人間の証明【感想】

 みもうした。(雷電)

 普通にミステリーとしてかなり見応えあったな〜。先日みた十二人の怒れる男とかもそうだけど、謎解き映画が大好きなので面白かった。
「キスミーに行くんだ」という被害者の発言から、キスミーって発音に近い日本の地名を絞り、そこから更に詩集と「ストウハ(=ストローハット、麦わら帽子)」からそれが霧積であると割り出していく、みたいなの、なんか手がかりを組み合わせていく感じがゲームみたいで面白い。警察も主人公だけじゃなく上司陣も有能で協力的だってしその辺のストレスも無かったしね。シティモノ謎解きシナリオやってるみたい。基本やっぱミステリー好きなんだな私…。

 あと登場人物らの因縁だけど、話のメインからは外れるけど、個人的にはホステスの旦那とホステスの愛人の刑事がなんかこう…複雑な関係で良かったな。というか、旦那の妻に対する執着が、なんか妙に純情で、それが悲しくて良かった。自分の他に男がいる気配があっても気弱な男は妻を愛していて、不義に憤ってはいるけど、妻に去られるのは耐えられないから諦めたふりをしている。結局、他人から見て良い妻であるかそうでないかなんてのは個人的な愛の前では一切関係が無い。主観的な愛情だ。
 旦那にすりゃ愛人は敵だし、刑事にしたら自分の金玉握られてるようなもんだけども、二人は協力して女を探すし、最後には妻の骨を抱いて旦那は刑事に頭を下げる。彼女がもうここにいないなら他のことはもういいってのはひとつの悲しい純情だよな。

 ラストはどう捉えりゃいいものなのかなぁ。因果応報と取ることも出来るだろうし、人間の(この場合は主人公の)選択なんて世界には関係無いので生き延びた男だろうと、それとはなんの関係も無い理由で死ぬ時は死にます!みたいなことのような気もする。
 私は「それがどんなに個人の中で強烈なものであろうと、たかが一人間の心にいちいち世界は寄り添わない」という現象が好きなので後者の方が好みです。今夜ほど淋しい夜はなくても世界中に雨は降らないんだよなぁ(浅川マキ)

 トータルとして面白かったからいいんですけど、不満言うとしたら、いくらなんでもファッションショーのシーンが長すぎンだろ!2001年宇宙の旅じゃねえんだぞ!あとカーチェイスも長えっ


 でも面白かったです♡

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