つむぎ
引っ越しをする日の朝が好きだ。
実家を出た日のことは覚えてないけれど。
一人暮らしをしていた部屋から、今の家に来る日のことは
よく覚えている。
秋のこんな日だった。
よく晴れていて、もう厚いカーテンを外してしまった窓には暑いくらい陽が注いでいて、空気は乾いていた。
いままでそれぞれ別に暮らしていた彼と同棲を始めるための引っ越しであったので、清々しい気持ちとあいまって
こんなふうにカラッと晴れた秋の日は、いい思い出しか生まれないように思えた。
秋のこんな日に、毎年思い出すのかもしれない。
今日は無職になってからの日々に一区切りを付ける日。
実は第一希望の企業から内定をいただいているので
来週からは再び会社員なのである。
大事な予定がある日はほぼほぼいつも雨なので、
入社も雨ではじまる気がする。もう慣れたけどね。
ホチキス買って帰ろう。
今夜のごはん、なににしよう。
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