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大嘘物語#2 ゲストのダイオウイカ

「ゲストの方、どうぞ!」
MCの大きいな声で足が8本のイカが現れた。イカは精一杯のおめかしをして、白いドレスに身を包む。

MC:「それでは、自己紹介をお願いします!」

イカ「あ、ぁ、瀬戸内海から来ました、イカです。寿司の内定を蹴ってタレントの道を選びました。」
イカは日本語を流暢に話した。8本の手の身振りも加えて。日本語学校の恩師の発言をイカは思い出す

恩師「人っていうのは身振りがあると安心するんだよ。」
イカ「はぁ、、、」
恩師「でも、足10本はちょっと身振りにしては見てる方が怖いからねぇ」
イカ「はぁ、、、」
恩師「おっりゃ!!!」
イカ「ギァアアアアアア!」

恩師はイカの足2本を嚙みちぎって床に吐き捨てた。

恩師「よし、これでよしと。あぁ、ちぎった2本は再生しちゃだめだよ♡」
イカ「ぎゃぁ、、、」

目の前の明るすぎる照明で今は収録中だと気づく。イカはスタジオにはいない恩師に心の中で感謝を告げた。

MC「それでは、コーナー行きましょう『びっくりしないでね!!』」

まんますぎるタイトルコールが流れる。イカは緊張で吹き出る汗を大きめの吸盤の中に隠した。このコーナーではホームビデオの途中にビックリする音や衝撃映像が差し込まれ、それにリアクションしてはいけないという名物コーナーである。

MC「おっと、イカさん。今緊張で体温上がりました?真っ白ですけど、あぁ!焼かれたのではなく、白いドレスを着ていましたね!(笑)」
観覧ゲスト「ケラケラケラ」

VTRが流れ始めた。少女が日本家屋を歩いて部屋の中を案内するビデオだ。和室の映像が流れ、カメラが床に向いた時、その畳の隙間から赤子の手が何本もこちらに向かって飛び出してきた。
イカ「きゃぁ!!!!」
観覧ゲスト「ケラケラケラケラ」

イカの白いドレスが黒いドレスに変わって番組は後半戦へ続こうとしていた。

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