先日、兄の友達からこんな連絡をもらった。
寝てたらお兄ちゃんが夢に出てきて、カラオケを歌ってた。

私は久しぶりに兄に会えたような気がして嬉しかった。でも、同時に悲しい気持ちも同じくらいに溢れてきて思わず涙が溢れてきてしまうほど。

そこで、改めて父にも話してみようと思い、話してみた。
私がどんな気持ちで生活をしているか。昔感じていたことなどもこの際話してみようか、とも思っていた。

「夢には出てくる?」「お兄ちゃんの友達から夢に出てきた、って連絡があったの。」
「お父さんはお兄ちゃんに会いたいって思う?お母さんは?」


その答えに私は衝撃を受けた。


「思わない。」


私は今だ、と言わんばかりに以前に撮っていた母親の動画、兄の写真などをスマホから再生させてみせた。
「よく撮れてるなぁ、年取ったなぁ、」と自分のことしか興味がない様子。
そのうちに、「ご飯食べた後運動しとけよ、っていったんにやらなくて。」などと母の悪口を言い始め、
「この時はもう腰の骨を折ってるから動けなくなってたんだよ。」
「そんなこと知らねぇ」
「でもその時お父さんお見舞いに行こうとしなかったでしょ?知ろうとしなかったんだよ。」


思えば父は何かあるとなると逃げる癖があった人だった。
兄のことに関しても、父はやろうともせず私が色々なところに行ったりしていた。

母が入退院を繰り返していて、ある時も突然家を出て1人どこかへ出かけ、次の日ひょっこり何もなかったのように帰ってくる、ということをする父だった。

本当に父には今からでも心を入れ替えてほしいと思っているのだが、今更、そんな気持ちは毛頭ないのだろう、という感じにも受け止められる。


動画を見せたこの時も、「ところでさぁ、」と話を変える始末。しかも2回も話を変えられた。逃げたいのだろう。
事実はどうも受け取らない、父にも当てはまるのだろうと感じた。


私はその後母に線香をあげた。少し涙が込み上げてきたのがわかった。


何かいいものを食べます。生きます。