ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS ストーリー22章感想

こんにちは。

スクスタ22章の感想を書きます。
ネタバレします。

21章おさらい

22章はまさかの、ミアにスポットライトが当たる話でした。
そこで、21章の最後をおさらいします。

21章最後で、しずくは同好会のステージに戻り「あなた」の作った曲を歌います。
そのステージを目にしたミアは心を動かされます。

このことについては21章の感想でこう書きました。

ミアがステレオタイプに過ぎます。エリート音楽一族の天才少女が、素人に毛の生えたような連中のライブにどうしようもなく惹かれてしまう……なんて。

改めて言うと
世界レベルの作曲家なら、思いのこもった曲なんていくらでも触れているだろう。エリート音楽一族の天才少女は『心』を知らないなんてキャラ付けは、ステレオタイプすぎないか」
ということです。

この引っかかりは22章をプレイしても解決しなかったんですが、これを引きずっていると22章について話せないので、忘れます。

「あなた」の影響を受けるミア

しばらくこもったあと、ミアは新曲を聴かせます。
しかしランジュからはボツを喰らい、愛や果林からは「『あなた』の曲に似ている」と言われます。
憤慨して曲作りをやり直すミア。
自分の曲の方が優れていると自分に言い聞かせるも、しずくが「あなた」の曲を選んだことを思い出し悩みます。

何かを感じ取る璃奈

一方同好会は作戦会議。その中でしずくが、レベルアップのために部のライブ動画を見て研究することを提案します。
ランジュのパフォーマンスを見て「どんな曲も自分のものにできるんだ」としずくや歩夢が評価する中、璃奈だけは「この曲も誰かのために作られている」と感じ取ります。つまりは、「あなた」の曲と同じ要素があるということですね。誰かとは誰なのか

ここで、部の動画研究をしずくが提案してから最後まで、エマが一言も発さないのが意味ありげですが、スクスタのストーリーでそこまで考えるのは深読みというものでしょう。エマがここで発言するとしたらどんな感じか、想像できなかったのではないかとすら思えます。

璃奈とミア

Aqoursが東京にパフォーマンスに来ていた場の話で、テイラー家が大物シンガー揃いであることを知った璃奈。
後日、偶然休日の学校で行き倒れ(!)になっていたミアを助けて、ミアの曲が好きであることを告げます。
更にミアは歌わないのかと問いかけますが、興味がないと返されます。

懊悩するミア

部よりも同好会のパフォーマンスを気に入ったという評価を目にするミア。どこがいいのかと問いかけると、「曲と演者のシンクロ」「同好会の曲はそのメンバーにしか歌えない」といった返答が。つまり演者(スクールアイドル)の思いを乗せた曲がよいということです。
それに対しミアは「曲の出来と演者は関係ない」ことを証明するために、圧倒的に優れた曲を作ろうとします。しかし、作曲は全く進みません。
部のライブ動員数が減っていることについて、新曲がないせいだとランジュから責められるも、平然と返すミア。しかし心中は、しずくのステージを観てから―しずくの思いを汲み取って「あなた」が作った曲をしずくが歌うのを観てから―碌な曲が作れないことに焦燥していました。

璃奈とミア2

かくして失踪するミア。同好会は愛に捜索への協力を依頼されます。
行き倒れの一件で自分とミアは似ているところがあると感じていた璃奈は、自分ならどこへ行くかを考えてミアを見つけます。
璃奈に見つかったミアは自分の苦悩を吐露します。曲が作れなくなったこと。それでは自分の価値がなくなること。
なぜ価値という話になるのかと問う璃奈に対し、ミアは過去を打ち明けます。もともとは歌が大好きだった。しかし初舞台のとき、「ただ好きなだけでやってきた自分が、テイラー家の名に恥じない歌唱ができるのか」というプレッシャーに押しつぶされ、歌えなくなった。
そこで汚名を雪ぐため作曲の道へ進んだ。世界的作曲家になり面目を保ったと安堵していたのに、それもできなくなった。

