つと噂が広がりいつも予約がいっぱいだった。
客たちは皆「答え」を欲しがった。
しかしカワクボは客へ「問い」を投げかけるだけだった。
様々な状況や情報、そして悲しみに翻弄されながら、真実を見失うもの達は皆「本当のことが知りたい」と言った。
カワクボは「本当のことを知るために、一つの条件を守れるか?」と問う。
人生の岐路に立ち大きな選択を迫られた登場人物が、何を信じるべきか悩みもがきながら下す決断を描く3つの物語が同じ構成で描かれ、“真実をそれと裏付けるもの”が浮き彫りになって行く。観るものをあざむく大胆なアイデアを核にしながら、多くのまやかしへの不安と不満に満ちた社会に対して、挑発的なまでの意志を持つ今作を体感してもらいたい。

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発明家と探検家 登場人物と配役

占い事務所・「ヒーリングサロンセブン」
 カワクボ/村田充
 眞一郎/林灰二
 な子/西野優希

『作家の祈り』
 オノズカアキナ/三浦知之 
「山光出版舎」
 永澤/川田小百合
 松崎/中村拓未

『妊婦の祈り』
 篠弘子/河原邦恵
 篠道子(本を売らない(占い)現役書店員)/井野おりこ
柏大学病院
 津森いさお/豊島歩 
有料老人ホーム・「ケアハウス・エデン」
 三宅イチ子/川崎桜
 三宅ジュン/時村雄大
 さだ子/・・・・・
 しまむら/吉田山羊

『息子の祈り』
 山本ユージ/澤井裕太

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発明家と探検家 登場人物紹介



【カワクボ】
占い師。高額な料金(10万円+α/5分)で紹介者のいる予約客だけの占いをしている。評判は広がり、政治家や大きな企業の経営者や角界の関取までが顧客になる。表向きの店舗名はヒーリングサロンセブン。セブンは好きな映画のタイトルで自分にとって幸運の数字だからと名付けた。
予約制にしているのは前もって客の情報を下調べをする為であり、実際はカワクボに占いの技術は全くない。しかし人の心理を読み解くのは得意で洞察力にも長けている。
「客が知りたいのは未来じゃなく自分自身のことだ。人が唯一信じられるものなんて所詮自分だけだから、それを見失うと人は途端に不安でおかしくなっちまう。だからみんな自分のことを確認したくて必死で占いなんかに金を払う。しかも我儘なことに、理想とかけ離れたありのままの自分は受け入れがたかったりするからねえ。知りたがったくせに、答えからは目を逸らしたりもする。その目をそらした先に鍵みたいなもんを置いとくのが俺の仕事だったりする」
耳が悪くてマスクをしている人の言葉が聞こえにくい。見た目は占い師に見えないどころか堅気とも想えない容姿で、チンピラのボスのような風貌だがインテリジェンスな雰囲気も同時に纏う。 
「敬語が日本語を難しくしている」と使うことを嫌い、どんな目上の客にも態度の大きな振る舞いを崩さない。    
少年院で出会った眞一郎にブルーハーツを教えられて意気投合し、後から退院し上京してきた眞一郎とバンドを組む為につるみ始めるが、耳の病気もあり、いつの間にか金稼ぎを一番に生きてきた。耳が悪くなり歌うことは苦手になって諦めた。
占いの他にも、飲食店やエステの経営に出資したりし始めていることが、眞一郎は面白く想っていない。
どうして少年院に入ったかは不確かだが幼児への猥褻罪の噂がある。(な子は父(カワクボの兄)にそう聞かされている)
そろそろ占い師の引退を考えている。
母子家庭で育ち、疎遠になった兄とは十年以上会っていない。
母親は癌の手術をした後から痴呆の症状が出て、老人ホームへ入居させる資金は援助しているが会いには行っていない。
占いサロンの場所は浦安。高層マンションの一室で、高速道路の乗り口も近い為時間はある程度かかるが交通の便は悪くない。タクシーの場合は舞浜駅からタクシーで来るのがわかりやすい。窓からはディズニーランドと富士山が見える。

【眞一郎】 
興信所でアルバイトをし、占いの客の情報を収集してカワクボに渡して報酬を得ている。
喧嘩が強く用心棒のようにも想われている。実際に占いへのクレームがあった場合は眞一郎が対処している。
身寄りの居ない自分にカワクボが退院した後も面会に来てくれたカワクボの母親を慕い、自分の家族の様に老人ホームに頻繁に顔を出している。
カワクボが歌わなくなったこと、それから金に執着することを良く感じていない。カワクボがベンツのゲレンデを買ったことにキレて車体に隠れて傷をつけた犯人。
「てめえ昔ベンツ嫌いだって言ってただろう!金持ちはみんな敵だって言ってただろ!」
出入りする違法な街金から顧客リストを盗み、債務整理の候補者用に弁護士に安く売っている。人助けのつもりでやっているが、闇金のバックにいる組織に狙われることはなんとも想っていない。
クロマニヨンズのマーシーを崇拝しているが、ブルーハーツのベースの河ちゃんは嫌い。
客に売るパワーストーン(偽物)を仕入れている。
PCの作業が苦手で、な子がきた時にいろいろとお願いをしている。
少年院でいつも一人でいたカワクボに話しかけて仲良くなる。「バンドやろうぜ」に掲載されているブルーハーツの写真を見せて「TRAIN-TRAIN」を唄って聴かせた。余暇時間が終わっても受刑者の大合唱が止まらず、眞一郎は懲罰房に入ることなった。

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