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水島

部屋を暗めにして
隅に体育座りして

洗濯機の音を聞きながら
アイスをたべる。

安全を身に纏いながら
口の中が甘いことだけ考える。

最高のリラックス方法であるし、
頭のなかを空にするのに近いので
スッキリする感覚は瞑想にも近い。

薄給だけど、アイスとコーヒーだけは
食べて良いし飲んでいいことにしているので
日々の小さなご褒美として用意している。

もちろん一杯千円くらいするコーヒーは論外だけれど。


個人的な働き方改革として、大企業のはしくれに所属し
おおかた定時退社できる 家から近い会社を選んだ。

定期的に残業は発生するし毎日嵐のように過ぎ去ってゆくくらい忙しいけれど、それでも定時退社できた日は
家に帰ってきてから隣駅のスーパーに行って
イカを買って捌いて夕飯にできるくらいの時間と体力は残っている。

結果的に、万々歳というわけである。

しかしながらこんなにも疲れるか、という日も当たり前にあって

そんな時にこのリラックス方法を取る。

月曜から金曜までしか働かなくて良くなって
勤務時間も前より短くなって

楽になってるはずだけど

どこか、1日、1時間、1分を
はやく終わらせてしまいたいと思っている。

ふと、

このまま気づいたらおばあさんになっていたらいやだな、と思った。


なにも変わっていなさそうな毎日に
時間の経過を目に見えて教えてくれているのが
家の中にある植物たちで

最近は水島という品種の柿を育てはじめたのだけれど

(あ、もちろん食べてて出てきた種から。)

ずっとこうべを垂れていた柿の種子が
昨日見たらグンと空に向かってまっすぐのびていて
ハッとした。

確実に時間は流れている。

ここに、根を張ることを
ここに、いずれ咲くことを

この水島は決めたんだなぁ。と、

なぜかココロにじんわりきた。

寿家のみかんたちは
ひとつ、またひとつと育たなくなり、

結果ひとつだけ、1番大きな次郎さんだけが残った。

冬になり成長がゆっくりと、またゆっくりとなって
枯れるのではないかと心配しながら眺めているが

そんな次郎さんの横で
水島柿は我関せずな勢いでよく育つ。

もっとゆっくり進んでいいのだよと言いたくもなるけれど
自分にはなさそうなこの勢い、

家庭内にひとつあってもいいかもしれないと思う。

やりいかとトマトソースのパスタ

えんどう豆100%のパスタをいただいたので、はじめてそれで作ってみた。

えんどう豆100%って。
作る過程を見たいと思った。

いまや
なんでも作れる世の中になったもんだなぁ、と。

味はそこそこに美味しい夕飯であった。

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