価値を失った自分など誰も必要としないと絶望するミアに、私に必要だと、友達になろう素顔で伝える璃奈。
ミアの曲にはミアの思いが詰まっている。ミアの曲は誰のために作られたのか、歌うべきなのは誰なのか。それはミア自身。
そんなミアの曲を大好きだという璃奈の言葉にミアは号泣します。14歳ですからね。

この、璃奈がミアを救い友達になるという展開に、思わず「りなりーが……!」とこみ上げるものを錯覚します。しかし、スクスタストーリーにおいてりなりーの成長は描かれたことはないはず。それは幸せな夢の中で見たものです。つまりは偽りの記憶です。

ミアのライブ

璃奈に呼ばれて同好会のミーティングの場に来たミア。璃奈に促されて捜してくれたことのお礼を言います。
そしてミーティングの議題はどうやって満足なライブをするか。
というのは……監視委員の締め付けが緩んできたのを好機と見て勢力拡大を目論むも、逆に観客が増えすぎて大事になり、流石に監視委員が動いてしまう事態になったからです。

……そのエピソードのあと、「監視委員の締め付けが緩んできた」という前提にも関わらず監視委員にライブを中断させられるシーンが描かれたんですが、これは調子に乗ったら取り締まられたってことなんですかね? よくわかりません。
あと監視委員のことを観客(一般生徒)も知っているなら、署名を集めて監視委員を撤廃させようとかなりませんかね?

話が逸れました。
問題への解決策としてオンラインライブを提案する璃奈。さらにはそこにミアに出演してほしいと言います。
これは思いっきり部外者のお姉さん(学年的に)ではありますが……ミアはランジュに連れてこられただけで、同好会に対しては何も悪いことをしていないので許容です。

そんなこんなで、場所を分散して中継する形でオンラインライブが行われます。
「いつ監視委員が現れるかわからなくてドキドキしちゃう」って感想、監視委員を「逃走中」のハンターみたいに扱ってて面白いですね。いやもっと真剣に問題視してほしいんですが。

オンラインライブは大成功。ミアも立派に歌い切り、コンプレックスを乗り越えると同時に、プレイヤーに対して「スクールアイドル・ミア」を提示することとなりました。

全体を通して

ミアがスクールアイドルになることを全く予期していませんでした。それを描くシナリオとしてはよいかなと。
同好会側からはりなりーがメインでしたが、偽りの記憶の件を差し引いても、ストーリーで活躍していない璃奈を―21章ではしずくでしたが―動かすという意味で良かったと思います。確かにミアと璃奈の相性は良さそうですし。

ミアの曲の変化についてまとめると
- しずくのライブを観たときから、無意識に自分の思いを込めた曲を作るようになった
- その曲は自分にしか歌えないものだから、ランジュからはボツを食らうし、自分が歌わない状態では自分でもいい曲だと思えなかった
- 自分が歌うことによって曲は完成し、最高の曲だと胸を張って言えるようになった
ということですかね。

しかし、そう考えると1つ気になる点があって……璃奈は部のライブ動画を見て「この曲も誰かのために作られている」と感じたわけですが、それはミアがしずくのライブを観る前に作った曲なんですよね。
なぜなら、しずくのライブを観たあとはボツにされた曲しか作れてないからです。
とすると、もともとミアは自分のための曲を作ってきていて、つまりその曲は自分が歌わないと完成しないのに、その曲で世界を席巻してきたということになります。

……まあ、しずくのライブを観るまでは自分の思いはほんの僅かにしかこもっていなくて、そのため他の人が歌ってもそこまで完成度が下がらなかったということでしょうか。
そしてその僅かな思いに、なぜか璃奈は気づけたと。

