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寿家の事情


ある夜のことである。

冬もようやく終わりを見せかけた3月。旬もそろそろ終了だろうというときに限ってみかんが食べたくなった。

以前真冬に缶詰めじゃない方の桃が食べたくなったのよりはマシだとおもったけれど、旬も終わる頃の果物は 高い。けれども、迷ったときによく聞こえる”あれ”

これが人生最後だったら・・・?

が聞こえてきたのだった。

うん、そうだよね、みかん、これが最後かもしれないもんね!なんて、ものすごく自分に都合のいい言い訳をぶつぶつといいながら、高めのお値段設定のみかんを買った。寿太郎という品種らしい。


そしてある夜のこと。寿太郎から種がでた。ふたつ。

・・・

。。。。。

育ててみたい!!!!!


同居人が もう鉢がないよ と冷静に突っ込んでいる隣でみかんの種の発根のさせ方を調べ上げ(そういうときだけ行動が早い)、いそいそと温室もどきを作り、それが1つ10日後くらいに無事(無事?)発根した。

戸惑う同居人。喜ぶ主犯格。

結局もう何日後かにもう一つ発根。ここに寿家が誕生した。太郎と次郎のふたり兄弟。


観察絵日記こそつけないけれど、毎日太郎と次郎を眺めては根がどうだ葉がどうだと同居人に報告している。 小学生か!

多分、好きなのだと思う。

毎日変わりゆく植物が。

静かに強く伸びてゆく姿が。


ちなみに今は同居人がホワイトデーにと、台湾好きな私に台湾産のパイナップルを買ってきてくれたその葉をもいで、発根するか試している。

発根させられそうなものを買い与えてしまったことに同居人が気づいたときにはもう時既に遅しなのである。頭を抱えていた。(ごめん。)


そんなこんなで、今日の太郎(右)と次郎(左

)を載せておこう。

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