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檸檬代わりの爆弾

何について書いたらいいのかわからない。書きたいことはとくにない。でも何かを書きたい。何かを書き殴れば、今感じている檸檬でいうえたいの知れない不吉な塊みたいなものをすこし軽減させられる気がする。わたしの心全体を覆っている黒いもやもや、どっかいってほしい。檸檬みたいな何か爆弾のようなもの、今のわたしにとっては何がそれにあたるんだろう。
今のわたしの境遇が最悪ならば、それは誰にどんな嫌なことをされたり言われていようと、必ずわたし自身の責任だってある。自分だけが悪いということがないように、相手だけが悪い、ということもない。いつでもわたしと世界、どっちも悪い。わたし以外の人間は全員「世界」にくくられる。わたしはこの世界の中で一人で存在している。わたしと、その他。俺か俺以外か、じゃないけど。
それは、何かと一体感を感じる体験をしばらくしていないがゆえに感じる孤独感から来るものなんだろうか。わたしはどこにも所属していなくて、わたしが帰れる場所はなくて、いつも一人。一人は楽でほっとする。誰かに、なにかに怖がらなくていい。だってわたしは一人だから。何かがわたしを傷つけてくる可能性を常に予感しながらびくびくとしている必要がないくらいに、あたりを見渡せばわたしはすっかり一人ぼっちだから。それは自分自身で望み選択したもの。たしかにわたしにとって恐怖のタネとなるものは一つ消えた。そのかわりに、その穴を埋めるかのように、新しい恐怖が顔を出してきた。わたしは一人で世界中の敵と対峙しなくてはならない。楽で、寂しい。

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