J2 第23節 愛媛FCvsザスパ群馬

いや、もうちょっと言葉になりません。
ここ数節と良くなる気配は感じながらも、中々結果が出ませんでした。
しかし、色んなピースがようやくハマった感じがします。
結果は4-0で完勝。
これから残留に向けて、まだまだ気になるところはありますが
まずはもう今節は結果にも内容にも大満足でした。

先発は前節から変わらず。
高澤がベンチにも入っていないのは、怪我の影響でしょうか。

・ザスパの守備の修正
ザスパが監督解任後、戦術の修正として行ってきたのは、まずは守備の安定。
DFが降りる相手選手についていく守備戦術に今年から変更したものの
前に行っても奪いきれずに最終ラインが薄くなり、失点が増えていました。
そのため、1枚前に出ても後ろに人数を残せるように3バックに変更。
中盤は4枚かアンカー置いて5枚か、どちらか迷っていたように思いましたが
攻撃のことを考えて4枚で行くことにしたように見えます。
幸い、守備はある程度安定したため、次は昨年から続く攻撃の課題です。

・攻撃の修正
恐らく今年調子を落とした一因が守備戦術の変更だと思います。
何故、去年堅守を誇った守備戦術を変更したかになりますが
攻撃するために、前でボールを奪って得点を増やす目的があったと思います。
昨年の最終盤にプレーオフ圏内を争う戦いの中で、ザスパは攻撃力不足を痛感しました。
上位進出を狙う中で勝ち点1では逆転出来ないため、意味がありません。
そのためリスクを冒してでも勝ち点3を取るための戦い方をして、連敗を喫しました。
また、得点力不足はスタッツからしても明らかで、今年はそこをクリアしたかったはずです。
昨年はかなりリトリートで引ききっての守備のため、重心がかなり後ろでした。
そのため、奪いどころが低いため、素早いカウンターではチャンスを作りにくく
遅効のビルドアップとセットプレーで得点を狙っていましたが、限界がありました。
そのため恐らく今年は、いい守備からいい攻撃、ではないですが、前でボールを奪おうとしたと予想されます。
その変更に失敗したため、大失速をしたわけですが、それがようやく実を結んできました。
中盤がコンパクトになり、低すぎない位置でのボール奪取からカウンター。
またビルドアップもショートパスでのビルドアップも減らして、ロングボールをメインに。
崩しでもDFラインの裏狙いと、サイドからのクロスは早いクロスでDFとGKの間を狙うこと。
去年よりもスピーディーな攻撃を心がけて、より現実的な戦術になったように思います。
また攻撃時に、左から川本、天笠、佐川、佐藤、川上で5レーン埋めるようになりました。
以前は左の大外が菊池(左WB)で川本が左の内側レーンだったと思います。
これにより、川本は個の力をサイドで発揮しやすくなり、天笠はダイナミックに敵陣に突撃出来るようになりました。
菊池が後ろ目に残るメリットとして、ネガトラの際に中塩のフォローがしやすくなりました。
菊池はアスリート能力が高いため、広いスペースをスピードで守ることが苦手な中塩のフォローが出来ます。
3バックはやはりWBの裏が狙われがちではあるので、攻守のバランスがより良くなったことも大きいです。

今節はそれが全て結果に繋がったようでした。


・前半
今節も前半とても良い出来でした。
前節の前半も良かったですが、今節のザスパのアプローチで修正が見えたのは
最終ラインが勇気をもって高さを保ったことと、ロングボール戦術が整理されたことです。
愛媛の裏狙いにヒヤヒヤしながらも、今節は最終ラインがしっかり高さを保ちました。
そのため、より中盤がコンパクトになり、カウンターがうてる高さで奪取できていました。
また、特に天笠が前に出る守備が出来るようになったのも大きいです。
今までは、前線の3人が追っても後ろがついてこれずにひっくり返されていましたが
今節は天笠が連動してしっかり前に出れるようになりました。
天笠が前にでても、中盤の最終ラインがコンパクトに構えているので、カバーが間に合います。
風間がDFラインのカバーに入ったり、大畑が中盤のカバーに入ったり、いい連携が出来ていました。
攻撃に関しては、前述した通りロングボール戦術が整理されていました。
フィジカルに優れた佐川と川本を狙うのは前節でも行っていましたが
今節は2人が両サイドのスペースに流れて競り合っていました。
また、DAZNでは見切れてしまっていて、予想になってしまいますが
後ろのビルドアップも、佐川と川本がセットするまでは、いつでも出せるようにボールを回して
出せるようになったら蹴る、というやり方にしていたと思います。
そのため、シンプルに佐川と川本が競り合いに勝ちやすくなっていることと
ボール保持の際に、選手が迷いなくプレー出来ているように見えました。
攻守ともに、バタバタ感というものがかなり減ったと思いました。

