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INDEPENDENT:22を観ました

先週出た、最強の一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT:22」。どのユニットもそれぞれすばらしくて、あれが面白かった、ここが素晴らしかった、と語り合いたい気持ちがたぎりました。たぎっているうちに書きます。
それぞれ、今後再演をされたりするだろうから、ネタバレにならないように気を付けながら書こうと思います。

[t1] 「カルチャール・ビビデ・ブラウンの限りなくほぼ全て」
荷車ケンシロウさん。
荷車さんの自己紹介から始まる、こじれにこじれたかわいい話。荷車さん、前回の不労社公演でも、フィジカルすごいなと思ったけれど、本当にすごい役者さんだと思った。ギターまで弾いてた。どんだけ器用なんやろう。

[t2]「ひとりでよがり」
マナカさん。今回のINDEPENDENTでは唯一、脚本演出出演をおひとりでこなしておられた才人。モノローグとか「誰かいるテイ」とか場面転換とかを一切使わず、「一人でしゃべってて不自然じゃない」シチュエーションをちゃんと作って忠実に30分間のドラマを作っていた。剛腕やと思った。ひとりじゃなくなるときに一人芝居がおわるのもかっこいい。

[a]「I dig」
浅井千寿代さん。名古屋の俳優さん。マッチングアプリ婚活がうまくいかず暴走する女の子。浅井さんのパワーと愛嬌が思い切り出ていた。

t1、t2、aを見てて、なんか、自分でいっぱいの海でおぼれてるような感覚になった。これが比較的若い方の作品に共通してたのも面白かった。たまたまかもしれないけど。でも確かに、若いころって外界よりも自分の中の波風が重要だった気がする。自我の海で溺れるさまをエンターテインメントにするアプローチもそれぞれで面白かった。
そして自我の海で一生泳ぎ続けられる者のみを文豪とよぶのだろう。このあとdを見て思ったこと。

[b]「Neoplasm」
飯嶋松之助さん。つかみがすごい。つかみの握力がまずめちゃくちゃ強くて、そのままラストまで連れていかれる感じ。あのゾワゾワした緊張感のまま30分お客さんを離さないの、本当にすごいと思った。

[c]「名前のつかない有様に」
尾沢奈津子さん。出演があの、尾沢奈津子さん。当然すばらしい表現力にドラマにおける必然性が加わって、そんなん、分かった瞬間に泣くやんね。先生のお芝居もすばらしかった。

[d]「駈込み訴え」
櫻井保一さん。まず、テキストを観客の脳内に届ける力が凄すぎる。自我の海で溺れるようすが美しくてかわいそうでおもしろい。横顔のお美しさがキリストの表現にすばらしく映えていて、演出の畠山さんに「わかる~わかる~」と言いたくなった。

[e]「ハッピーロスタイム」
高野桂子さん。ワーキングママがヒロインのお話。ヒロインの悩みがいちいちリアルで、がんばってるのがとにかくけなげで、友達を応援する気持ちで見ていた。
舞台上にさーちゃんが確かに居たなあ・・・と終わってから気づいたけれど、イヤイヤ期の子どもをギャグじゃなく芝居に登場させるのは、一人芝居でなければ不可能ではないだろうか。これは、発明・・・

[f]「僕のニュース」
長橋遼也さん。さすがのウェルメイド!!主人公は最初は鼻につくやつやけど、長橋さんの愛嬌で、調子に乗ってるとこも嫌いになれない。よかったねえ、なんといい話・・と拍手しようとしたら、まさかの。

g]「マイゴ」
わたくし。客席で本番を見たどくさいスイッチ企画さんと大沢秋生さんが、「メッセージ性のなさが際立っていた」と言ってた。私は楽しくて仕方がなかった。

[h]「夢見るカリン姫 ~乙女の祈り編~」
本多真理さん。とにかくかわいくて、みんなカリン姫のことを好きになってしまう。かわいいけど、メンタルと体幹がめちゃめちゃいかついのも素敵。本多さんはご本人もすごくかわいらしい方でした。出番前にミツルギさんが「じゃ、姫、がんばって。」とナチュラルに姫呼びしていたのも、なんかぐっと来た。一人芝居って、目の前の人間が何か極限のことに挑むようすを見るエンターテインメントかもしれない。

[i]「イシャ、オドル、オオサンショウウオ」
三原悠里さん。もう、見事すぎて拍手が長かった。ゆうりちゃん、もはやできないこととかないんじゃないだろうか。最後の全員集合の無茶ぶりシーン、ハプニングを観客と一緒に楽しみながらやってるようす、本当にかっこよかった。

[j]「10+2」
谷津りりこさん。12歳。12歳!すごすぎる。小学生の日常のシーンのあと、彼女が生まれた時のお話が語られて、この日常が奇跡のうえに成り立っていたことを知る。脚本演出はお母さんの谷津智里さんがされてたんやけど、そこから、お母さんの目を通してりりこちゃんを見て、こんなに愛おしいものかと思った。


以上、12作品!
INDEPENDENTの面白さって、終わったあと、M-1の翌日みたいに、あーだこーだ無責任に言うことまで含まれている気がするので、あーだこーだ言いました。それぞれにすばらしく、ご一緒できたこと本当に光栄に思います。
皆さま、本当にお疲れさまでした!
またどこかでご一緒できるように、またがんばろうと思います。


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