その他良かったところ

ランジュのキャラがだいぶ固まってきましたね。
少なくとも部・同好会の関係者のことは能力でしか見ていない
そんなランジュが親友と表現する関係など、実際のところ空虚で独り善がりなものであることがよくわかります。栞子だけは幼馴染なので例外かもしれませんが。

よくなかったところ

愛、果林、栞子の言動ですね。
20章が諸悪の根源ですが、それでも22章はかなーりきつかった。

愛と果林はミアを気にかけていて、それは仲間思い、友達思いってことになりますが、それだったら友達を苦しめているやつのところに行きませんよね。
話は逸れますが、アニメ連動ストーリーで果林が「それ(仲間でライバル)以前に、友達でしょ」と言っていてものすごい皮肉になってましたね。

ミア捜索の協力を同好会に依頼するときも、申し訳無さみたいなのは欠片もありませんでしたね。
あそこで愛が「こんなこと頼める立場じゃないのはわかってるけど」ぐらい言ってくれればなあ……

栞子も「同好会を敵だと思ったことはない」と言っていますが、敵じゃないなら妨害はしないだろ。

この辺、20章でもう描かれてることなんですけど、あまりにひどいので目を逸らしたところを「逃げるな」とばかりに見せつけられた感じでした。監視委員会から逃げるな。

監視委員の締め付けが緩んできている件で、3人の口添えがあった感を匂わせ、なんとか悪印象を払拭しようとしているのはわかりますが、正直焼け石に水ですね。
というか問題なのは「同好会を弾圧する部に行ったこと」というより「同好会メンバーに対する態度が、弾圧者に下った者のそれではない」ってところなんですよね……

また愛は、璃奈に呼ばれていくミアに対して「戻ってくるよね?」と不安げに訪ねていて、ああ愛さんはもう部の人間なんだなあと感じさせられました。

今後の予想

22章では
- ミアが自分の思いを込めた曲を作るようになった
- その曲を歌うようになった
というのがポイントでした。

これが今後にどう影響していくかですが、ミアの能力として、
- 思いを込めない曲(これまでの曲)を作ることもできるようになった。元の力も取り戻した (1)/できない (2)
- 他人の思いを汲み取ることもできる (A)/できない。自分だけ (B)
の組み合わせが考えられます。

先にA/Bどちらかを考えると、これはBなんじゃないかなと。
ミアの性格的に「あなた」のやるようなことはできなそうだなというのと、それができちゃうと「あなた」の完全上位互換になってしまうためです。

そこでBを前提に考えて、もし2だと、ミアには他人の曲が作れなくなったということになるため、部の戦力は落ちます。
またランジュならばそんなミアを追い出しても不思議ではありません。そんなとき、歌う楽しさを取り戻したミアを受け容れるのは同好会でしょう。
ミアが同好会に参加すればまた同好会は勢いを増します。そうすれば、部を追い詰める方向に進みます。
この筋書きでは、ミアが他人の曲を作れなくなるので、ミアの作曲家としてのキャリアは絶たれます。しかし新たにシンガーソングライターとしてのキャリアが始まります。三方良しですね。

で1の場合ですが、ミアが歌うこともできるようになったという、ぶっちゃけ敵に塩を送っただけになります。
この筋書きだと、思いのこもった曲の素晴らしさをミアがランジュに説くとかで話が進みそうですね。あるいはミアが同好会のライブにハマるとか。
いずれにせよランジュには思いを込めるということが理解できないという点がポイントになりそうです。……そんなこと言及されていませんが、他人と心を通わせることなどできない(できてると思っていたとしてもそれは自分だけ)というのが、これまで描かれたランジュのパーソナリティだと思います。

終わりに

感想と言いつつダイジェストみたいなことも書いたのでかなり長くなりました。
幸せな夢―アニメは終わってしまいました。スクスタストーリーをプレイする者としては、もしかしたら予想を上回る素晴らしいものがあるんじゃないかという僅かな希望と、できるだけ傷が治るように、これ以上広がらないようにとの切なる願いをもって23章を待ちます。

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