先制点は、中塩のアーリークロスから生まれます。
佐川が序盤からエリア内でも存在感を放っているため、愛媛も無視出来なかったんだと思います。
佐川に2人ついたため、ファーへの速いクロスに大外から入った川上がフリーでした。
やはり、ファーへの速いクロスに大外から斜めに入っていく動きは決まりますね。
ニアに佐藤、中央に佐川、大外から川上と3人エリアに入れたのも良かったです。
あと中塩のアーリークロスの精度は本当にいいですね。
複数得点が無いのがザスパの課題でしたが、今節は前半に2点目を決めます。
ザスパ保持でのロングボールの競り合いを回収してからの攻撃でした。
佐川が足元で落としたところに天笠が後ろから勢いよく突撃して縦に突破します。
なんとか中央に折り返すもコースが厳しかったですが、佐藤が飛び込んでゴールにねじ込みました。
まず、天笠が勢いよく突撃したことで、相手選手を少し置いていけたことがまず良かったところ。
あとはコースが無いところを諦めずに佐藤が飛び込んでいったところ。
見た目は泥臭かったかもしれませんが、気持ちの入った素晴らしいゴールでした。
決めた時間帯も前半ロスタイムというのが良いですね。

・運も味方した後半
ザスパは頭から佐川→平松。
前半から佐川は良かったですし、あとはゴールだけといった感じでしたが・・・
負傷でないことを祈ります。
愛媛も頭から選手を変えてきたので、前節の反省を生かしてどこまで相手の修正に対応できるか。
平松へのロングボールからは攻撃は対応されつつあるものの、3点目を決めることに成功します。
ロングスローと見せかけて、中塩はエリア内からコーナー付近に出てきた平松に投げます。
ヒールで追い越した菊池に預けると、菊池のクロスに佐藤がドンピシャでゴール。
助走をつけていたので、とても打点が高く迫力のあるヘディングゴールでした。
2点目の天笠もそうですが、やはり助走は大事ですね。
佐藤の身長で相手DFの上を取っていましたし、マークつきにくいですし。
菊池もかなり狭いエリアでよくいいクロスあげたと思います。
2点目もそうでしたが、味方を信じて走りこんでいた佐藤も偉いですね。
精度の高い左足が注目されがちですが、実は結構こういうプレーも得意ですよね。
懸命にプレスバックで守備に貢献したり、必要であれば左サイドまでフォローいきますし。
今節は結構スローインも詰めてきているのかなと思いました。
ロングスローで平松に合わせるシーンもあれば、3点目のような合わせもありました。
単純に酒井のコンディションもあるかもしれませんが、もしかしたら右CBが大畑なのはロングスローなのかな?
4点目はここ数試合と攻守に奮闘していた天笠がCKのこぼれを押し込みました。
やっと天笠が報われたような気がして、本当に嬉しいゴールでした。

結果は4-0でしたが、最初の愛媛の決定機を決められていたらどうなっていたか・・・
4得点も素晴らしいですが、櫛引のセーブ含めクリーンシートも素晴らしいです。
愛媛は低い位置でのパスミスなども多く、何かかみ合ってないところにも助けられました。
交代枠を使い切った後にFWが負傷離脱で10人で戦う時間もあり、愛媛にとって不運なところもありました。
佐川、川本の個の勝負が厳しい上位チームとの対戦でどうなるかはわかりませんが
ようやく一定の成果が得られて希望が見えてきたとも思いました。
攻守ともにしっかりかみ合った素晴らしい内容でした。
夏の補強も想像以上に積極的に動いています。
まだまだ現実の順位表は厳しいですが、今日の内容は残留も夢ではないと思わされました。
なんとか、なんとか残留をもぎとって欲しいです。


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